コントローラー
「逃避したというのは嘘。」
また何か言い出したよ。今度は何だよメイちゃん。
「またタビトだよ。」
「そんな、コロコロ変えないでよ。訳わかんない。むしろ本当のことってあるの?」
「気持ちはわかる。でも、本当に逃げたんじゃない。」
途中で交流を止めて仕事に行く。もういいじゃないか、とりあえず区切りは着いたんだし。それに正直もう終わりたい。
今の仕事は単純な作業で何も考えずに没頭出来るだろうと踏んで働き始めたんだけど、自分の考えを探求するのに没頭するハメになっている。お陰でたった4時間でたくさんの思考が巡りに巡る。
区切りを付けたとしてた彼のことも、自分の納得してない理由が分かって、彼と話すチャンスがもう一回欲しいって考えに落ち着いている自分が可笑しかった。昨日まで、もうこのモヤモヤが嫌すぎて終わりにしたくて仕方なかったのに。
そして仕事の終わり際に彼からメールが入っていた。
メイが言ってたことは本当だったみたい。彼は逃げたんじゃなかった。
一気にヤル気みたいなものが湧き起こってくるのを感じた。
ん?ヤル気って何の?私って彼を本当に好きなんだろうか。
弁解したいとか、理解してもらいたいとかじゃない気がする。なんか彼をうまく誘導したり、コントロールしたいが為のヤル気なんじゃないか?
マウント取りたいんだ。
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