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大学入学共通テスト実施に寄せて

1月16日、17日の両日、大学入学共通テストが実施される。
英語民間試験や記述式テストの中止だけでも大混乱であったのに、それに加えてのコロナ禍。受験生にとっては本当に大変な状況であるが、これまでの努力の成果を十分に発揮してほしい。

今回の入試制度変更にあたっては大混乱を招いたが、入試をどのように変えても、世の中にあまた存在する教育産業がすぐに『傾向と対策』を提供するであろうから同じことである。

それよりも、大学受験が人生の一大イベント化している状況をこそ議論すべきではないだろうか。終身雇用と新卒一括採用の下では『受験結果が一生を左右する』というのは決して言い過ぎではなく、そのことへの社会の過剰な反応が入試のしくみ、そして教育を歪めているように思う。

では終身雇用と新卒一括採用をやめればよいかというとそう単純ではない。
ただ、少なくとも再チャレンジの道は開かれているべきであると思う。
(第一次安倍内閣の『再チャレンジ制度』はよい試みであったと思う)
違った経歴の人材を受け入れるというのも、一種のダイバーシティマネジメントではないだろうか。

いずれにしても、入試制度というのは
 世界はどのように変わっていくのか
 ↓
 そんな中、日本はどのような国、社会をめざすのか
 ↓
 そのためにはどのような教育が必要か
という議論の後に決まるものであって、入試制度変更が先行した今回のケースは順番が完全に逆である。教育改革については今後も議論が続けられていくようだが、ぜひ中身のある議論を行っていただきたい。


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