見出し画像

フローリングの種類とメリット・デメリットを考えてみる。

以前、フローリングの色について2回にわたりお話しました。

今回は、フローリングの種類について考えてみたいと思います。

フローリングの種類は、大まかには以下の3種類があります。
・無垢フローリング
・突板(つきいた)/挽板(ひきいた)フローリング
・シートフローリング

一つずつ特徴を見ていきましょう。

無垢フローリング

本物の木材から加工されたフローリングです。
そのため、見た目でも足触りでも「木」本来の風合いが楽しめます。

デメリットは、本物の木材であるがゆえに、湿度によって反りや隙間が発生してしまう点と、汚れがしみこみやすい点。
日本は、梅雨のじめじめや冬の乾燥など季節によって湿度変化が大きいので、反りや隙間、床鳴りなどは避けられません。

また、使用する木材の種類によっても異なりますが、柔らかい木材だとキズや凹みがつきやすいことも。
無垢フローリングと付き合っていくには、少しくらいの汚れやキズ・凹みは「味」と思える大らかさが必要かもしれません。

お手入れに関しては、定期的なワックスがけも必要なので、お家に手をかけて「育てていく」のが苦にならない方にはおすすめです。

普段のお手入れは、乾拭きか固く絞った水拭きで。
科学雑巾や薬剤のしみこんだ水拭きシートなどは、シミになる可能性があるので避けた方が良いです。

突板/挽板フローリング

本物の木材を薄く削った化粧材を、合板などの基材に貼り合わせたフローリングです。
化粧材の厚みによって、突板か挽板かに分かれます。

突板は、約0.2~0.5mmの鰹節くらいの薄さに削った木材を、基材に貼り固めたもの。

挽板は、約2~3mmに削った木材を基材に貼り合わせたもの。
化粧材の厚みがあるので、より無垢に近い風合いがあります。

突板・挽板のメリットは、合板の基材があることで、無垢フローリングの弱点だった反りや収縮を軽減させることができます。

突板のデメリットは、化粧材が薄いのでキズがつくと基材が見えてしまう点と、薄い化粧材を貼り固めているために木の風合いが落ちてしまう点。
無垢のように使うほどに味が出るという感じではないのが残念ポイントです。

挽板のデメリットは、表面が無垢同様なので、汚れがしみこみやすい点と、定期的なメンテナンスも必要です。

無垢も同様なのですが、突板・挽板は天然の木材を使用しているので、フローリング材1枚1枚の色の濃さ・木目・節の入り方などが異なります。
それを「味」と思えれば良いのですが、施工してみたら「サンプルと全然違う」と感じてしまう場合があることも注意ポイントです。

シートフローリング

合板などの基材に、プリントしたシートを貼り合わせたフローリングです。
分譲マンションや建売住宅では、ほとんどの物件で標準仕様として使われています。

印刷されたシートなので、品質が安定していて色・柄のロット差がほとんどなく、「サンプルと違う~」ということがありません。
お手入れも一番ラクで、機能性に優れたシートフローリングが各メーカーから販売されています。

天然の木材の風合いはありませんが、最近では、印刷技術の向上により無垢に近い見た目の商品も出てきています。

まとめ

標準的な価格で比べると、リーズナブルな方から
シート < 突板 < 挽板 ≦ 無垢

天然の木材の風合いがあるのは
無垢 ≧ 挽板 > 突板 > シート

お手入れがラクなのは
シート > 突板 > 挽板 ≧ 無垢

「木材の風合いを重視」「細かいことは気にならない」「手をかけて家を育てていきたい」という方なら無垢フローリングをおすすめします。

「無垢に憧れるけど、反りや隙間が心配」という方には挽板フローリングを。

「シートフローリングは嫌だけど、予算は抑えたい」という方には突板フローリング。

「とにかくお手入れがラクな方がいい」「コストを抑えたい」「スチームモップや床拭きロボットなどを使ってお掃除する」という方にはシートフローリングがおすすめです。

見た目も大事だけど、毎日暮らしていくことを考えるとお手入れのしやすさも大事。
どちらをどのくらい重視するのかを考えてみると、最適なフローリングが見つかるかもしれません。
フローリング選びの参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?