星の見えない夜
星が見えない夜もあった
日差しが届かない日もあった
でも変わらず ぼくは立っていた
手を伸ばしても 触れることさえできない
背伸びをしても 並ぶことさえなかった
どうしても 隔たりを縮めることはできなかった
立っている場所に 風は吹いてくる
方角が変われども 風は吹いてくる
温もりや強弱は変われども 風は吹いてくる
あきらめきれずにいるぼくに
メッセージを繰り返すように
時間は刻まれていく
そのままでは 隔たりは変わることはなかった
ぼくが変わっていくことで距離は縮まった
それをずっと待ち続けていたかのように
星が見えない夜は明け 太陽は手元に差してきた
変わらず立っていた場所に
ひらいた掌ですくうように 大切に受けとめた
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