CoralHz@創作論毎日更新

夫婦で活動するクリエイターユニット✨ 化学系研究開発を本業とする夫が、サイエ…

CoralHz@創作論毎日更新

夫婦で活動するクリエイターユニット✨ 化学系研究開発を本業とする夫が、サイエンスの話題をベースとした独自の創作論を展開☺️ オリジナル楽曲はこちら👉️ https://youtube.com/channel/UC2i-oEjhUpCI7qFbjC4ZOsQ

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『創作』が『社会』と交わるとき ーCoral Hzの決意ー

こんにちは。Coral Hzです。夫婦でクリエイターユニットとして活動しています。これまでにオリジナル曲をYouTubeに投稿したり、ラジオ配信をしたりして参りました。 コメントやいいねをいただき、大変ありがたく感じています。この場をお借りして御礼申し上げます。 さて、最近は表立って活動できておりませんでしたが、実は第一子を妊娠・出産し、目まぐるしい日々を過ごしております。満足な活動こそできませんでしたが、『創作』に対して真剣に向き合い、考えを新たにする契機となりました。

    • [創作論862] 鳥と騒音

      交通騒音によってひな鳥の成長が遅れるだけでなく卵がふ化する可能性も低下するという研究結果が報告されました。 これまでの研究結果によると、過剰な騒音が繁殖中の鳥の巣作りや子育てに悪影響を及ぼすことや、騒音が鳥同士のコミュニケーションを妨げることが判明していました。 しかし、鳥がひなの時点から騒音を苦痛に感じているのかどうかや、騒音が鳥の生息環境や子育てをどのように混乱させるのかは不明でした。 今回研究チームは、鳥小屋で飼育されているキンカチョウを用いて実験を行いました。 まず

      • [創作論861] 電池のリサイクル

        リチウムイオンバッテリーの経済的なリサイクル手法が考案されました。 リチウムイオンバッテリー(LIB)市場の拡大によって、リチウム資源に対する需要が高まっています。 使用済みLIBの陰極材料からリチウム金属をリサイクルする湿式精錬手法が確立されていますが、金属のリーチングや析出、分離、高純度化など複雑な多段階プロセスから構成されており、経済性にはまだ改善の余地があります。 研究チームは、大量に発生する使用済みLIBから効率的にリチウムをリサイクルする経済的な手法について研究

        • [創作論860] コンタクトレンズに搭載できる多点マイクロ電極

          市販のコンタクトレンズに搭載できる多点マイクロ電極が開発されました。 角膜上のセンサー電極によって、光刺激に応答する網膜から発生する電位を測定する網膜電図(ERG)は、一般的に網膜変性疾患の検査で利用されており、基礎研究から臨床的な応用まで幅広く利用されています。 ERG測定は、検出電極(間電極)、参照電極(不間電極)、接地電極からなる3電極システムが必要で、検出電極は角膜または結膜に、参照電極は測定器のグランドに相当し、耳たぶなどに接地電極を接触させます。 現在は角膜上で

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          [創作論859] 大容量エネルギー貯蔵システム

          5年間性能劣化しないバッテリーシステムが開発されました。 中国のバッテリーメーカーCATLは、大容量エネルギー貯蔵システム「TENER」を発表しました。 同システムは5年間性能劣化しないことをうたい、新エネルギー貯蔵技術の大規模な普及と、エネルギー貯蔵プロダクトの高品質化を狙っています。 バッテリーの劣化を抑制する手段として、「バイオミメティクスSEI(固体電解質界面)」および「自己組織化電解質」の技術によって、リチウムイオンの移動を妨げる「障壁」を除去しました。 TENE

          [創作論859] 大容量エネルギー貯蔵システム

          [創作論858] 超高剛性ポリプロピレンシート

          超高剛性2軸延伸ポリプロピレンシートが開発されました。 エフピコは、賦形性に優れた150~300μmの超高剛性2軸延伸ポリプロピレン(OPP)シートと、同シートを熱融着した厚さ1~3mmの積層OPPシートを開発したと発表しました。 一般的なOPPフィルムは厚さ30~50μmで主に食品用軟包装資材として用いられています。 今回開発したOPPシートは厚さ150~300μmで、透明性や耐熱性、耐寒性、耐油性に優れます。 さらに、広い温度域での剛性と耐衝撃性との優れた物性バランスも

          [創作論858] 超高剛性ポリプロピレンシート

          [創作論857] 高温に耐えるデータストレージ

          金星のような極端な環境でも動作するデータストレージが開発されました。 極限環境下での電子機器の開発には、高温下で安定に動作するSSDなどの不揮発性メモリデバイスが必要とされています。 しかし、一般的な不揮発性メモリデバイスは、およそ300度の温度に達すると故障してしまいます。 今回研究チームが発表した新しい強誘電体ダイオードを基にした不揮発性メモリデバイスは、最高600度までの温度で動作可能で、金星のような極端な環境で運用できることが期待されています。 開発されたのは、強誘

          [創作論857] 高温に耐えるデータストレージ

          [創作論856] 金属表面の微細構造

          金属表面に超高アスペクト比の微細構造を生み出す切削方法が開発されました。 今回研究チームは、金属を超高アスペクト比(高さ/幅)の微細構造に加工できる、楕円振動チゼリング(EVチゼリング)という切削方法を開発しました。 高アスペクト比の微細構造を持つ金属表面は、高性能伝熱促進や表面プラズモンデバイスなどへの応用が期待できます。 しかし、金属表面に高アスペクト比の構造を、既存技術で高速かつ低コストで作製することは困難でした。 そこで研究チームは、高効率で超高アスペクト比に加工で

          [創作論856] 金属表面の微細構造

          [創作論855] ポリマー潤滑剤

          環境と経済面を配慮した、金属加工用の高性能ポリマー潤滑剤が開発されました。 金属の釘や網、ばねを製造する伸線加工では、熱間圧延された線材が、狭い開口部を持つ伸線ダイスを通して引き抜かれて細くなります。 同工程において、潤滑剤は、摩擦を減らして発熱を最小限に抑え、伸線ダイスの耐用年数を延す重要な役割を担います。 しかし、潤滑剤を使用する前に、母材にキャリア層を塗布する必要があります。 キャリア層は、後に除去しなくてはならず、時間と労力を要する上、環境に有害な化学物質も使用され

          [創作論855] ポリマー潤滑剤

          [創作論854]キリガミハイドロゲル

          複雑なキリガミハイドロゲル構造を形成する手法が開発されました。 親水性の分子ネットワークを持つハイドロゲルは、大量の水を含んだ状態(膨潤状態)にあります。 研究チームは、セルロースのナノファイバーで構成された乾燥フィルムにあらかじめ設計したパターンをレーザーで刻み込んだ後、そのフィルムに水を加えて膨潤させると、長手方向に引き伸ばしたときに横幅も広がる「オークセティック」と呼ばれる特性によって、ハイドロゲルに切り紙のような複雑なパターンを形成できることを確認しました。 このオ

          [創作論854]キリガミハイドロゲル

          [創作論853] 遮音壁

          鉄道の騒音を大幅に軽減する遮音壁が開発されました。 遮音壁にはいろいろな種類のものがありますが、美観を損なわないような透明なものは音を反射してしまうため吸音性能が低く、一方、吸音性能が高い素材で作られた遮音壁は視界を遮ってしまうので景観を損ねてしまうという問題がありました。 ドイツ鉄道とPhononic Vibesが開発した「MetaWindow」は、独自の幾何学的デザインを利用することで、従来の製品よりもはるかに吸音性能を高めた製品です。 34~37dBのノイズ遮断レベル

          [創作論853] 遮音壁

          [創作論852] 3Dプリンターで耳を作る

          移植用の耳を3Dプリンターでつくる研究が進められています。 コーネル大学の研究チームは、最新の組織工学技術と3Dプリンターを使って、見た目や感触が実物に近い移植用の耳を作製しました。耳のレプリカのために、構造を保持しながら細胞の増殖を促す足場となるスキャフォールドを、3Dプリンターを用いてプラスチックで作製しました。 以前の研究では、コラーゲンで作られたスキャフォールドに動物由来の軟骨細胞を植え付けていました。 この方法だと、初めはうまく成長するのですが、時間が経つにつれて

          [創作論852] 3Dプリンターで耳を作る

          [創作論851] 弾性熱量効果

          NiTi合金の伸長や弛緩により冷却する技術が開発されました。 研究チームは、弾性熱量効果を利用し、ニッケルチタン(NiTi)合金であるニチノールで作られた「人工筋肉」で冷却する世界初の小型冷却機を開発しました。 弾性熱量効果とは、弾性体の形状が急激に変形する際に発熱や吸熱が起こるというものです。 円筒形のプロトタイプに組み込まれている新技術は、ワイヤーに力を加えて引き伸ばしてから力を取り除き、ワイヤーが元の状態になると、その際に空間から熱が取り除かれるという単純な原理に基づ

          [創作論851] 弾性熱量効果

          [創作論850] 廃棄とリサイクル

          世界の電子機器廃棄物量がリサイクル量の5倍の速さで増加していると報告がありました。 報告書によると、電子機器廃棄物の年間発生量は毎年260万トンずつ増加しており、2030年までに2022年比33%増の8200万トンに達する見込みとのことです。 一方で、2022年に適切に回収/リサイクルされた量は年間廃棄量のわずか約4分の1未満(22.3%)にとどまりました。 これによる本来回収可能な天然資源の損失は620億ドルに相当し、電子機器に含まれる水銀などの有害物質が健康や環境に及ぼ

          [創作論850] 廃棄とリサイクル

          [創作論849] 塩水の淡水化

          太陽光発電を活用し、塩分を含む水を飲み水に変える安価な新システムが開発されました。 世界の人口のおよそ4分の1は、極めて高いレベルの水ストレス下にあり、水不足に陥る可能性が非常に高いといいます。 世界の地下水のうち56%は塩分を含んでおり、飲用には適していません。 この問題は特にインドで顕著で、国土の60%で塩水が存在するため、飲用に適さない水を抱えています。 しかし、従来の脱塩技術は、水から塩分を除去するために必要なエネルギーの供給に、高価なバッテリーや、安定した送電網シ

          [創作論849] 塩水の淡水化

          [創作論848] 酵素駆動バッテリー

          体内の酸素で駆動するインプラント可能なバッテリーが開発されました。 ペースメーカーや神経刺激装置などの植込み型医療機器は、従来型の電池で駆動するため、電池切れになると交換のための手術が必要になります。 今回研究チームは、この課題を解決するために生体内の酸素で作動する埋め込み型電池を考案しました。 電極はナトリウムベースの合金とナノ多孔質金で構成されています。 電極と体内の酸素が反応し、電気が発生します。 この電池をラットの背中の皮下に埋め込んだところ、2週間後には1.3~1

          [創作論848] 酵素駆動バッテリー