[創作論765] ハイブリッド米

米粒の中で牛の細胞を培養して作ったハイブリッド米が開発されました。

多孔質なことから細胞が成長する足場として最適な上に、培養に必要な栄養素も豊富な米に目を付けた研究チームは、米を使って動物細胞を増殖させる研究に着手しました。
まず、米を魚ゼラチンと食物酵素でコーティングしました。
魚ゼラチンは食品グレードの素材で、細胞が米粒にしっかりと定着できるようにする働きがあります。
そして、米に牛の筋肉と脂肪の細胞を加えてペトリ皿で9~11日間培養した結果、食物アレルギーを起こしにくいという米の特徴と、動物性タンパク質をはじめとする牛肉の栄養価を併せ持つハイブリッド食品が誕生しました。
できあがったハイブリッド米の特徴を調べるため、サンプルを炊いて栄養価を分析したところ、ハイブリッド米は普通の米よりタンパク質が8%、脂質が7%多いことが判明しました。
また、筋肉細胞の比率が高いハイブリッド米には牛肉やアーモンドと関連した臭気化合物が含まれていることや、脂肪細胞の含有量が多いハイブリッド米にはクリームやバター、ココナッツオイルのような化合物が含まれていることもわかりました。
一方、食感はもちもちした普通の米に比べて固く、ぼそぼそしていたそうです。
培養肉を生産するための現行の技術には、普通の食肉を生産するよりも大量の二酸化炭素が発生する上に、できあがった培養肉は非常に高価だという課題があります。
一方、研究チームが生産されるタンパク質100g当たりの二酸化炭素を計算したところ、牛肉が排出するCO2が49.89kgなのに対し、ハイブリッド米は6.27kgしかありませんでした。
また、ハイブリッド米が実用化されれば1kg当たり2.23ドル(約334円)で生産することが可能なので、14.88ドル(約2200円)する牛肉に比べて家計にも優しい食材になるとみられています。


すごい技術ですね。
一度食べてみたいなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?