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お金のリズムをつかんで、自分なりの譜面を完成させる

「譜面が完成した!!!勝ちに行くぞォオ!!!」

(「鬼滅の刃」第11巻参照)

人気漫画「鬼滅の刃」の遊郭編の中で、柱の一人である宇髄天元が鬼と戦っている時に発したセリフです。


鬼滅の刃を読んで思い浮かんだのは

「鬼滅の刃」では、鬼と主人公たちが所属する鬼殺隊の戦闘シーンが見どころの一つですが、鬼は血気術といういろいろな技を使って鬼殺隊を苦しめます。

鬼を倒すには「刀で首を切る」もしくは「太陽の光にあてる」という二つの方法があるのですが、想像を超える術を次々に繰り出されるので、鬼殺隊の中で強いと言われている柱でも苦戦を強いられることになります。

音柱と呼ばれる宇髄天元も上弦の鬼との戦いの中で、大怪我を追うのですが、「もはやこれまでか」と思われたシーンの後で、冒頭のセリフが出てきます。

ここで言う「譜面」とは宇髄天元独自の戦闘計算式のことらしいのですが、私なりに解釈すれば、

相手がどう攻撃してくるかが読めるようになった
  ↓
それに対する対応策ができた
  ↓
勝ち筋が見えた

ということです。

そして、漫画でこの場面を読んでいて思い浮かんだのは「これって資金繰り表と同じかも!」です。

資金繰り表の第1段階:数字を合わせる

資金繰り表を作っていない社長が初めて資金繰り表を作ると、最初のうちは慣れないこともあり、残高を合わせるのにも苦労することがあります。

売掛金、買掛金、給料に借入金の返済・・・。

いろいろな項目があるので、月末時点で手元にある現預金残高と資金繰り表で計算した月末の現預金残高がすぐに一致しないこともあります。

特に毎月の取引件数が多かったり、複数の銀行と取引があり、銀行の間で資金移動していたりすると、本来であれば、足し算と引き算だけの数字なのに、数字が整わないのです。

ただ、これは慣れの問題。エクセルなどを上手く利用することで誰でも必ずクリアできます。

これを第1段階とすると、次は未来の数字を予測する第2段階に移ります。

資金繰り表の第2段階:数字を予測する

第2段階では、実績として過去の数字を合わせるだけでなく、今月末の数字や来月以降の数字を予測することになります。

この場合、よくあるのは「前月の数字を基に今月の数字を予測する」というやり方です。

もちろん、毎月の給料(基本給)や事務所の家賃など、売上高が変わっても数字が変わらない固定費などは、「前月は総額500万円だったから、今月も500万円はかかるだろう」と予測ができます。

また、銀行からの借入金などは、契約で「毎月25日に20万円ずつ元金を返済する」ということで、簡単に資金繰り表に反映できます。

しかしながら、売上高や原材料費などは毎月数字が変わるので、「先月は1,500万円の売上があったから、今月の1,500万円で予測の数字を入れる」という訳にはいかないこともあります。

特に売上高や原材料費などの売上原価などは、「月末締めの翌月末払い」とか「25日締めで翌々月の10日払い」といったように、取引条件が決まっています。

このような売掛金の回収サイトや買掛金の支払いサイトという要素が入ってくるために、「今月は頑張って売上が上がっているはずなのに、来月末の資金繰りはギリギリかもしれない」という状況が起こります。

この段階では、数字の計算はできて予測は立てられるけれども、そこで止まっていて、まだ勝ち筋が見えていないと言えます。

資金繰り表の第3段階:数字のリズムをつかむ

会社の資金繰りを回していくためには

・手元の現預金残高を正確に把握する
・現時点の会社の損益状況をタイムリーに把握する
・各種取引条件を頭に入れてお金の出入りを予測する

といった複数の要素を組み合わせることが必要です。

最初のうちは少し難しいかもしれません。けれども、月次で損益をしっかり把握し、同時に日次で資金繰り表を作成することを地道に続けていると、やがてお金の流れのリズムがだんだんと肌感覚で分かってきます。

言ってみれば、「譜面」が完成する状態です。

こうなると、月の途中であっても

「このままの調子だと、来月末の資金繰りがやや厳しくなるので、営業にもっと力を入れよう」

とか

「もっと売上を上げるために、あと追加で100万円を広告宣伝費に使おう」

といったように会社を成長させるための勝ち筋が見えてきます。

これが言ってみれば、第3段階です。

自社としての勝ち筋を見い出す

鬼殺隊のメンバーは「刀で首を切る」もしくは「太陽の光にあてる」ことで鬼を倒せるということは分かっていても、未知の強敵の相手とは常に戦いの中では、自分なりの勝ち筋を見い出していくしかありません。

これは「利益を上げる」もしくは「お金を増やす」ことでしか会社を成長させることは頭では分かっていても、時々刻々と状況が変わる中で、自社なりの勝ち筋を見い出していくしかない経営者と同じです。

「鬼滅の刃」では主人公の竈門炭治郎は柱ではありませんが、数々の鬼との戦いを通して徐々に成長しています。

そして、先輩にあたる宇髄天元は自力で「譜面」を完成させ、鬼退治に成功しましたが、「時々刻々と状況が変わる中で、自社なりの勝ち筋を見い出していく」にはそれなりのコツがあります。

数字は苦手だけれど、自分なりの勝ち筋を見い出したい」という経営者の方には弊社が何かしらのお役に立てます。

前述の「第1段階か、第2段階にいるかもしれない」と思われた方は、一度お問い合わせいただければ嬉しく思います。


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