[創作論904] 飛行機での飲酒

飛行機の中でお酒を飲むことの危険性が示唆されました。

高地や航空機内のように気圧が低い場所では、空気中の酸素の圧力も低下するため、人間の血中酸素飽和度(SpO₂)が低下します。
これは低気圧性低酸素症として知られており、今回研究チームは、アルコールの摂取と睡眠が低気圧性低酸素症に及ぼす影響を調べました。
実験では、40人の被験者が「地上と同じ気圧(海抜53m相当)の部屋で眠るグループ」と、「巡行中の航空機内と同じ気圧(海抜2438m相当)の部屋で眠るグループ」に振り分けられ、前日の夜にアルコールを摂取した場合と摂取しなかった場合で、合計2晩眠りました。
被験者が飲んだアルコールはビール2缶またはワイン2杯分で、与えられた睡眠時間は4時間でした。
4時間という睡眠時間はかなり短いように思えますが、これは飛行中の眠りにくさや睡眠の乱れなどを考慮したためとのことです。
実験の結果、通常の気圧では、アルコールを摂取した人の平均血中酸素飽和度は94.97%、平均心拍数は76.97拍/分。アルコールを摂取しなかった人の平均血中酸素飽和度は95.88%、平均心拍数は63.74拍/分でした。
一方、巡行中の航空機内と同じ気圧では、アルコールを摂取した人の平均血中酸素飽和度は85.32%、平均心拍数は87.83拍/分。アルコールを摂取しなかった人の平均血中酸素飽和度は88.07%で、平均心拍数は72.9拍/分でした。
これらの結果を総合すると、航空機内の気圧では地上の気圧よりも血中酸素飽和度が低く、心拍数が高くなっており、アルコールを摂取するとその影響がさらに大きくなることが示されました。
健康的な血中酸素飽和度は90%以上であるため、航空機内でアルコールを摂取すると健康に悪影響が及ぶ可能性があります。
低い血中酸素飽和度と高い心拍数は、心血管系に余計な負担をかけます。
そのため、頻繁に長距離フライトをする習慣がある人や持病を抱える人にとって、航空機内で飲酒することは心臓病のリスクを不必要に高める要因になるとのことです。


驚きの報告ですね。
創作活動においても飛行機での移動を伴う場合があるかと思いますので、飲酒には注意したいですね。

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