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量産品?1000番台って?壁・天井の仕上げ材とクロス(壁紙)の種類について考えてみる。

今回は、インテリアのお話に戻って、壁や天井の仕上げ材とクロス(壁紙)の種類について比較検討してみたいと思います。

壁・天井の仕上げ材の種類

壁や天井の仕上げ材として代表的なものは・・・

・クロス(壁紙)
・塗り壁
・板張り
・タイル

でしょうか。その中でも、クロス(壁紙)は、コスト面と施工性で優れ、今の日本の住宅でもっとも使われている仕上げ材です。こちらは後半で詳しくお話します。

塗り壁は、漆喰や珪藻土、土などの自然素材を塗り固めた壁で、質感や塗り方による模様の美しさを楽しめ、調湿性にすぐれています。左官職人の技術が必要で、コストが高くなりがちです。AICAの「ジョリパット」などもこの分類に入りますが、施工性が良く色も豊富なので、漆喰や珪藻土などの伝統の塗り壁に遊び心が加わった塗材という感じでしょうか。塗り壁は汚れが拭きとりにくくお掃除が難しい点はデメリットとなってしまいます。

板張りは、無垢や合板の板を天井や壁に貼った仕上げで、ナチュラルな風合いを楽しめ、経年変化で味が出てくるのも特徴です。全面に貼るとログハウスっぽくて垢抜けませんが、壁一面だけのアクセントや、腰から下だけに張り分けたりとアクセント的に使うとおしゃれです。キッチンやリビングの天井にアクセント的に使用しているのも最近よく見かけますね。木材の種類にもよりますが、それなりのコストがかかります。

タイルは、耐久性や耐水性に優れ、床や外装にも使われる仕上げ材です。壁の仕上げに使う場合、小さめのモザイクタイルだとかわいく、大判タイルだと高級感が出るので、色だけでなくサイズによっても表情が変わります。「エコカラット」など機能性タイルも人気ですね。タイルも壁全面というよりは、アクセント的に使用されることが多いです。タイルの種類にもよりますが、クロス(壁紙)に比べるとコストはお高めです。

クロス(壁紙)の種類

今の日本の住宅で壁や天井の仕上げ材としてもっとも多く使われているのがクロス(壁紙)です。一般的なものならコストも安く、色・柄の種類が豊富で、施工にかかる時間も比較的短く、メンテナンスがラクなことが住宅メーカーで広く採用される理由です。

クロス(壁紙)にも、以下のような種類があります。

・ビニールクロス
・紙クロス
・織物クロス
・珪藻土・漆喰クロス
・木質系クロス

ビニールクロスは住宅で一般的に使われているクロス(壁紙)で、塩化ビニール樹脂などを主原料としたビニールシートに紙などを裏打ちして作られています。種類の多さやお手入れのしやすさがダントツです。お客様にもよく聞かれることで、「壁紙」っていうので紙でできていると思われがちなのですが、住宅で一般的に使われている壁紙はビニールクロスなので、硬く絞った雑巾での水拭きもOKです。

紙クロスはパルプが原料の洋紙を原紙としてプリント加工やエンボス加工されたクロス(壁紙)で、欧米で多く用いられる素材です。「輸入クロス」なんて言われているのがそれに当たります。国産にはない、大胆な色や柄使いの素敵なものも多いです。水に弱いため耐久性やメンテナンスの面では劣り、施工の難易度も高いです(クロス屋さんの腕が必要)。価格はお高めです。

織物クロスは平織・綾織などの織物や不織布を壁に貼れるように加工したクロス(壁紙)で、布ならではの風合いや質感の美しさが特徴です。種類はあまり多くなく、価格も高く、ホテルや店舗で見かけることはありますが、住宅に採用されることはまれです。

珪藻土クロス・漆喰クロスは、天然素材の珪藻土や漆喰を不燃紙の上に加工したクロス(壁紙)で、塗装したような風合いをリーズナブルに再現することができます。あくまで塗り壁の再現なので、本物の珪藻土や漆喰を塗装した壁と比べると、質感や調湿性では本物に及びません。

木質系クロスは、薄くスライスした天然木やコルクに紙などを裏打ちして作られたクロス(壁紙)です。突板フローリングの壁紙版という感じでしょうか(フローリングの種類については以下の記事でお話しました)。こちらも価格はお高めです。

「量産品クロス」「1000番台」って?

注文住宅やリフォームの打ち合わせなどでよく耳にする「量産品クロス」「1000番台」などは、ビニールクロスの種類を指す用語です。主に価格の違いでこう分けられます。

「量産品クロス」は色・柄の種類は少ないものの、お値段お安めのクロス(壁紙)です。コストパフォーマンスに優れ、厚みがあって貼り替えに向いていたり(下地の凸凹を拾いにくい)、長期継続品も多いため、賃貸住宅の壁紙は、ほぼこの「量産品クロス」です。分譲住宅でも、天井や収納内部だけ「量産品クロス」にしたりと使い分けることもあります。サンゲツだと「SP」、リリカラだと「リリカラベース」が量産品クロスを掲載したカタログです。

「1000番台」クロスは、各メーカーで最も種類が多く展開されている定価約1000円/mのクロス(壁紙)です。色・柄の種類も豊富ですが、消臭・抗菌・抗ウイルスやキズがつきにくいなどの機能性壁紙も様々に出ています。サンゲツだと「リザーブ」「ファイン」「フェイス」、リリカラだと「ライト」「Vウォール」「ウィル」などが1000番台を掲載している主なカタログです。輸入クロスなど高いものを使わずにアクセントクロスを選ぶなら、これらのカタログから選ぶと良いですよ。

以上、壁・天井の仕上げ材とクロスの種類についてお話してみました。おうちづくりの参考になれば幸いです。

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