見出し画像

ホットケーキは味方

先日、お客様にnote読んでます。文章が好きですと言われ、こんな稚拙な文章しか書けませんが、嬉しくてやる気が出ました。こちらこそありがとう。
我ながら単純。馬に人参です。

ところで、貴方の思い出の食べ物はなんですか?

頭によぎったものはなんですか?

そんなのいっぱいありますか?
それは貴方が幸せ者だって証拠ですよ。はい。

私は

ホットケーキですかね。

今流行りのふわふわのパンケーキじゃなくて、昔ながらのあれです。
スーパーのホットケーキミックスと卵と牛乳とで簡単にできる、味はそんなに美味しくない、あれです。

前回のnoteにうちのおかんが料理が下手な事は書いたのですが、
https://note.com/cornu_copia/n/na90fc8f1eb1b

幼い時に唯一作ってくれた手作りお菓子がホットケーキでした。
おかんは【料理を美味しく作ろう】という感覚は一切持っていないので、料理=作業です。
おかんが作るエキセントリックなホットケーキ。
残ったミックス粉をジップロックに入れて片付けるのは面倒だという理由で一袋全部使います。
おかんの辞書には計量カップとか火加減とかありませんから、目分量&中火のままです。

それを大フライパンに一気に全部流し込みます。

ご想像の通り、底は黒こげ、中は生焼けです。
それを、あたかも美味しそうに食べる子どもの私と兄弟達。
おかんが席を外した隙に、黒ごげ部分を削り、お皿の下に隠しました。
今風に言えば忖度していたんだな。

それでも、そんなもんでも嬉しかったんだよな。ふふふってなるもんね。

数年後
大人になって、友達と東京のボロアパートにルームシェアで住んでいました。
それぞれが、それぞれの戦いの真っ最中でした。
大都会の空のもと、簡単に傷ついてしまう弱弱な私達はいつも、リビング(正確には4畳ほどの茶の間)で、ご飯を作って食べていました。
貧乏らしく慎ましい食卓でしたが、誰かと大笑いしながら食べる温かい手作りのご飯は、身体だけでなく心も満たしてくれました。
その時間があったからこそ、外に全力で戦いに行けたのは大袈裟ではない事実です。

ある日、朝遅く起きると、彼女が炬燵にウップして項垂れています。
「おはよう、どしたん?」聞くと
「元気ないねん」
私は台所へいくと、実家から援助物資として送られれてきたホットケーキミックスを取り出して、焼きました。
何にも工夫はありません。
ただ、袋に書いてある通りに焼いただけです。

『ぐりとぐら』の絵本知ってる?
のねずみのぐりとぐらが大きい卵でパンケーキを作って、森のみんなにご馳走するねん。
それが黄色くて大きくて、いいにおいやねん。

「僕らの名前はぐりとぐら」

「この世で一番好きなのは、お料理すること食べること」

「ぐりぐら ぐりぐら」


ほら、食べよ。

食べ終わったら、彼女は元気がでた。と言ってました。

あれから15年、今日も彼女は好きな音楽を口ずさみながら軽快に東京の街を歩いています。向田邦子が好きでオシャレでお料理上手。
でも私は知っています。ちょっと、かっこつけなことも、すぐに落ち込むことも、泣き虫なことも。いつも人のために自分を後回しにしてしまう、辛抱強さも魅力です。
小さな魔法の粒で私を何度も救ってくれた。人を幸せにする魔法修行は近いうちに貴方の望む形で実を結ぶと信じています。

でも、しんどい時は教えてほしい。一緒にホットケーキを食べよう。貴方の頼み事はなんでも引き受けます。

人は単純で
簡単に凹み、簡単に喜ぶ。
毎日その繰り返しで【今日】ができてる。
今日の積み重ねで【思い出】ができる。
思い出が積み重なると【その人そのもの】ができる。

だから、私は食事の時間が大好きなんです。
その時間を豊かにしたい。
そんな空間を次のコルヌコピアで作りたい。
私達の挑戦はこれからもっと加速します。

⭐️今日の新コルヌコピア状況報告⭐️

とうとう、大きな部分の工事は終わった!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?