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ちょっとマウント女子をこじらせまして

いらっしゃい

また来てくれたんだね

そっか また怖い話が聞きたいんだね

じゃあこういうのはどうかな

友達のあまめちゃんから聞いたあるOLの話



職場にちょっと苦手なA子という同僚がいた。

A子はいつもなんだかマウントをとってくる。

私がおなかが痛いというとA子は「私の方が痛い」と言い出す。

おいしいスイーツの店を見つけた話をしていると、突然割って入り「私はだいぶ前にその店を見つけたけどいまいちだった」とか。

私が田中というよくある苗字なのに対して、珍しい苗字のA子は「私の苗字って珍しいじゃない?日本に数世帯しかいないらしいの。でもいいなー。私も単純な苗字に生まれたかった笑。」と、意味不明なマウントをとってくる。

同じ職場で働いているので距離を置くこともできない。

まあこういう人なんだと割り切って働いていた。


そんな中、私の両親が急逝した。

交通事故だった。

課長の計らいもあり、葬儀なども含め特別に1か月休ませていただいた。

なんとか働けるぐらいには落ち着いたので久しぶりに出社をしてみると、皆どことなくよそよそしい。

両親を失った私に気を使っていると思ったが、どうもそうではなかったらしい。

別の同僚がこっそり私を呼び出しこんなことを教えてくれた。

A子が私のいない間に「田中さんと課長は不倫をしている。交際を両親が反対していたのでひょっとすると事故に見せかけて殺したのかも。」といったようなことを触れ回っていたらしい。

目の前が真っ赤になるくらい怒りに震えた。


私は課長や同じ課の社員数名とともに、A子を呼び出し問いただした。

A子は泣きながら
「私は悪くない。田中さんが休んだ分の仕事が全部私に来て、田中さん以上に大変だった。田中さんが特別扱いされていて腹立たしかった。」そんなことを言っていた。

実際A子に回った仕事はそんなに無いらしく、課長やほかの社員が必死にたしなめたが、結局最後まで聞く耳を持つことはなかった。

この一件が明るみとなりA子の悪行はすぐ会社中へと広まった。私への疑いは晴れたが、結局会社を辞めることにした。

辞めることを伝えたとき、周りの社員は「田中さんが辞める必要はない」と引き留めてくれたが、これ以上A子と同じ空間にいることが嫌だった。

A子は例の件で厳しく注意を受けていたが、今も変わらずあっけらかんと働いている。


会社を辞め数日後、テレビで速報が流れてきた。

割と近い場所で夫婦が殺されたらしい。

その夫婦はA子と同じ苗字だった。 



どうだった?

またお話を聞きにおいで

それじゃ また

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