【新技法】「テープスタンピング」
こんにちは、現場の前田です。
今回ご紹介するのは、コスモテックの新しい加工技術「 テープスタンピング 」です。
普段、箔押し加工の材料として必須なキラキラの箔。
この箔は下の写真のようにロール状になっているのですが、
使用する適当な幅にカットされたホログラム箔と金箔
「 箔に代わる加工材料を作り出せないか!? 」
「 そして、それを箔押し加工のように押せないだろうか!? 」
という考えから加工実験を行い、生み出されたのが「 テープスタンピング 」という技法です。
まず、この加工実験のために作り出したのは、箔の代わりに使用するグラデーション印刷を施したテープ。色は共通で2種類のテクスチャーを作りました。1つはコスモテックのオンラインショップでも販売しているマスキングテープと同じ材質のマット調のもの。もう一方は、テープの表面にPP加工を施したグロス感のあるものです。
左側一番手前がマスキングテープと同じ材質のもの。
右側一番手前が表面にPP加工を施したテープ。
色味は、蛍光ピンクと蛍光グリーンのインキをインキ壺の中で混ぜ合わせ、グラデーション印刷しています。
グラデーションは職人の経験と感覚による絶妙な調整によって美しいグラデーションで印刷されています。
動画と同様の手法で蛍光ピンクと蛍光グリーンの
インキを混ぜ合わせ、グラデーションテープを製作
マスキングテープと同じ材質の方は味わいあるマットな質感とやさしい色合いに。PP加工を施したものはエナメルのようなつやつやとした光沢感と鮮やかな発色が特徴的です。
どちらの材質も、蛍光ピンクと蛍光グリーンのポップなグラデーションによって可愛らしい色合いのテープができました。
そして…
グラデーションテープを使用して 「 テープスタンピング 」 の加工実験をし、試行錯誤の末に形となったものが下の写真の 「 OMEDETO 」 カードです。お祝いの 「 おめでとう 」 という言葉を英字で表現しました。
上の写真はマスキングテープ材( マット調 )を使用した
「 OMEDETO 」の文字表現
こちらは表面にPP加工を施したグロスタイプのテープで
「 OMEDETO 」の文字表現
「 テープスタンピング 」 では、グラデーションテープのロールを箔ロールの代わりに箔押し機にセットし、箔押し加工の要領で厚紙に押していきます。
グラデーションテープは文字のふち部分が厚紙に食い込み、箔のロールよりも厚みがあるので、デザイン部分が少し盛り上がったように見える表現になりました。これが「 テープスタンピング 」の一番の面白いポイントです!
グラデーションテープの質感の違いによって、表情の違いを目で楽しめる、触っても楽しめる、おもしろいカードが出来ました。
青木( コスモテック )からの提案
グラデーションテープで加工実験したカードを見た青木 ( コスモテック )から 「 コスモテックで過去に製作した箔押しマスキングテープのヤレ( 検品基準を満たすことが出来ずはじいたもの )をグラデーションテープの代わりに使用して加工してみてはどうか 」 という提案があり、さっそく試してみることにしました。
グラデーションテープでは箔を使用していないので、箔押し加工らしさが感じられないのですが、箔押しマスキングテープは 「 逢魔飛行 」 や 「 夜間飛行 」 などのように箔押しがふんだんに使用されているため、デザイン部にランダムに箔が入り、箔のきらめきがとても華やかでグラデーションテープとはまた違った印象でときめきます。
こちら( 上の写真 )は「 逢魔飛行 」箔押しマスキングテープ。
これを使って「 テープスタンピング 」すると…
こちら( 下の写真 )は「 夜間飛行 」箔押しマスキングテープ。
これを使って「 テープスタンピング 」すると…
箔押しマスキングテープを製作する際に生じるヤレも、このようにリユースすることで新たな製品として生まれ変わらせることができると分かりました。
コスモテックの新技法 「 テープスタンピング 」 は、今までの経験や人との出会いから着想し、試行錯誤してできた技法で、今回このように形にできたことを嬉しく思います。今回作成したカードは今後さらに実験を重ね、製品化に向けて磨きをかけていきます。
今回の加工実験やカード製作を経験し、創意工夫によっていろいろな表現の可能性があることもわかりました。今後もその可能性を広げるとともに、技術改良や開発を引き続き行っていきたいと思います。
最後に、この新しい技法 「 テープスタンピング 」 は、コスモテックを支えて下さるたくさんの方々のお力添えによってできた技法です。
一緒に考え、携わってくださった皆さまに心から感謝申し上げます。
【 箔押し加工 】
有限会社コスモテック 現場リーダー 前田瑠璃
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362
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