ハリー・ポッター:なぜハーマイオニーと結ばれないの? 理由を徹底考察!⑤
ハリー・ポッターシリーズを愛する多くのファンが、一度は考えたことがある疑問。それは、なぜハリーとハーマイオニーが恋人関係にならなかったのか、ということです。二人の友情は非常に強く、深い理解と信頼を築いていました。特に「死の秘宝(Deathly Hallows)」で描かれるハリーとハーマイオニーのダンスシーンは、原作には存在しないものの、ファンにとって印象深いものでした。このシーンを見て、なぜこの素晴らしい二人が結ばれなかったのか疑問に思うのも無理はありません。
J.K.ローリングの意図
J.K.ローリングは2014年のインタビューで、ハーマイオニーとロンの関係について次のように語っています。
このコメントからもわかるように、ローリングは最初に考えたプロットに基づいて物語を展開したことが大きな要因であると述べています。彼女の意図がどのように物語に反映されているのかを理解するためには、物語の構成を深く考察する必要があります。
三位一体の構成
ハリーポッター・シリーズは中心となる三人の登場人物(ハリー、ハーマイオニー、ロン)を柱として、非常に複雑で巧妙なプロットが組まれています。三位一体で戦うというのは、映画「マトリックス」におけるモーフィアス、ネオ、トリニティの関係や、日本の古典に見られる「知・仁・勇」の三者の役割分担に見られます。
ハリーは勇気を持ち、ハーマイオニーは知恵を備えていますが、ロンには「仁」の要素が欠けています。このため、三位一体のバランスが取れず、ハーマイオニーのような賢い女性が恋愛対象としてロンに魅力を感じる理由が不足していると感じてしまうのです。このカップルは、どこか不安定な印象を与えがちです。
血統とキャラクターの役割
ロンだけでは力不足を補うのが「ウィズリー家」です。ウィズリー家の愛情深い家族の絆だけでなく、純血の貴族である「聖28一族」という要素を考慮にいれなければなりません。ハリーは格下のハーフ・ブラッド、ハーマーオニーの両親はマグル(人間)で、「穢れた血」と揶揄されました。家系の評価で、三位一体のバランスがとれます。
ウィズリー家は高潔な一族でありながら、マグル(人間)を差別することなく、純血至上主義のマルフォイ家が「血を裏切る者」と見下す対立関係が強調されます。純血か否かは、シリーズにおいて重要なテーマです。ハリーとハーマイオニーのそれぞれが、ウィズリー家と婚姻で結ばれることで、魔法界の歴史的なストーリーラインに大きな意味を持たせています。
ウィズリー家とアーサー王伝説
ウィズリー家とアーサー王伝説との関連性も注目に値します。ロンの父アーサー・ウィズリーの名前はアーサー王を連想させ、グリフィンドールの剣はアーサー王の魔法の剣エクスカリバーと類似しています。
アーサー王伝説は中世の騎士道物語であり、イギリス文化に深く根付いています。グリフィンドール寮は勇気と騎士道精神を重んじ、ウィズリー家は代々グリフィンドールに組み分けされます。グリフィンドールの剣の発見は、ジニーがきっかけを作ったことも象徴的です。
まとめ
ハリーとハーマイオニーが恋人関係になっていたならば、一代限りのラブロマンスにとどまり、魔法界の壮大な歴史物語の深みを引き出すことは難しかったかもしれません。ウィズリー家との結びつきが強調されることで、この一族が純血至上主義と命がけで戦う意義が際立ち、ハリーとハーマイオニーが一族に迎えられることで、魔法界の重要なプレイヤーとしての進化が予見されるのです。
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