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「感情」に関する言葉の数が増えれば、メンタルは強くなる!?

こんにちは!

こしあんです。

今回は、言葉や異文化を知れば知るほど、脳や体が様々なことに柔軟に対応できるようになり、良い効果があるのでは?
というお話です。


さて、あなたは「素晴らしい気分」という言葉から、どのような気持ちを連想しますか?

たとえば、「嬉しい」や「希望が湧く」といった言葉も「素晴らしい気分」の中に入るのと思います。

逆に「ひどい気分」といった言葉からも「怒り」や「後悔」といった細かい意味を導き出せるのかもしれません。

この細やかな言葉を識別する能力が高ければ高いほど、脳は予測、分類、情動の知覚に有用なオプションを駆使して、状況に応じた柔軟な対応ができるのではないのか?

つまり、この言葉の使い分けと感情を上手く結びつけて、自分の今の気持ちを的確に表現できれば、日々受けるストレスを少しでも減らせることができるのではないかと考えられます。





【言葉を学んで健康になれる!?】

何かの感情や感覚を表現するのに、あなたはどれくらいの言葉を使っていますか?

たとえば、あなたが先ほどの「素晴らしい気分」と「ひどい気分」の2つしか感情の概念を持っていなかったとします。

そうすると、なにか嬉しいことがあった時も「素晴らしい気分」、何かをやり遂げ達成感に浸っているときも「素晴らしい気分」。

また、おいしいものを食べお腹いっぱいになっても素晴らしい気分。

嬉しいことや楽しいことをすべてこの言葉で表現するとしたら、他人の気持ちを知覚するときも、たった2つのどんぶり勘定的な概念を用いることでしか感じることができなくなってしまいます。

日本でも「ヤバい」という言葉がいろんなパターンで使われますが、あまりこればかり使っていると本当に「ヤバい」ことになるかもしれません(笑)。

たとえば、他者の情動を知覚したり、自分の感情をくわしく識別するには、高い情動粒度が必要になります。

もちろん、知っている言葉の数や様々な国の表現方法など、その人のベースとなっているものが違うので、きめ細やかな情動を構築し経験できるかは人によって異なります。

つまり、みなさんも知っての通り、人によって受け取り方、感じ方は違うということです。

アメリカのノースイースタン大学心理学特別教授リサ・フェルドマン・バレットは、この粒度の細やかな情動経験が可能な人は、その都度状況に緻密に合致した予測を発し、情動のインスタンスを生成できると言っています。
それに対し、情動概念がまだ発達していない幼い子供は、不快な感覚を表現するのに「悲しい」と「怒っている」を混同して用いたりするわけです。

だから子供に「なんで泣いてるの?」と聞いてもうまく自分の気持ちを表現できないのは、「自分の気持ちを表現する言葉」をまだ知らないため起こるのではないでしょうか。

「悲しい」と「怒ってる」といった気持ちがごちゃ混ぜになっている場合、もしかすると、「お腹がすいてイライラしている」という状況かもしれません。

もし、その気持ちを表現する言葉を知っていれば、上手く大人たちへ伝えることが出来るのではないでしょうか。


しかも、この情動粒度の高さには有益な効果があることもわかっています。

不快な感情をきめ細かく識別する能力を持つ人は、情動の調節において30%ほど柔軟性が高くなり、ストレスを感じたときに飲み過ぎることが少なく、自分を傷つけた相手に対して攻撃的に振る舞うこともあまりなく、統合失調症を抱える人のあいだでも、きめ細かな情動を示す人はそうでない人に比べて家族や友人と良好な関係を維持できていると報告することが多いそうです。

また、社会生活の場面で、正しい行動を選択する能力が高いともいわれています。

私自身はっきりと覚えていないんですが、2001年にアメリカで起きた同時多発テロで心に傷を負った人たちの中にも、自分の感情を明確に表現できる人の方が、立ち直るのが早かったという事例があったような気がします。

また、うつ病、社会不安障害、摂食障害、自閉症スペクトラム障害、境界線パーソナル障害を抱える人や、単に不安や抑うつを頻繁に経験する人は、負の情動に対して粒度が低く、統合失調症と診断された人は、正の情動と負の情動の識別において、情動粒度の低さを示しているそうです。

ただ、バレットは情動粒度の低さが疾病を引き起こすと言いたいのではなく、何らかの役割を果たしていると考えられるとしています。




【新たな概念を獲得し情動粒度をあげる】

心の知能指数を高めるためのカギは、新たな情動概念を獲得し、すでに持っている情動概念を研ぎ澄ますことにあるようです。
そして、新たな概念を獲得する方法はとても簡単です。

森の中を散歩したり、旅行に行ったり、本を読んだり、映画を見たり、食べたことのない料理を食べてみるといったことでもいいようです。

つまり、経験を増やすということです。

様々な考え方や文化に触れることで、新たな視点も身につけられます。
また、新たに作られた概念が結びついて、更に新しい概念を構築したりもします。

バレットは、手っ取り早く概念を習得する方法は、おそらく新たな言葉を学ぶことであると言っています。

新たな言葉の習得が情動の健康をもたらすというのは不思議な感じもしますが、実際きめ細かな情動粒度を示す人は、医者や薬の世話になることが少ないことがわかっています。

また、覚える言葉は母国語だけに限定せず、外国語もかなり効果が高いようです。
外国語を調べる際に、母語には対応する言葉がない概念を探すのもいいそうですよ。




【言葉による恩恵】

「幸せ」という言葉から「僥倖」「幸運」「多幸」といった細やかな意味を持った言葉を使い分けることができると何が起こるのか?

心の知能が高くなり、沢山の概念を持つばかりでなく、どの概念をいかなる状況で使うべきかを判断できるようになります。
これは、画家が微妙な色の違いを見分けたり、使ったりするのと同じことです。

「空の青さ」だって色々ありますし、「虹の色の数」だって国によって違いがありますよね。

そして、だれでも実践を通して分類の能力を磨くことはできます。

たとえば、着ている服もヨレヨレで、頭もぼさぼさの状態なのに子供が学校に行こうとしています。

大抵の親は「ちゃんとしなさい!」と言ったり、「身だしなみはきちんとしていきなさい」と叱る場合が多いかもしれません。

しかし、分類の能力が高くなれば自分自身がどのように感じているかを自問することもできます。

「あんな服装で学校に行くと、親の自分もだらしないと見られると考えているのだろうか」、「せっかく洋服を準備してあげてるのに、それを使わない子供に腹を立てているのか」、「ちょっと前までは親の言うことをよく聞いていたのに、反抗期が始まったのか」といったことが考えられるようになります。

つまり、物事を多角的に見ることができるようになります。

また、この分類の高さは子育てにも使えます。

兄弟喧嘩などで弟が兄の頭を叩いたときなど、「悪い子ね!」と叱るのではなく、もっと具体的に「お兄ちゃんを叩くのをやめなさい。叩かれれば痛いし、嫌な気分になるでしょう。だからお兄ちゃんに謝りなさい」ということもできます。

兄にも「いい子ね」といった漠然とした言い方ではなく、「叩き返さなかったのは立派ね」と兄の行動を褒めます。

その子がとった方法や努力や選択を褒めることは、成長型マインドセットを構築する際にも役立ちます。

もちろん親子にきちんとした信頼関係があることが絶対条件ではありますが、語彙力や表現力が増えれば、変化にあった言葉を紡ぎだし、その状況に則した身体的反応を取りやすくなりくなります。

その結果、ストレスが与える影響を減らすことができるのではないでしょうか。


最後に

ぶっちゃけ、あまり難しく考えることはありません。(笑)

今まで触れてこなかった言葉や文化に触れればいいんです。

いつも邦画や洋画を見ている人なら、たまにはインド映画を見たりするのもいいかもしれません。

そうすることで新たな発見があったりします。

もちろん、「何かを見つけなきゃ」と考える必要はありません。
見て楽しめれば、またそこから違う興味が湧いてくるものです。

そうやって、いろんな経験を体に通すことで、考え方が変わっていくような気がします。


今回はここまで

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それではまた次回お会いしましょう。

※この記事は主に私のアウトプットを目的に書いているものです。
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