[創作論759] 圧電絆創膏

電気刺激で骨の再生を促進する技術が開発されました。

骨折した骨の再生は複雑なプロセスであり、再生を促進する既存の手法は、コストや治癒期間などの観点で限界に直面しています。
一方、骨材料が圧電特性を有することが古くから知られ、骨に応力が加わるとその圧電特性により電位差が発生し、その電位差から発生する電流による刺激が、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞などの周囲のミクロな環境を変えるように作用し、骨形成や骨再生が促進されることが判ってきました。
今回研究チームは、骨や歯に存在するリン酸カルシウム材料であり、圧電性能を有するHApに着眼しました。
生体内の骨折部位にHApをインプラントする際、圧電性を有するフッ化ビニリデン(VDF)とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の共重合体高分子フィルムにスキャフォールドとして導入するとともに、骨組織形成に対して表面性状が重要であると考えて表面分極性を高めたフレキシブルで自立型の生体模倣「圧電絆創膏」を作成しました。
試験の結果、骨再生を促進する優れた可能性が実証されました。
in-vitro試験では、HApがない場合に比べてHApがある場合には、高い細胞付着性および細胞増殖性を示しました。
また、ラットの頭蓋骨損傷部に適用したin-vivo試験では、比較条件よりも著しく高い骨再生能力を発揮することが明らかになり、同時に感染症や他の炎症などの弊害を発生しないことも確認されました。
今後は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、開発スキャフォールドにおける圧電特性や、細胞形状および細胞骨格タンパク形成に与える表面性状の影響を調べるようです。


素晴らしい技術ですね。
創作活動でも健康第一ですから、怪我には十分注意しましょう。

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