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SDGsを現実の事業戦略に落とし込むには?【第1話】

日本企業向けのマニュアルはある。該当する人はnoteじゃなくてGCNJにアクセスしようね。

 最初に、企業がSDGsに取り組むときのマニュアルとして、一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)がシリーズ化している「持続可能な世界実現のためのお役立ちシリーズ」をご紹介します。

 GCNJは、SDGsにもとづく企業活動を推進するために国連広報センターの支援で発足した日本企業の集まりです。そのはじまりは2003年にまで遡ります。2021年9月27日時点での加盟数は436企業・団体で、日本を代表する多くの企業が参加しています。

 このGCNJがまとめた「持続可能な世界実現のためのお役立ちシリーズ」は、現時点で以下の11項目のマニュアルが用意されています。

第1弾:サプライチェーンにおける望ましいCSR活動のあり方-サプライチェーン分科会からの提案-
第2弾:ポスト2015における企業エンゲージメントの基本構図
第3弾:Advanced COP 解説書 -2013年3月改訂版Advanced COPの解釈と事例-
第4弾:企業の持続可能性に関するガイド ~持続可能な未来を創造するために~
第5弾:SDGs Compass SDGsの企業行動指針―SDGsを企業はどう活用するか―
第6弾:CSR調達入門書-サプライチェーンへのCSR浸透-
第7弾:ビジネスと人権ー日本企業の挑戦ー
第8弾:SDG Industry Matrix 日本語版(食品・飲料・消費財、製造業、気候変動対策、金融サービス、エネルギー・天然資源・化学産業)
第9弾:CSR調達 セルフ・アセスメント・ツール・セット
第10弾:CSR調達研修用ツール・セット(講義&ゲーム)
第11弾:CSR調達セルフ・アセスメント・ツール・セット(回答の手引書)

 第3弾「Advanced COP 解説」以外はどなたでも無料で読むことができます。

 これらのマニュアルのうち、SDGsと企業活動についての総論的な理解は、第2弾・第4弾・第5弾が、業界分野別では第8弾が参考になりそうです。

 第7弾の人権を除き、全体的にサプライチェーン(調達)に主軸がおかれているのは、もっともSDGsを反映させやすいことと、そもそものSDGsの背景にある共通価値(CSV:Creating Shared Value)の概念が、マイケル・ポーターの競争戦略理論に準拠していることからの特徴だと思います(※1)

(※1)ポーターの競争戦略に依拠することが今日的に間違い…というか無理があることは第3話で指摘します。

 GCNJのマニュアルは、よく読み込めば、とくに大手企業にお勤めであれば有益なマニュアルであろうと思います。とりわけ、第8弾の食品・飲料・消費財、製造業、気候変動対策、金融サービス、エネルギー・天然資源・化学産業に該当する企業にお勤めの方は、私のnoteを読むよりも、このマニュアルでしっかりと勉強してください。

 上記のマニュアルのタイトルをざっとみて「なんか違う気がするんだよな…」と感じた方は、このまま読み進めてください。私の話はもっとシンプルで普遍的です。サラリーマンの方はもちろん、スタートアップから大手企業の経営者まで、すべての方が応用できる方法です。

(第2話につづく)

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