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「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」 2色箔押し

こんにちは、現場の前田です。

今回ご紹介するのは、株式会社山田写真製版所さまからご依頼いただいた、 『 奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム 』 の図録カバーへの箔押し加工です。 展覧会は、2022年1月15日(土)~2022年4月10日(日)まで 東京都庭園美術館 で開催されています。


図録の出版社は株式会社青幻舎さま、デザインはデザイナーの原条令子さま( 原条令子デザイン室 )です。

以前コスモテックでは、山田写真製版さま × 原条令子さま × 青幻舎さまの布陣で「 デボスとエンボスの合わせ技 」 の加工をお手伝いさせていただいたこともあり、今回のお声がけも本当に嬉しかったです。


さて、早速今回のカバーについてご紹介させて頂きます。

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真っ先に目に飛び込んでくるのは、黒地にピンクのメタリック箔が目を引くカバー。 「 中身は一体どんな内容なのか!? 」 と、とても気になる魅惑的な印象を受けます。

カバー背景の黒色はスーパーブラックインキで印刷されており、深い黒の世界が紙面上に広がっています。その上に繊細でこまやかな絵柄を黒艶箔で箔押し加工。さらに、タイトル文字をピンクのメタリック箔で押しております。

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背景が黒のマット調の印刷。 その上に黒艶箔が際立っている!


スーパーブラックインキで印刷されたマットな質感に、角度を変えるとツヤっと光る黒艶箔のグロスの質感をのせることで、同じ黒色でもコントラストが生まれ、より深みが増す印象です。

ピンクのメタリック箔は鮮やかでかわいらしい印象がある箔色ですが、印刷と箔の2つの異なる黒色との組み合わせがピンクの甘さを抑え、とてもマッチしています。甘辛な色合わせに引き込まれるような魅力的なカバーです。

加工では、黒艶箔は絵柄の繊細さを意識して、シャープに箔がのるように箔の接着剤の種類の選択や箔の定着感の調整を入念に行いました。

また、2工程目で加工するピンクのメタリック箔は黒艶箔との見当合わせ( 位置合わせ )が難しく、位置合わせの調整には特に時間をかけて箔押し加工しています。

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ピンクメタリック箔の文字の周囲には少し余白があるのが分かる
この部分が黒艶箔との位置合わせになっているデザイン


カバーも内容も気になる図録 『 奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム 』、是非お手に取ってみてはいかがでしょうか。


株式会社山田写真製版所さま、原条令子さま、株式会社青幻舎さま、この度はお手伝いさせていただきまして、ありがとうございました!

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2面付け状態のカバー。 どこか妖しくもあり、うっとりするほど美しい


コスモテック 青木より
SNS上で話題沸騰中の展覧会 『 奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム 』、その図録のカバーの箔押し加工をお手伝いさせていただきました。

以前、コスモテックで加工のお手伝いをさせていただいた 『 ラウル・デュフィ 絵画とテキスタイル 』 の時と同様、デザインは原条令子さま、印刷は株式会社山田写真製版所、出版社は青幻舎ということもあり、今回お声がけいただいた時から 「 果たしてどのようなデザインなのか… 」 とドキドキしておりました。

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原条さまのデザインとコスモテックの出会いは今から10年以上前。
2008年 「 デザインのひきだし5 」 装丁道場( CASE.13 一生手元に置きたい 宝物の1冊 )がはじめてだったと記憶しています。当時、装丁道場内で箔押しのお手伝いをさせていただき、その図版が非常に美しく感激しました。その後、書店に足を運ぶと原条さまがデザインされた書籍を探し、実物の印刷物を楽しませていただいていたのが懐かしいです。

時は流れ、 『 ラウル・デュフィ 絵画とテキスタイル 』 『 奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム 』 が原条令子さまデザインであることを山田写真製版所さまよりうかがった時は嬉しく思いました。

箔押し屋として押したくなる、そして、うっとりするほど美しい図案なのです。


【 箔押し加工 】
有限会社コスモテック 現場リーダー 前田瑠璃
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362

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