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はたらくとは、「毎日楽しく生きること」

仕事だと思って取り組んだことないかもしれないです。どれも楽しいので!

と話すCo-Satenスタッフの小沼ゆいちゃん(こぬま・ゆい、以下、ゆいちゃん)

中編では、就活時の決断や、今取り組んでいる居場所づくりの活動について話を聞かせてもらいました。

今回は、そんなゆいちゃんのターニングポイントや、仕事やはたらくことについての考えを訊いてみました。

仲間と夢中になれる活動が、
自分を変えた


ーちなみにさっきから気になっていたんですけど、グラフに書いてある「無口」ってなんですか?

小学3年生のときに家を買って引っ越したから、マジで超人見知りで。クラスでは誰とも話さなかったんです。一日、ずっと話さない。

ー意外!今のゆいちゃんからは、想像できない。
意外ですよね(笑)でも根暗だったんで、ほんとにクラスのお友達と話したことがなかったんです。小学生から中学生ぐらいまで、ずっとバスケをやっていたから、バスケ仲間はいたんですけど、あんまり心を開かないタイプだった。

ーそのあとの「男子が嫌いで女子校」っていう選択も面白いですね。
男子が教室の後ろとかでじゃれ合ってるのとか、わかりますか?あれが本当に嫌いで(笑)

だから、それだけで女子高を選んでました。あとは、あんまり知り合いがいないところを探しました。私が通っていた小学校・中学校は学区が変わらないから、メンバーが9年間ずっと一緒だったんです。それもあって、小学校のころの「無口で喋れないキャラ」が定着していて。

可愛いってめっちゃ言われる人形みたいな感じがすごく嫌だった。それでも、中学生の頃には仲がいい子たちと話せるぐらいにはなっていたんですけど、それをもっと変えたくて、高校はあえて知らない人しかいないところへ行きました。

ちゃんと覚えてないけど、自分なりにそう考えていたと思います。だから、環境を自分で変えるのは得意なんですよね、たぶん。親のおかげではあるんですけど、いろんなことをやらせてもらったから。

ーふんふん。この上下にグラフが分岐しているのは、楽しかったのと大変だったのと、どっちなんですか?
両方あったなって感じです。高校3年生が終わるぐらいこのときは、家族の問題で精神的にどん底だった。

ただ大学に入ってからは、いろんな団体に所属して活動していたので、楽しんでいるときと悩んでいるときと、両方の自分がいました。外の自分と、ほんとの自分というか、出せない自分。

ーなるほど。留学もしてたんですか?
オーストラリアのブリスベンに行ってました。

ーへえ!どれぐらい行ってたんですか?
3週間しかいなかったです。ホームステイして、日本人も行ける現地の学校に通いました。さっきの話に戻りますけど、留学に行く前から、ほんとは積極的になりたいと思っていた自分がいたんですけど、ずっとなりきれなくて。

留学の3週間で変われたと思ったんですけど、女子校だったからなのか、クラスにリーダー的存在の子たちがいたんです(笑)だから、やっぱり積極的な自分は表に出せないまま高校での3年間を過ごしました。

ーそんなゆいちゃんが、今の活動的なゆいちゃんへ変化した転機は、なんだったんですか?
転機は、大学生の期間かもしれないです。

自分で意外と活動できるじゃんって気持ちになったのは、高校生の留学。 ただ、そのときは3週間行って帰ってきたら、普通に戻っちゃった。そのちょっと小さいものが自分の中にあったうえで、大学で爆発した感じかもしれないです(笑)

なんとなく自分を変えたくてうずうずしていたのが、大学生で一気に!みたいな。

大学も行きたい大学ではなかったんですけど、親にお金を払ってもらってるし、知り合いもいないし、 いろんなことをやりきろうと思って、活動にもいろいろ参加しました。

そのなかでも1番長く続いたのが、FUMIDASUというカンボジアで運動会を開催していた学生団体。真面目に講義も受けていましたが、今の自分に生きているのは、そういう学校外での活動の経験が多いかもしれないです。

FUMIDASUで活動していた頃の一枚。

ただやっぱり思うのは、活動をさせてくれてた親とか、周りの影響が大きいなと。
ほんとに大丈夫なの?と不安そうにしながらも、「ゆいがやりたいことならいいんじゃない」と背中を押してくれたので、それが自分の転機にとって大きいかもしれないです。

自分のまちに、
自慢したい大人がいるってすごいこと

ーカンボジアの話も深く聞きたいところなんですが、ちょっと話をキャリアに戻して、ゆいちゃんの仕事についての本音を教えて下さい!
今まで仕事だと思って取り組んだことって、あんまりないかもしれないです。 基本的に、いろんなことに興味があるというか、知らないことを知りたいって感じなので。

事務作業や人前で話すのは、ほんとに苦手だし嫌いなんですけど、それも経験という意味では、ちょっと楽しいなと思う部分があるので、基本的に全部仕事というよりは、「楽しい」という気持ちが先行してるかもしれないです。楽しいからやってると、いつの間にかそれが仕事になっている。

会社員で働いたことがないからかもしれないんですけど、業務みたいなイメージがあんまりなくて、「新しい取り組みを一緒にやらせてもらえている」という感覚があります。オープンロード とCo-Satenは、基本的に新しいことしかないじゃないですか。

常に解決策や正解がないところに、自分たちで考えて、仮説を立てて正解にしていく過程が、好きだなと思います。

できない理由を探すのは簡単ってよく言うじゃないですか。今取り組んでいる居場所づくりもそうなんですけど、ほんとにそうだなと思って。わたしたちがやっていることって、どれもできない理由を探したら、たぶん全部できないんですよね(笑)

女の子の居場所「PEARCH HOUSE」の立ち上げを目指しています。

ーそれはたしかにそう(笑)
できないのが当たり前で、それをいかにつくっていくのかというところに取り組むのが当たり前すぎて、それが楽しいのもあるし、だから仕事感がない。まあ、仕事なんですけど(笑)

あと、わたしが1年半ぐらいCo-Satenのみんなと関わってきて思うのは、周りにいるのがこんなに熱い、自慢したくなるような大人ばっかりだから、自然と一緒になにかやりたくなる。上から目線かもですけど(笑)

自分のまちの大人のことを自慢したいと思うことって、なかなかないと思うんですよ。

ーたしかに、私の地元ではないなぁ。
ないですよね。でも、わたしが何をやっているか友達に話すときは、「市原に熱い想いをもった大人の人たちがいる」というのは、結構話したくなっちゃうんですよね。親戚でも家族でもない人で、そんなふうに自慢したい大人がまちにいるって、 すごいことだなって。

市原に関わってはたらくのは、それが1番大きな理由かもしれないです。こんなにいい人、熱い大人いるんだ!っていう驚きとワクワク。

ーそれは、すごくよくわかる気がします。私も市原に来て、面白い人がたくさんいる!って感動してこっちに住み始めちゃったので(笑)

はたらくとは、「毎日楽しく生きること」

ーちなみに、ゆいちゃんにとっては仕事じゃない感覚だからどうなのかわからないですけど、「はたらく」ってなんだと思いますか?
なんだろう。確かに、はたらいてる感覚はあんまりないです。

仕事は、お金をもらう代わりに、関わる人に対して価値を提供することなのかなと思っていて。だから、はたらく=相手のために時間を使うって感じですかね。その責任を持つということ。

わたしは、仕事とプライベートをあんまり分けたいと思ってなくて、 常に仕事のことを考えたいんです。だから、「よし働くぞ」という感じでやってるよりも、 「これをもうちょっと良くするにはどうしたらいいんだろう?」というもののために時間を使うのが、大きいかもしれないです。

あとはたらくって、「チームワーク」という感じがします。Co-Satenとか、オープンロードの仕事って、基本は個人でありチーム。苦手なところを補いつつ、たまに会った時に一緒に方向性を定める。それで、また散らばって集まる磁石みたいな感じ。個人としてみんな軸はあるのに、集まると超団結できる。

だから、みんな尊敬できる。 メンバーそれぞれが違って、何やってるのか、もはやわからないぐらい色々やってる人たちが集まっている中に入れることが嬉しいし、その人たちと一緒に考えられるのが楽しい。

わかった!はたらくとは、「毎日楽しく生きること」です。はたらいてないと、たぶん私は暇というか、つまんないと思います。何かしてないと不安なんですよ、やっぱり。何かしてない=ニートだから(笑)

だから、常に空き時間があったら、何か考えないとって思う。考えたいから考えてるんですけど、はたらく=楽しく生きるという感じです。

自分で決断しているから、後悔はできない

ー仕事が楽しいと、イコール生きるのが楽しいという感覚はよくわかります。では、仕事とちょっと外れるんですけど、これまでの人生で後悔していることはありますか?
ないです。

ー潔い。
困ったときにいくら他人に相談しても、最後は自分の意見を貫いてるということに、あるときふと気づいて。結局、自分が納得いく答えが返ってくるまで相談してるので、相手の時間を無駄にしているし、自分で判断した方がいいじゃんって思ったんです。

だから、自分で決断してきているんで、後悔することができない。そっちに進んだからには、よかったと思える方向にしたいじゃないですか。
就活の時も、今までで挫折した経験はとか、どう乗り越えたとか、後悔した経験は?という質問に、どう答えたらいいのか困りました。自分で決めて、やりたいことは全部やっていきているので。

もちろん、親のおかげだったり、周りの人にめっちゃ恵まれてるというのもあるんですけど、最終決断は自分でしてきているからこそ、全部「楽しい」で終わる。もっとこうできたかもという改善点は見えたりするんですけど、後悔はないですね。

ーじゃあ、逆にゆいちゃんが幸せに感じるときは?
犬と遊んでるとき(笑)あと、私は家族が好きなので、家族と一緒になにかしているときは、幸せです。旅行に行くとか、親戚でちょっとバーベキューするとか、年末に集まるとか。

ゆいちゃんの大切な家族の一員

ー犬と遊んでいるときが幸せというのは、すごくよくわかります(笑)じゃあ、これから取り組もうとしていることや、やりたいことはありますか?
大きい目標を立てるのが苦手なんです。だから、何歳までにこれをなし遂げたいとか、全然なくて、やりたいと思ったことをやってきたら今になっていたので、たぶんそういう感じでこれからも生きていくのかなと思ってます。

取り組んでいるのは、さっきも話していた女の子たちの居場所づくり。つくって終わりじゃなく、そこでお金を生み出して、家庭で悩んでいる子たちの新たな軸・居場所となって、そこで新しいスキルを身につけてもらったり、好きなことを見つけて動き出すきっかけをつくりたい。そのための仕組みづくりは今後やっていきたいし、課題です。

でも、未来のことはわかんないです。結婚も何歳までしたいとか、もはや結婚したいかどうかもわかんない(笑)そういうの苦手なんですよね。将来、何歳までになにしてるとかわからないから、今、目の前にあるやりたいことに集中して取り組みます。

ーでは最後、高校生や大学生の自分に一言お願いします。
なんだろう…「そのままいな!」って感じ。高校、大学でこうしとけばよかったというのがないから。今がすごく楽しくて満足だし、自分なりに頑張ってたんで「そのまま」で大丈夫(笑)

ー前回、たつおさんのインタビューでも同じ結論だったのが面白いですね(笑)
ゆいちゃんの話をゆっくり聴くのは初めてだったので、ルーツや考え方がわかって、とっても楽しかったです。ありがとうございました!

編集後記
奇しくも、高校生や大学生の自分に対して、「そのままで」という代表の小川と同じような結論に収まったキャリアインタビュー第二弾。

上手くいかないときがあっても、失敗することがあっても、そのときの自分なりにベストを考えて選択してきた先では、後悔という結論に至らないのかもしれない。そんな発見がありました。

新卒で社員にならないというはたらきかた。自分でプロジェクトを走らせる挑戦。ゆいちゃんの等身大のストーリーが、こんな生き方もあるんだという一つの参考になれば幸いです。

こんなメンバーの関わっているCo-Satenでは、11月から学生インターンプロジェクト「WADACHI」を開始します。これからどう生きていけばいいのか。どんなはたらきかたをしていこうか。

そんなふうにモヤモヤしている学生にとっては、きっと単なる仕事体験だけでなく、多様な生き方に触れながら自分自身を見つめるチャンスになると思います。

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文・写真:Mizuno Atsumi


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