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世界を抱いている君
きみは無言で空を見上げている
さっきまで泣いていたきみが
ひかりに充ちた高い高い空を
抱きしめるように見上げている
ぼくは広い広い草原に立って
わたる風になろうとして
離れた位置から身をひるがえし
地をすべり 空へはねた
きみが何を考えていようと
空を見上げて何を見つけようと
ぼくは知ろうとしない
きみの心のうちがわかろうとしても
きみは世界中の空をひとりじめした
その瞬間 風になったぼくは
きみの腕の中を通り抜けた
愛している人の名をつぶやいて
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