冬の空
風を斬るように
空に手を伸ばした枝がしなる
見上げた空から
手にあまるほどの日差しが零れた
頭を引っ張られるような空の引力
地上でめまいを起こしそうに足が浮く
空はさみしくなると風をさそい
人を惑わす仕掛けをする
淀んだ体の空気を入れ替える仕掛けに
わいやわいやと血がさわぐ
寒さに弱り切っていたぼくに
外に出てこいといわんばかりにいじる
風斬る音がどうだどうだと
すまして体を抜けていく
冬はほどよい距離感で
弱っちいぼくを先へと後押ししてくれた
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