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ウニの向こう側の話

『ウニのようなビヨンドとうふ』が私の街で一斉に売り出し始めた。今やどこのスーパーでも売っている。方々で「ビヨンドうにないのかー。あーあ!あーあ!残念。あーあ!」と恥じ入りもせず大きく独り言を言った甲斐があったものだと自負している。

この商品を紹介してくれたのは、先日もスタエフで「眠れない」と超かわいい声を聞かせてくれたおとちゃんだ。ちなみに、その回の放送はまだすべて聴き終えていない。車の中で聴いていたら、付き合ってる彼女がロンドンから電話で「眠れないの」と甘えてきている錯覚にマジで落ち入れるのでお得感が満載だ。自宅で聴くなら、ぜひヘッドホンで聴いてみて欲しい。

私はここのところ、とても忙しくほぼ自分の時間がない。今日と明日が比較的自由時間がある日なので、こうしてnoteを書いている。本当に、読む時間も書く時間も全然なかった。当然、自炊する時間もない。なので、先日買った『うにのようなビヨンドとうふ』も賞味期限を迎えそうなのに、なかなか食べることができなかった。そのまま食べても美味しそうなのだが、やっぱり冷製パスタで食べたいではないか。あいにくカッペリーニを切らせていたのでそうめんで代用しようかとも思ったのだが、食いしん坊の私はどうしても譲れなかった。やっぱりアルデンテのパスタで食べたい。

この日、ビヨンド・ザ・ウニ(※私は勝手にこう呼んでいる)の賞味期限に追い詰められた私は、急ぎカッペリーニを買いに行った。帰宅後、私に残された時間は25分だった。急ぎ湯を沸かし、カッペリーニを茹で、その間にトマトと水菜を切り、水菜は氷水に浸けておく。カッペリーニはあっという間に茹で上がる。麺を水で洗い氷で冷やす。(湯にはたっぷりの塩を入れて麺に塩味をつけておくことをオヌヌメする。水洗いするので多少味が抜ける)

さぁ、いよいよビヨンド・ザ・ウニの出番だ。

成城石井では228円くらいだったか。庶民の味方のSEIYUでは198円だった。LIFEでは199円。

ドキドキしながら袋を開ける。中には車のオイルエレメントみたいなカップが入っていた。意外に小さい。

私は麺とビヨンド・ザ・ウニをわーさーわーさと和えていく。この豆腐自体に塩味はあるものの、小さじ1程度の醤油を投入する。味を締めるためにレモン汁も少々。そして、これを忘れてはならない。オリーブオイル。これを入れると入れないとでは大違い。ちなみに、この豆腐は十分にクリーミーなので生クリームは必要ないように思われる。コクをつけたいならオリーブオイルだけで足りる。仕上げにブラックペッパーを挽いてアクセントをつける。

皿に盛り、飾り付けをして完成だ。調理時間は湯をわかす時間も含めても15分程度だ。

盛り付けにはちょっと映えを意識してみた。
ちなみに私に盛り付けの才能はない。これが精一杯。

いざ、実食。いただきます。

ぱくっ ん…?はっ…!!

ウニじゃん!!

なにこれ、ウニじゃん!!
思わず同じことを二度つぶやきたくなるウニぶりだ。ウニのいいところだけをすくい取ったようなウニだ。子供はウニが嫌いだ。たぶん嫌いだ。私は嫌いだった。ウニの美味しさは大人にならないとわからない。ぐるぐるキャンディや綿菓子が至高の味だと信じているうちはウニの良さは理解できない。はらたいらさんに全部掛けてもいい。ピーターパンは100%の確率でウニが嫌いなはずだ。でも、この豆腐ならピーターパンも「なにこれ、ウマい!」と言ったかもしれない。それくらい、この豆腐にはウニの嫌なところが見当たらない。

なぜ。どうして。
そう思うだろう。つい原材料が見たくなるだろう。
ほれ。

海の幸っぽい風味は魚醤やオキアミの作用だろうか。

特に体に悪そうなものは入っていなさそうだ。健康食の豆腐を売る企業がガチガチの変態化学調味料を使っていたらそれはそれで振り切っているとも言えるが、相模屋は豆腐屋から逸脱することなくこの味に辿り着いたようだ。

私はもしかしたら本物のウニパスタよりこちらの方が好きかもしれない。以前、新潟で板ウニを一人で食べた時は地獄だった。あれは独りで食べてはいけない。みんなで食べるからちょうどいいのだ。あれ以来、ちょっとウニに対しては食傷気味だったのだが、今回すっかり自信を取り戻すことができた。私、ウニ好き。っていうか、このウニが好き。あ、豆腐か。これ豆腐だ。

つまり、これがまさにビヨンド・ザ・ウニ体験なのだ。

ウニの向こう側にあるものを、あなたも見てみたくはないか。未体験の味を経験してみたくはないか。

ウニの向こう側にあるもの。
それはまぎれもなく豆腐だというお話である。

#冷蔵庫にあとふたつ眠る


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