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アウトプット型・インプット型の読書

仕事柄、本を読むことはよくあるのですが、その際、一冊二冊の本をじっくり読むというよりも、数冊、時には十数冊の本をざっと読む方法を行っています。この場合、「本を読む」というよりも「情報収集」に近くて、それぞれの本の中から仕事に関係するテーマが書かれている文章や図式を抜粋して集めています。

自分の場合、設定された期限に向けて限られた時間の中で資料を作らなければならない場面が多く、なかなか一つの本をじっくりと読んでいる時間がありません。そのため、上記のような情報収集に近い形で本を読んでいます。結果的にそれは「アウトプット型の読書」となっていて、僕の読書スタイルの基本形になっています。

インプット目的かアウトプット目的か

ただ、「インプット型の読書」を行わないわけではありません。読書を行おうと思った際にまず最初に行うこととして、これから行う読書を

インプットを目的として行うか、アウトプットを目的として行うか

決めるようにしています。

往々にして仕事関係で行う読書が多いので基本的には「アウトプット目的」の読書になりがちですが、アウトプット目的の場合は、最終的に仕上げるアウトプット(プレゼン資料や報告資料、noteの記事など)を設定します。そのアウトプットを仕上げるための読書となります。

アウトプットがない場合はインプット目的で読書を行います。ただ、インプットといっても「この本を読んで経済についての知識を深めよう!」とか「本を内容をすべて理解するぞ!」などと、すごく意気込んで読書を始めることはありません。もし意気込んで読書をしたいのであれば、インプット型ではなくアウトプット型で行うべきと考えています。

研修講師をするくらいの気持ちで

例えば、ある研修を受講したとします。その研修参加者の中で、最もインプットが多かった、多くの学びを得られた人はどういう人でしょうか?受講者の中で、最も気合いを入れて参加してきた方でしょうか?最も集中して講師の話をずっと聞いていた方でしょうか?その答えは

研修に登壇した研修講師

ではないかと思います。

講師をされる方は、話されるテーマに関する知識を様々な観点でインプットされていることでしょう。「マーケティング」というテーマの研修を行うとなった場合、マーケティングの基本的な理論はもちろんのこと、事例研究のための業界知識や技術知識、サービス知識、インターネットを活用したWebマーケティング、分析手法やフレームワーク、戦略の描き方、事業計画の書き方、消費者心理、プロモーション、コピーライティング、価格設定のことまで考えると財務・会計についても学ぶ必要があるかもしれません。

すでに同じテーマを何十回、何百回と話しているようなベテランの講師であれば、新たにインプットすることは少ないかもしれません。しかし、そんなベテラン講師も毎回同じことを話しているからこそ、そのテーマに関するインプットがさらに強固なものになりますし、毎回違った受講者の発言や理解度、リアクションなども大きなインプットになっていることでしょう。

アウトプット型の読書を行う場合は、このくらいの意気込みを持って読書を行うようにしています。

インプット型読書は「気楽な気持ちで」

では、僕が行う「インプット型の読書」とはどういうものか?というと

ゆったりしたリラックスな気持ちで行う読書

と考えています。この場合、インプットしたからといってちゃんとアウトプットしようとは考えていません。純粋に「本を読むことを楽しもう」と思っています。ゆえに、インプット型読書にはルールはなく

時間など気にせず朝から晩まで読み続けることもある
数分で終わることもある
途中で別なことを始めて、また読書に戻る
別なことを始めてそのまま読書に戻らないこともある
ここまで読もうというページ数や章なども決めていない
夜寝ながら読んでて、そのまま眠っちゃうこともある
最初の数行に書かれていることが気になって、そのまま没頭してしまう

といったことが日常茶飯事なのですが、本が読み進まなかったとしても全く気にしていません。

アウトプット型読書は、ゴールや期限、アウトプットとなる資料などが決まっていることが多いために、気合も入りますし緊張感もあります。めちゃめちゃ考えます。脳をフル回転させながら読む感じですね。

一方、インプット型読書は、脳というよりも心で感じながら行っている感覚です。手に取った本をパラパラとめくってみたり、表紙やタイトルに惹かれたりして「この本を読みたい!」という強い感情が芽生えたら読むようにしています。

状況に応じて読書を楽しむ

本を読むことに慣れている方々であれば、たとえ難解な文章であっても何百ページの本であっても、苦慮することが少なく本を読めるのだと思います。しかし、本を読むことに慣れていない方々で、本当は本が読みたいのだけれども時間がかかりそうだから中々手が出せないでいるとか、本を手にしたら全部読まなければいけない、と考えていらっしゃる方ももしかしたらいるかもしれません。

僕の場合、アウトプット型もインプット型も、いずれの読書方法も一冊の本を通しで読み続けたことはほとんどありません。速読力もないので読むのは遅い方だと思いますが、「速く読めるようになりたい」という願望がありながら速読力がなかなか身につかなかった自分としては、読むのが遅い特徴を活かせる方法はないか?と考え、今の方法に至っています。

本というのは、「本」という形で著者の知識や理論、考え、空想などが体系化されており、かつ出版社の検閲を踏まえて一定の評価された状態で売られている商品ですので、インターネット上に氾濫している情報よりも精度が高い情報がまとめられたメディアと言えます。「体系化されている情報」という点で僕は本が好きで、気になる本があればすぐに買ってしまうのですが、あまり読まずに「積ん読」状態が蓄積されてばかりいます(笑)

しかしそれでも本を読み続けていきたいと思いますし、本を読む際には状況に応じてアウトプット型かインプット型を決め、アウトプット型であれば一定の気合いを入れて、インプット型であれば逆に気楽な気持ちで読書を楽しみたいと思います。



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