台湾半導体封止大手Powertech日本に進出へ


2024年1月14日 台湾経済日報

https://money.udn.com/money/story/11162/7708954

台湾の半導体OSAT(半導体封止・検査大手)である力成科技(Powertech)が、日本に進出する計画であることを報じました。力成は、台湾を拠点に、メモリやロジックなどの半導体の封装とテストサービスを提供しています。

Powertechの蔡篤恭董事長は、日経新聞のインタビューで、日本に進出する理由として、地政学リスクの回避と、先端技術の獲得を挙げました。台湾は、中国と対立する地政学的に不安定な地域にあります。また、台湾の半導体産業は、先端技術において、韓国や米国に比べて後れを取っています。

Powertechは、日本に進出する際、TSMCと同様に、日本の顧客との合弁会社を設立する計画です。蔡董事長は、日本では、半導体の製造コストが台湾よりも高く単独での進出は難しいと指摘しました。

Powertechは、すでに日本に2つの拠点を持っています。一つは、熊本県にあるTera Probe、もう一つは、福岡県にあるKyushu Operation Centerです。Tera Probeは、半導体のテストサービス会社で、Powertechが過半数の株式を保有しています。

Powertechは、日本に進出する時期や投資規模については、まだ決定していないとしています。

Powertechの日本進出の課題
Powertechの日本進出には、いくつかの課題があります。一つは、日本における半導体製造のコスト競争力です。蔡董事長は、日本では、台湾よりも半導体の製造コストが約2倍高いと指摘しました。

もう一つの課題は、日本の労働力不足です。Powertechの謝永達執行長は、日本では、半導体製造の技術者や熟練工の確保が難しいと指摘しました。

Powertechは、これらの課題を克服し、日本に成功的な進出を果たせるのか、注目されます。

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