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[人工衛星Emmaのキセキ]第3話 えっ、「そこ」から?!~普通 "あり得ない” 見落とし~

こんにちは。
コスモ女子のあいです。

第1話ではコスモ女子とコスモ女子アマチュア無線クラブのビジョンについて、
続く第2話では、そのビジョンがなぜ人工衛星の打ち上げを目指すことにつながったのかについて、

それぞれお送りしてきました。

いよいよここからは、打ち上げに向けて、実際にどのように動いてきたかのお話をしていきます。


最初のつまずき

前回と重なりますが、人工衛星打ち上げに向けた最初の動きは、協力者を探すことでした。

なにせこの段階では、メンバー全員がほぼ知識ゼロ。
まず何をどうしていいかもわかりません。
宇宙や人工衛星に関する専門知識を補ってくれる存在が必要でした。

この点に関しては、第2話の最後にも書いたように、
コスモ女子メンバー全員で方々に連絡を取り、ご縁を紡ぎながら、知恵や力を貸してくださる企業や大学を見つけることができました。

これで、人工衛星打ち上げも軌道に乗った!

……と、思いきや!
実はこのとき私たちは、大きなことを見落としていたのです。

それは何かというと、

「ミッションを決める」

ということでした。

ミッションとは?

そもそも、人工衛星の打ち上げというものは
まず「衛星を使って何がしたいか」ということが最初にあり、そのために打ち上げを行うという順序が普通です。
この、「人工衛星で何がしたいか」という目的のことを、「ミッション」といいます。

ところが、このときの私達は「人工衛星を打ち上げるんだ」ということありきで、肝心のミッション、つまり「打ち上げて何をしたいか」が抜け落ちていたのです!

「とにかく『人工衛星』を打ち上げたい」という想い「だけ」で動いている状態でした。

いわば、手段の目的化。
もっといえば本末転倒。

今振り返ると笑い話というか、「そんなことある?」というようなお話なのですが……
ここに起因する認識のギャップのせいで、協力してくれる方々とも、はじめはなかなか話がかみ合いませんでした。

当時のやりとりを極端かつ単純にすると、こんな感じです。

「今回の人工衛星プロジェクトの目的はなんですか?」
『人工衛星を打ち上げることです』
「いや、ですから、その目的はなんですか?」
『えっ』
「えっ」

……これでは、話が進まないのも当たり前です(笑)

ミッション決めも試行錯誤

幾度ものやり取りを経て認識のズレに気づいたのち、ようやく大前提となる「ミッション」を決めることとなったのですが、これもなかなか一筋縄ではいきませんでした。

最初、コスモ女子メンバーでブレストをして出た案を、協力してくれる企業・大学に提示してみたのですが、
宇宙空間という環境ではどんな制限がかかるか、ということに詳しくない我々のアイデアは、専門家からすると「そんなバカな」と笑ってしまうレベルの内容だったりしました。

この「やりたいことと、宇宙の現実のギャップ」はなかなか埋めるのが大変で、何度も何度もブレストと議論を繰り返したものです。

どうにかこうにか実現可能なミッションにまとめあげていけたのは、コスモ女子代表のゆかさんの力があってのことでした。

実は、そうしてミッションを決めたあとも、色々な状況や制約によって、その都度見直しを行ったりしたのですが、、、

ともあれ、ようやく決まったコスモ女子の人工衛星のミッションは、以下の3つです。

  1. 宇宙絵馬

  2. おみくじ

  3. 写真

1.宇宙絵馬

みんなの「想い」や「願い」を私たちの人工衛星にのせて一緒に打ちあげます。
神社で願い事をする際に奉納する絵馬にちなんで、私たちの人工衛星の名前は『Emma(えま)』と名付けました。

宇宙に届けたい願い事は2022年11月にクラウドファンディングを通して募集しました。

2.おみくじ

「Emma(えま)」から受信したデータを利用し、神社でおみくじを引くように、
コスモ女子アマチュア無線クラブのホームページからおみくじの結果を見ることができます。

3.写真

「Emma(えま)」が撮影した写真を地上に届けます。

以上の3つ。
試行錯誤しましたが、「宇宙とつながる」ということを実現できるミッションかなと思っています。


この時点でようやく、人工衛星打ち上げのスタートラインに立った私たち、コスモ女子アマチュア無線クラブ。

ここから本格的に様々な申請や準備を進めていくことになるのですが、
この辺で一旦、
「そもそも人工衛星の打ち上げって、どういうことをするのか?」
という全体像についてご説明しようと思います。

次回もお楽しみに!

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