「 『 デザインのひきだし 』 編集長の津田淳子さんと作る 48×48mm 箔押しシール 」
コスモテックの青木です。
今回ご紹介するのは、『 デザインのひきだし 』 編集長の津田淳子さんと作る 48mm 正方形の箔押しシールです。
コスモテックがこれからお任せ箔押しシールのサービスをはじめるにあたって、ふと頭をよぎったことは、「 もし 『 デザインのひきだし 』 編集長の津田さんに箔色をお任せしたらどんなシールが完成するのだろうか? 」 ということ…
すなわち 「 津田さんが作りたい 48mm 正方形の箔押しシールをまるっと製作したら一体どのようになるのか? 」 です。
津田さんにトライアル( 実験 )のお願いをしたところ、「 実は、すでにやってみたいことがあります! 」 と即ご快諾! 心強いお返事をいただき、後日、下記のデザインデータを入稿してくださいました。
◉ やってみたいことを膨らませる
その名は 『 ATLAS BEETLE 』( アトラスオオカブト )!
入稿データとともに ①~③ の津田さんのご希望の箔、イメージカラーが添えられていました。
① はドイツの箔メーカーKURZ( クルツ )社のホログラム箔。
フロストというのは 「 霜( しも ) 」 という意味です。ホログラム箔表面の特徴ある模様が霜を連想させます。
② はカブトムシの つやつやと黒光りした雰囲気の箔色をセレクト。
③ の緑色系のホログラム箔はグリーン系のメタリック箔を数種類選び、その上に透明ホログラム箔をぴったり合わせて箔押しすることでギミック的に緑色系のホログラム箔を作り出すことにしました。
津田さんよりご入稿いただいたデザインデータを確認し、データ上で箔押しする順番に版を分けて、①②③ の加工を想像していた際、ずっと前に津田さんが 「 昆虫のエンボス( 浮き出し )加工をやってみたい! 」 と私に話してくださったことをふと思い出しました。
すぐに津田さんにご相談し、急遽 エンボス( 浮き出し )加工を追加し、下記の工程で 『 ATLAS BEETLE 』( アトラスオオカブト ) シールを実験製作することになりました。
最終工程で上のイメージ図のようにぐっとエンボス( 浮き出し )でアトラスオオカブトを盛り上げ、立体化させます( ※ 注 )ただし、今回はエンボス( 浮き出し )加工の都合上、シール裏面のセパレーターへの箔押しはしないことになりました。
※ 注 【 期間限定 】『 すべて、完全お任せ箔押しシール作成! 』 内ではエンボス( 浮き出し )加工のサービスは行いません。また、使用する箔色を指定することも出来ませんのでご注意ください。
さらに、津田さんからいただいた ①②③ のプランをもとに 「 この箔色の組み合わせも気になります。うまくマッチするかもしれません! 」 というご提案のパターンリストを作り、今回一緒に実験製作させていただけることになりました。
津田さん案( ①②③ )以外のものを考えるにあたって、津田さんの好みに刺さりそうな組み合わせを想像しました。
津田さんが 「 憧れの箔 と謳う アバロンセレクト 」( note 記事 : 「 宇野亞喜良さま 特殊印刷カード アバロンセレクト箔押し 」 より )をシールの背景に総ベタ箔押ししてみるバージョンやアトラスオオカブトの黒つや箔の上に透明ホログラム箔をさらに乗せて黒のホログラムを生み出すバージョンなどさまざまな 箔×図案 のパターンを考え、トライアルのためのパターンリストを作成しました。
◉ フロストが霜でなくなる瞬間
フロスト( 霜 )柄のホログラム箔をシールの表面に総ベタ箔押ししていた時は 「 霜 」 という言葉に引っ張られ、まさに窓ガラスに凍り付く霜のようにしか見えなかったのですが、アトラスオオカブトの図版をその上へ箔押しし、さらに葉っぱの図版をかぶせると…
「 あら不思議! 」
いつの間にか 「 霜 」 という言葉が私の頭から消え、霜というよりも背景のフロストのホログラム箔が 「 まるで植物のように見えてきた 」 のが新鮮でした。
これはアバロン( 貝殻の真珠層 )のホログラム箔の時にも感じたことですが、その上に乗せる・かぶせる図版( もちろん箔色の影響もあると思います )によって、箔そのものが持つイメージが変化しているように感じました。
フロストやアバロンのように特徴ある名前とリンクして箔表面の柄が表されている場合、箔のネーミングのイメージが強く印象に残り、霜や貝殻の真珠層に見えてしまいがちです。 しかし、その上に乗せる別の図案などの影響によってそのイメージが緩和され、別の意味付けがなされるという現象が非常におもしろく、可能性の広がりを感じました。
津田さんセレクトのフロスト( 霜 )+昆虫+植物の組み合わせは新鮮な驚きと箔表現の新たな可能性に満ち満ちていたのです。
◉ 既存のラインナップに無い箔色を生み出す
今回、緑色系メタリック箔5色( グリーン・シルキーエメラルド・キウイグリーン・グリーンレイク・シルキーライム )、ピンク系のメタリック箔5色( ストロベリー・チェリーピンク・シルキーローズ・ピンク・シルキールージュ )そして 黒つや箔、合わせて計11色の箔の上に透明ホログラム箔を同じ図版で箔押しし、箔見本帳にある既存の箔色ラインナップにはない箔色を創り出す試みもとても興味深いものでした。
箔の上に透明ホログラム箔がぴったり乗ることで1層目のカラーメタリック箔に2層目の透明ホログラムの光彩が加わり、見る角度によって虹色の輝きをほのかに感じることができるようになります。
緑色・ピンク色で各5色押し分けたパターンから感じられるのは緑色・ピンク色それぞれのわずかな色変化によってもシール全体の仕上がりイメージが変わってくるということです。
黒つや箔に透明ホログラム箔を乗せる試みの方は、2種の箔で作った黒いホログラム箔にエンボス( 浮き出し )が加わるというのが最大の注目ポイントです。アトラスオオカブトを黒色のホログラムで表現し、ぐぐっと立体的に盛り上げると……
予想していた以上にカブトムシの艶っとした甲殻の雰囲気が表現できました。やはり、ホログラム感は平面よりも立体化したほうがより伝わりやすい印象も感じました。
◉ 合計14パターンのアトラスオオカブトがずらり集結
ご覧いただくとわかりますが、『 ATLAS BEETLE 』( アトラスオオカブト ) シール全14種類、壮観な仕上がりです! 今回 津田さんとともにトライアル( 実験 )させていただいた経験を活かして、【 期間限定 】『 すべて、完全お任せ箔押しシール作成! 』 の箔色選びや 箔×箔 の組み合わせの仕方、箔押し表現にぜひ役立たせていただきます。
また、「 図案以外の余白・スペースの取り方、残し方をどのようにするか 」 が製作における重要ポイントの一つだと感じました。
図案を押さない部分、今作のアトラスオオカブトの場合、メインビジュアルの周りに多めの余白・スペースがあるからこそ、シールの土台にベタで押したフロストやアバロンのホログラム箔の特徴が活きてきます。デザインにこなれた感じや抜け感を出すのが好みの方には参考になるのではないでしょうか。
下地の箔が見えないくらいぎゅぎゅっと要素が詰まったシール。
広めの余白からのぞく下地の箔が抜け感を演出するシール。
どちらもそれぞれに楽しい持ち味があり、今後の 【 期間限定 】『 すべて、完全お任せ箔押しシール作成! 』 で出会えるであろう たくさんのシールデザインを想像すると胸が高鳴ります。
『 デザインのひきだし 』 編集長の津田淳子さん、このたびはトライアル( 実験 )の機会を本当にありがとうございました!
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