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大学教員の就活―応募書類の準備と二次選考の一事例(1)―

応募書類の準備

 大学教員の公募は、基本的には一次選考で書類審査がある。履歴書・業績書・志望理由書・研究計画書のほか、業績の実物数点、大学によっては学位記のコピーも。
 前回も書いたとおり、業績書などは書き方の細かいところまでハウスルールに合わせて調整するので、めちゃめちゃ時間がかかる。早めに取りかからないと深夜のPCのブルーライトに泣く羽目になります。。。業績は、基本的にはコピーしたものか論文の抜刷を用意する。単著の書籍は実物がいいかもですが、わたしはまだありません……。
 最後に、公募書類一式にカバーレターをつける。提出書類の目録と挨拶を述べるごく簡単なA4で1枚程度のもの。知り合いから「つけたほうがいい(親切)」といわれたのですが、どうなのでしょうか??? 先方の事務も選考委員会の人数分コピーするのが大変だろうし、なくてもよいような気がする。
 わたしはヘタレなので、募集要項に「書留で送付」と書かれていたら素直に郵便局に持っていき書留にする。B4以上のサイズの封筒に入れて。お金がかかるのにな〜〜〜。郵便局員さんにたまに「レターパックにされては?」といわれることがあるけれど、わたしだってそうしたい!レターパックではダメなのでしょうか。他に大学に届くあれこれと混ざるから? 以前、二次選考で落ちた大学さんから「お祈り」とともに公募書類一式が返送されてきたことがあるが、レターパックにぎちぎちに詰めてあった。そっちはそれやっていいんかい、と思いました。そして早く電子応募が一般化してほしい。
 書類を郵送したあとは、応募書類を読み込む時間と選考委員会会議を経るので、なんらかの連絡が来るまでに少なくとも1ヶ月くらいはかかるのではと思う。この時点ではそこまで大きな期待はないけれど^^; とりあえず待ちます。

二次選考に呼ばれたら:模擬授業の場合

 二次選考では、模擬授業と面接がセットになっていることが多い。わたしがこれまで二次選考に進んだのは8機関で、面接のみだったのはそのうち3機関だった。また、ほか1機関は「面接」ではなく、模擬授業ののち、それを踏まえた「質疑応答」だった。
 模擬授業は、「あらかじめ指定された科目」か、募集要項に記載されている複数の科目のうち「もっとも専門性が発揮できるものとして選んだ科目」か、である。大学によっては、半期の何回目かを指定されることも(だいたい初回、中盤、最終回のいずれか)。どの授業でデモンストレーションするかを決めたら、先方の学科専攻の同一科目などのシラバスを確認する。役に立つというよりも、心の準備として。そして模擬授業の内容を考える。
 模擬授業は、いつもおこなっている授業と同じスタイルでPPTスライドとハンドアウトを用意する。デモンストレーションの時間は20〜30分だが、いちおう授業時間90分か100分ぶんも作っておいて配布する。この1コマのテーマはこれで、このような内容で、その内のここの部分を講義いたしますよ、ということをアピールする。
 加えて、「もし自分が担当するならこのような内容にする」という架空のシラバスも作成し、ハンドアウトとともに配布する。先方のシラバスの形式にあわせ、科目の概要、到達目標、身につけられること、15回か14回ぶんの内容(さらに予習復習も)、成績評価基準、テキストと参考文献、受講生へのメッセージ。。。どれくらい効果があったかはわからないが、面接で架空のシラバスをもとに質問してくれる先生が何名かいらっしゃった。「なんでこの内容に?◯◯は扱わないの?」みたいに突っ込まれる要素にもなるので、諸刃の剣かもしれない。けれど、もしこれからまた自分が模擬授業をする立場になったら作るだろうな。
 あとはふだんやっている授業と大学時代の経験を活かして、いきいき・はきはきとしたデモンストレーションをする。個人的には、学部時代に履修していた教職課程の教育実習の経験が、だいぶ影響している。受講生に目線を送る、はっきりゆっくり大きな声で話す、ちょっと大げさなくらい身体を動かす(教卓の椅子に座るのだけはぜったいNG)。PPTを映すけれど、あえてホワイトボードも使う。内容だけでなく「見せ方」が重要だと学べたのは、教育実習に出たおかげだった。模擬授業を受ける側になるとよくわかる。本当に、この「見せ方」がいまいちなせいで評価が下がってしまう方を何人も見かけた。模擬授業ではあえて教室の後方に座る選考委員もいるので、ぜひ気をつけたい。

 二次選考の面接については、次の記事で!

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