マガジンのカバー画像

[英語]多読のための読書ガイド

51
どんな洋書を選んでいいかわからない人のために! 英語学習雑誌『多聴多読マガジン』の連載コーナー「多読のための読書ガイド」の記事をスピンアウト掲載。 英語多読に精通したプロたちによ… もっと読む
運営しているクリエイター

#児童書

「David Walliams: うっとうしい気分を吹き飛ばせ!」~英語多読のための読書ガイド [児童書]~

児童書編 ~2024年06月号~執筆:小林 裕子 (桜蔭学園講師・SEG(エデュカ)多読講師) David Walliams: うっとうしい気分を吹き飛ばせ!今号は、梅雨のうっとうしい気分を吹き飛ばす、元気が出る作家の作品をご紹介したいと思います。 David Walliamsは英国ロンドン出身のコメディアン、俳優、脚本家、児童作家です。 代表作はGangsta Grannyで、テレビ映画にも舞台にもなりました。 この作品は、大嫌いなおばあちゃんの家に行かされた男の

「ドラゴンの面倒を見てみよう!」~英語多読のための読書ガイド [ファンタジー]~

ファンタジー編 ~2024年04月号~執筆:石黒 恵介 (会社員) ドラゴンの面倒を見てみよう!今回はドラゴンにまつわるトラブルが巻き起こるシリーズをご紹介します。 「Naughty Dragons」シリーズでは、Ward一家が里親となり幼いドラゴン2匹を預かります。 本作のドラゴンは知能が高く人語を理解し言葉も話します。 ただし、相当にやんちゃ(naughty)です。 目を離した隙に次々とトラブルを引き起こします。 くしゃみ代わりに火の玉を吹くのは許せるとして

「Cynthia Rylant : 始まりの季節に」~英語多読のための読書ガイド [児童書]~

児童書編 ~2024年04月号~執筆:小林 裕子 (桜蔭学園講師・SEG(エデュカ)多読講師) Cynthia Rylant : 始まりの季節に今号から新しく担当いたします。 今年度は作家別におすすめの作品を紹介していきます。 日本の4月は厚いコートを脱いで外に出かけたくなる、始まりの季節ですね。 そんな季節にぴったりの、心が洗われるお話を数多く書いているシンシア・ライラントから始めましょう。 ライラントは1954年、アメリカのヴァージニア生まれ、Missing

「不思議な生き物との出会い」~英語多読のための読書ガイド [ファンタジー]~

ファンタジー編 ~2024年02月号~執筆:石黒 恵介 (会社員) 不思議な生き物との出会い今回は架空の生物に焦点を当てた2シリーズを紹介します。 「The Fabled Stables」シリーズでは、この世でふたつといない(one-of-a-kind)不思議な生き物たちが登場します。 主人公Auggieが世話役として働いているStable(厩舎)には、時に遠く離れた場所に繋がるポータルが現れ、彼を冒険へといざないます。 各巻、盗賊団Rooksの魔の手から生き物を救

「子どもが主役のミステリー」~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~

ミステリー編 ~2024年02月号~執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ) 子どもが主役のミステリーこのコラムを読んでいる人の中には、子ども時代、自分と同じ年頃の子どもたちが謎を解くジュブナイル・ミステリーを心を躍らせながら読んだという人も多いのではないでしょうか。 今回紹介するのは子どもが主役のミステリーです。 一冊目は『The Mean Girl Who Never Speaks』。 「こども警察」に所属し事件の解決にあたるミアは、「意地悪な子

「災害を生き延びろ! “I Survived...”シリーズ」~英語多読のための読書ガイド [児童書]~

児童書編 ~2024年02月号~執筆:黛 道子(元日本保健医療大学教授) 災害を生き延びろ! “I Survived...”シリーズ今年度も引き続き、chapter books*をご紹介しています。 今回、ご紹介するのは、“I Survived...”という実際に起こった災害を背景に描かれたシリーズです。 歴史を振り返ってみると、地震、嵐、干ばつなどの天災や、戦争、事故、テロなどの人災に見舞われ、人類は何度も危機に立たされてきました。 その衝撃の大きさのため、人々の

「多読の定番、A to Zの新シリーズ! A to Z “Animal”Mysteriesをご紹介!」 ~英語多読のための読書ガイド [児童書]~

児童書編 ~2023年12月号~執筆:黛 道子(元日本保健医療大学教授) A to Zの新シリーズ ! A to Z “Animal” Mysteries今年度も引き続き、chapter books*をご紹介していきます。 子ども向きのミステリとしては古典的なシリーズにRon Royの A to Z Mysteries がありますが、今回ご紹介するのは、その形式を借りた A to Z Animal Mysteries という別作家のシリーズです。 それぞれの本のタイトル

これがNinjaだ! ~英語多読のための読書ガイド [ファンタジー]~

ファンタジー編 ~2023年10月号~執筆:石黒 恵介 (会社員) これがNinjaだ!今回は「Ninja」が登場するシリーズを紹介します。 ただ、日本人がイメージする頭巾を被った「忍者」とはちょっと違うようです。 「Ninja Kid」シリーズでは、Ninjaは「正体を隠して人々を救うヒーロー」として描かれます。 主人公のNelsonはオタク気質で冴えない少年なのですが、ある日突然、運動神経が抜群によくなります。 それだけでも十分ヒーローとして通用しそうなもので

歴史のなかで活躍する少年少女たち ~英語多読のための読書ガイド [児童書]~

児童書編 ~2023年10月号~執筆:黛 道子 (元日本保健医療大学教授) 歴史のなかで活躍する少年少女たち今年度も引き続き、chapter books* をご紹介していきます。 今回、取り上げるStepping Stonesシリーズは、冊数も多く大変充実したchapter booksのシリーズです。 当初はお馴染みの Magic Tree House シリーズも Stepping Stones の一部でした。 このシリーズにはClassic、Fantasy、Hum

戦うフクロウたち ~ 英語多読のための読書ガイド~ファンタジー

ファンタジー編 ~2023年8月号~執筆:石黒 恵介 (会社員) 戦うフクロウたち今回はフクロウが主人公のファンタジーを紹介します。 ひとつ目の「The Last Firehawk」シリーズでは、主人公たちは悪の手から世界を救うため魔石探しの旅に出かけます。 特徴として、物語のテンポがよい点が挙げられます。 細かい設定は気にしない、次々と展開を楽しみたい方におすすめのシリーズです。 また、物語としては大真面目なのですが、挿絵の主人公たちの素っ頓狂な表情も相まって、

小3に成長した Fancy Nancy のすてきな日常 ~ 英語多読のための読書ガイド~ 児童書

児童書編 ~2023年8月号~執筆:黛 道子(元日本保健医療大学教授) おしゃまな少女Nancyのすてきな日常今年度も引き続き、chapter books* をご紹介していきます。 今回は、I Can Read Booksでおなじみの Fancy Nancy の chapter books 版、Nancy Clancyシリーズをご紹介します。 Nancyは難しい言葉やフランス語を使いたがるおしゃまな少女です。 小学 3 年生ということで、ちょうど子ども言葉から少しず

短いものをたくさん読む、長い本を区切って読む ~多読のための読書ガイド~ミステリー

ミステリー編 2023年6月号         執筆:河出真美(梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ) 多読初心者によくおすすめするのは「短いものをたくさん読む」と「長い本を区切って読む」。今回はそれにぴったりな本を紹介します。 まずはRebekah - Girl Detective Books 1-4。 少女探偵Rebekahが主人公の子ども向けミステリー。 1冊は20ページ、約6,000語とちょうどいいボリューム。 シリーズはこの後も続いているので、続刊に手を伸

オオカミがClubを結成 ~英語多読のための読書ガイド~児童書

児童書編 2023年6月号執筆:黛 道子(元日本保健医療大学教授) イメージアップを狙う悪役たち今年度も引き続き、chapter books をご紹介していきます。 今回、ご紹介するのは”The Bad Guys”というマンガ形式のシリーズです。 主人公のひとりはオオカミですが、オオカミと言えば、「赤ずきん」でも「3匹の子ブタ」でも悪役と決まっています。 オオカミの呼びかけで、ヘビ、ピラニア、サメといった怖い動物が集まり、”The Good Guys Club”が結

おばか系の元祖 Dav Pilkey の抱腹絶倒ファンタジー~ [英語]多読のための読書ガイド 2022年6月号③~

ファンタジー編 ~2022年6月号~執筆:西澤 一(豊田高専名誉教授) 男児に圧倒的人気を誇る作家、Dav Pilkey多読は真面目な本ばかりで退屈とお悩みの方におすすめしたいのが、児童文学作家 Dav Pilkey (デイヴ・ピルキー)のファンタジーです。 Pilkey は自身の小学校時代から人を笑わせる自作漫画を描き、先生から「このままでは一生くだらない本を書いて過ごすことになってしまうわよ」と注意されたとのことです。 (1) ネズミの Ricky とロボットの M