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社員は「上司に対して素直か」ではなく、「会社の価値基準に素直か」どうかで評価する

疑問を挟まず黙って指示に従う社員しかいないのは成長が止まる会社、自分自身も納得した上で指示に従う社員がいるのが成長し続ける会社

房総半島まで遊びに行った帰りの電車、ある駅からゴルフ帰りらしい4人組が乗ってきました。

通路を隔てた反対側の席に座り、ビールやハイボールを飲んで話が弾んでいます。わりと大きな声で話をしていたので、こちらにもその会話が聞こえてきました。どうやら4人とも同じ会社に勤めていたようで、もっともご年配の人は会社の元役員、その次の人は関連会社に出向中、そして、後の2人が現役の社員という感じでした。

話の内容はもっぱら会社関係の話。

「日本のサラリーマンは休日のゴルフ帰りもえらいなぁ」と思いつつ、東京駅へ到着。私達が乗り換えのため、降りる準備をしていると、4人組で最年長のおじさんも東京駅で下車する模様です。

すると、聞こえてきたのは、「何かありましたら馳せ参じます!」現役社員の内の一人が元役員に対して最敬礼していました。

私も20年近くサラリーマンを経験していますが、上司に対して「馳せ参じます!」と言ったことは一度もありません。電車を降りてから家内が一言、「やっぱりサラリーマンは向いていなかったかもね。」妙に納得してしまいました。

電車で居合わせた4人組は大手企業にお勤めの感じでしたが、中小企業では大手企業以上に上司-部下の関係は密接です。

大手企業だと転勤や人事異動もあるので、ずっと同じ職場で上司-部下の関係が続くことは稀です。しかし、中小企業だと入社して以来、社長も部長も課長もまったく変わらないということも少なくありません。

上司からすれば、仕事ができるかどうかは別にして、「何かありましたら馳せ参じます!」と言う部下はやはりかわいいものです。

また、自分の指示に対して「それっておかしくないですか?」と疑問をはさむ部下より、黙って言われた通りに仕事をこなす部下の方が使い勝手が良いのは心情的にはよく分かります。そして、人事評価の基準もはっきりと定まっていない会社においては、「会社に役立つかどうか」よりも「自分の言うことを素直に聞くかどうか」で良い社員かどうかを判断することがあります。

しかしながら、会社が長く成長を続けていくためには、たとえ上司が「右へ行け!」と指示しても、時には「いえ、(左の方がもっと利益が出るので、)左に行きます!」と言える社員が一人でもいることが求められます。

経営理念やビジョンで意思統一を図ることは大切。でも、目標の達成の仕方や手順は一つではありません。ましてや昨日まで上手くいったやり方が、今日も通用するとは限りません。

会社の価値基準を決めてそれをベースに公平に物事を判断しましょう

あなたの会社の社員は盲目的にあなたの指示に従っているだけでしょうか。それとも、自分でもよく考えた上であなたの指示に従っているのでしょうか。

会社の中で多様性を維持できるかどうかは、自分が好きか嫌いかではなく、会社の価値基準に合うか合わないかという判断基準にかかっています。

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