[創作論790] 地熱を利用した二酸化炭素回収

地熱を利用したクリーンで安価な二酸化炭素回収手法が開発されました。

温室効果ガスの大部分を占めるCO2の蓄積は、気候変動の主な原因の一つです。
そのため「Direct Air Capture(DAC)」と呼ばれる大気中からCO2を直接回収する技術の研究が進められているます。
しかし、既存のDAC技術は高価であるだけでなく、エネルギーを必要とするため大気中に温室効果ガスを排出する可能性があります。そこで今回研究チームは、DAC技術と地熱利用技術を組み合わせることで、大気中のCO2を削減するとともに、再生可能エネルギーを産生する技術を開発しました。
「Direct Air CO2 Capture with CO2 Utilization and Storage(DACCUS)」と名付けらたこの技術は、大気中のCO2を回収し地中に安全に貯蔵することで、大気中のCO2濃度を減少させるだけでなく、回収したCO2の一部を循環させてシステムの動力源となる地熱エネルギーの抽出効率を高めるために利用します。CO2を循環させることで地熱が地表に近づくため、余分な化石燃料を必要とせずに地熱発電所の性能を向上させることができます。DACCUSシステムの実証実験が、メキシコ湾岸地域で開始されました。
ただし、DACCUSには課題もあります。DACCUSシステムが大気中から温室効果ガスを回収できるようシステムを起動するためには、工場などからCO2を回収してある程度まで貯蔵しておく必要があります。
この初期貯蔵には約5年の期間が必要で、2025年にDACCUSシステムが完成したとして、大気からのCO2の回収は2030年になります。
研究チームは、2050年までにメキシコ湾岸の27の地層の1つに25基のDACCUSシステムを設置できると見積もっています。
一般的に地熱エネルギーのCO2排出量は非常に少ないですが、DACCUSではCO2を利用するため、さらに排出量を削減できます。
このシステムが実現すれば、地球温暖化を抑制するという社会課題の解決に役立つ可能性があります。


素晴らしい技術ですね。
創作活動においても、二酸化炭素の有効活用ができるといいですね。

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