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アメリカでレーシック手術を受けた話

あれは小学生の頃。体育でサッカーの授業が行われている時だった。攻める相手選手に、守る私。私は全くと言っていいほどサッカーが上手くなかったけれど、体だけは大きかったので、相手選手はプレッシャーを感じたのだろう。なりふりかまわず、とりあえずボールを前へ運ぼうと、力一杯蹴り上げた。そして力一杯蹴られたボールは、超至近距離で私の右目に飛んできた。

目の前に星が散るとはこのことか・・・と小学生のときはそんな表現知らなかっただろうけど、今思えばそんな感じで目の前がチカチカして、そのまま地面にうずくまった。猛烈な痛みと共に、右目に黒い斑点が見え、先生の判断で念のために眼科に行った。診察結果はただの打撲。安心して帰宅したが、今考えるとあれはヤブ医者だった。

成長期だったこともあってか、その後みるみる視力は悪化し、左目は1.2、右目は0.1以下という見事なガチャ目ができあがった。

両目で見ているときは左目ががんばるので割と見えるものの、右目だけで見たらかなりボヤけて文字は大体読めない。人も近1〜2mまで近づかないと誰かは判断できない感じ。とはいえ、普段の生活ではそこまで支障がなかったので、パソコンなど細かい文字を見る作業をする時、車を運転する時だけメガネを掛けるようになった。

一生このままでいけるやろ、思っていたものの、アメリカに来てからさまざまな医者に偏頭痛や首・肩こりの原因が目からきていること。そして、肩こりから他の筋肉や神経に負担がかかって体全体に歪みが出てきていることを指摘された。(ガチャ目だけでなく、左右非対称の症状は、本当にいろんなところに影響が出るので、放っておかない方がいいです)

もちろんそういった歪みは、視力だけが原因ではないのだけれど、ひとつずつ解消していかないと、歳とった時には手遅れだな、と思いレーシックを受けることに。

レーシックの病院の探し方

今まで日本にいた時からレーシックを調べたことはあったけれど、「胡散臭いな」「10年、20年後どうなるかわからんし」「レーシック手術する医者が眼鏡かけているやんけ」と結局手を出すことはなかった。

しかし、アメリカでいろんなレーシック経験者の方の話を聞くと、もちろん多少問題点があったり、10年ほどでまた視力が悪化して、ということはあるものの、概ねみんな「見えるようになった期間」に対してはとても満足していた。

よし、とりあえず見積もりを取ろう!と思い立ち、Google MAPを立ち上げる。「LASIK」と検索。近所の病院が出てくる。700件近いレビューで、★4.9の病院があったので、見積もり取るだけだしここでいっか!と予約を入れる。超安易な探し方だった。テクノロジーさまさま。

診察当日

時間通りに病院に到着。窓が大きい。白い。清潔。すごく綺麗。ソファがゆったり。飲み物もスナックも無料で置いてある。第一印象は最高だった。

しかし混んでいるのか、めちゃくちゃ待たされる。まあ、付き添ってくれた妻は仕事が忙しくて、パソコンを持ち込んでいたので、待っている間に仕事をバッサバッサ捌いており、結果オーライ。

いよいよ呼ばれて診察室へ。視力について今までどんな困ったことがあったかどうか。どうして悪化したか。眼鏡orコンタクト?などの質問。レーシックの超詳しい説明(聞いても仕組みまではさっぱり理解できなかったけど)。視力検査。目の健康検査。すごく手際良くこなしていく。

それらの診断を経て、「君は片目だけLASIKすれば大丈夫だよ!視力もそこまで酷いわけじゃないから、薄く切るくらいで大丈夫だと思う」みたいなこと、言っていたと思う(うろ覚えなのではなく、英語を全て聞き取れていない)。その後、少し時間をおいて見積もりタイムがやってきた。

レーシックのお値段は?

別の看護師さんがやってきて、書類を見せながらいろいろ説明。結論から言うと、
片目:2195ドル(約26万9000円 ※2022年3月末現在のレート)
両目:4390ドル(約53万7000円 ※2022年3月末現在のレート)
といった感じ。これは視力や近視、乱視など人によって多少変わると思う。私は近視でした。

これに加えて、片目につき200ドル払えば、LASIK手術後にすぐ悪化してしまった、などがあっても一生再手術などが無料で受けられる、Apple Careみたいなやつに加入。合計2395ドルという見積もりが出てきました。

そして「手術日決める?どうする?」と間を置くことなく聞いてくる。「別に今決めなくてもいいけど、どうする?」と早口で捲し立ててくる。

私は大事な決断で焦らされるのが嫌いなのだけれど、なんか思っていたより高くないし、片目だけなので、やってみるか、という軽いノリでその場で手術日を決定。しかも最速では診察日から3日後、とかいうレベルだったのだけれど、さすがに予定があったので、2週間後にした。

手術までの期間

相見積もりを取っていなかったのと、どういうところに注意して、先生に質問をすればいいかを知りたかったので、Twitterで皆さんに質問をさせていただきました。

これに対して、いろんな方が経験談、アドバイスをくださいました。本当にこれで安心しましたし、見積もりも相場からかけ離れているわけではないことがわかったので、改めて手術をする決心がつきました。その節はありがとうございました。

手術当日

ハローグレアについては、実際注意事項にも書いてありました。先生に聞いてみたら、発生する人もいますが、大抵の場合は2週間程度で収まるそうです。ただ、注意事項には他にも「視力回復を保証するものではありません。リスクを大きく感じる人にとって、LASIKは最良の選択肢ではないので、その場合はやめたほうがいい」とか書いてあって、「だったらなんで受けんねん。おかしいやろ」とか思ったけど、まあ、こういうこと書いておかないと訴訟大国だから大変なんだろうなーと思いました。

手術当日も、到着から1時間も待たされる。だったら最初から予約時間後ろにしてくれ。

待ちくたびれた頃に受付のお姉さんが「あと10分くらいで終わるからもう少し待ってね」と声をかけてきた。手術は1人・15分〜20分程度。レーザーを当てている時間は3分程度という話だったので、1日にバンバン手術を回していくことで、稼いでるんだろうな。いくらになるのかな。うわっ、すごい儲けているじゃん、この病院!とか計算していたら10分たって、診察室に呼ばれる。

改めて視力検査を行い、手術後に使う目薬の説明を丁寧にしてもらい、質問などを行い、疑問が全て解消された段階で「valium」という薬を飲むように言われる(これは飲まなくてもいいけど、希望した)。最初「バリウム」と言っていたので「胃の検査でよく飲む、あのバリウム?患部は目なのに、なんで?」とか思っていたけど、そのバリウムではなく、日本語では「ジアゼパム」と呼ばれる抗不安薬。要するに、手術前に飲んで、緊張緩和して、リラックスした状態で手術受けられるような気遣いの薬だった。

一錠飲んだだけなのに、10分後に激眠い。いい気分になっちゃって、「WEEDとか吸ったらこんな気分になるのかな〜」とか想像してた。
※WEED=大麻のこと。ワシントン州では合法です。私は吸ったことないけど

ヘラヘラしながらゆらゆら揺れて「ねみぃ〜」とか言っている私の姿を見て、妻はケラケラ笑いながら、こっそり撮影してた。

手術室に移動。ガタイが良くて、気さくな雰囲気、ハキハキ喋るドクターがめっちゃ丁寧にいろいろ説明してくれる。NO緊張。

ベッドに寝っ転がって、目薬を数種類、ダボダボたらされる。目びしょびしょ。プラスチックの枠みたいなのを軽く目にはめて、目をつぶれないようにする。その後、顕微鏡みたいなのが目の前にやってきて、緑色と赤色の光が見える。

「この後、この顕微鏡みたいなやつが目にくっつくと、一旦視界が真っ黒になって、そのあとまた光が見えてくるから。緑の光をずっと見ていてね」みたいなことを言っていた気がする(うろ覚えなのではなく、聞き取れていない)。

その説明を受けた瞬間から、真っ暗になって、光が現れた。そんな状態でも、何も緊張しない。痛みもない。とりあえず、目がびしょびしょだな〜とか思ったり、緑の光をちゃんと追わなくちゃ〜とか思っていたり。ふわふわした気分。先生は「いいぞ。いい感じだ。順調だぞ。」とか終始励ましてくれていた気がする。(これはうろ覚え)

上のTwitterでちゃんみさんが言っていた「焦げ臭い匂いがして、焼き魚が食べたくなる」という瞬間を、個人的にすごく楽しみにしていたので、焦げ臭い匂いがした時は思わず「ニヤッ」としてしまった。

そのあとは、すぐ終了。起き上がっていいよと言われ「あれ、もう終わり?」という感じ。目も開けられる。ぼやけているけど。最後に先生が、目に光を当てて、仕上がりを最終チェックしたら、はい、帰っていいよ。

さすがにその日は車を運転してはいけないので、Uberで帰宅。UVがよくないので、サングラスをして帰る。目は開けられるけど、ゴロゴロしている感じ。(コンタクトがずれていたり、目にまつ毛が入った時の感覚)

手術が終わって帰宅後

手術後は、なるべく仮眠をとってね。と言われていたので、実は当日もなるべく睡眠不足状態で臨んでいた。valiumの影響もあって、ばっちり眠い。5秒で寝られる。実際、5秒で寝た。

18時半とか19時くらいには就寝。朝まで寝られるかな?と思ったけど、さすがに薬が切れると目が痛くなってきて、夜中に目が覚める。痛みといっても、刺すような痛み、という感じではなく、「玉ねぎが目に染みて全く目が開けられない!この玉ねぎやべえな!!」という時の目の痛み。目のしょぼしょぼがすごくて開けていられなくて、それにちょっとしたジンジンする鈍い痛みが加わっている感じ。

麻酔効果のある目薬を処方されていたので、それを差す。しかしおさまらない。こういう時は・・・と「タイレノール」を飲む。タイレノールはアメリカでは一般的で、まじ痛みに対して最強。Covid-19ワクチン打った後も、これ飲みまくっていたら、体がだるくなる程度で、全然副反応大丈夫だった。(私の場合。妻は寝込んだ)

30分から1時間程度で、すっと痛みが消えた。そして再び夢の中へ。明日の朝、視力がどうなっているか考えるだけで嬉しくてニヤニヤしながら、安眠についた。

翌朝の視力

朝、目を覚ました。すぐに目を開けるのが、なんかもったいないので(意味不明)、最初は右目をつむったまま体を起こした。ゆっくり右目を開ける。みっ・・見える!!痛みももうない!!これが聞いていた、見えるようになった時の感動体験か!!と噛み締める。

横でまだ寝ている可愛い妻の寝顔をみる。くっきり見える!!とか思ったけど、妻は真横で寝ているから、視力悪い時も、くっきり見えていたわ。

右目だけで見ると、ぐらっとめまいのような感じになったり、ピントが合ったりずれたり、という不安定な感じはあるけど、曇ったりするのは今のところない。この不安定さも、2週間程度でおさまるとか。(これを書いている今は、まだ3日目)

手術翌日は、術後の経過観察のために再び病院へ。その時は自分で運転して行ったけど、眼鏡をかけずに運転しても、何の問題もないのに感動した。

その診察でも問題なし。もし何か違和感を感じたらいつでも電話してね!と安心感を与える言葉も忘れないところが、こういう病院が生き抜く術なんだろうな、と思った。

レーシックを受けた感想

とてもよい。(術後3日目の段階)

他にこんな体験談があります

過去の記事、初めて自分で読み直したけど、意外とおもしろい(自画自賛)

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