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9月部門先行講評(みこちゃん記事)~Norikoさん分

THE NEW COOL NOTERコンテストにご参加、ご応援をいただいている皆様。
8月のエッセイ部門もいよいよ本日で募集が終わり、9月度「食育・子育て・おいしいもの」部門へと移っていきます。
(現在、先行募集期間中!)

先日、私達THE NEW COOL NOTERで考える「食育・子育て・おいしいもの」に関するエッセイとはどのようなものであるか、審査委員をつとめてくださっている3名より、それぞれ寄稿をいただきました。

本日は、さらに実際に皆さんに投稿いただいた記事に対する講評が、それぞれどんなイメージになるのかについて、みこちゃんのお料理記事をまな板にのせて、講評イメージについて掲載させていただきます。
(この記事は、Norikoさんからの寄稿です)

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「料理」は日々生活の中で、食材や調味料と人の手と対話から生まれた、生きるべき形で、「食」は生存や文化の方向を示す船の羅針盤】の【Noriko】です

薬膳と言うと、
やたらと難しくて
赤い引き出しのめちゃくちゃ付いた薬箱の中から、からからに干からびた何が元だったか分からないような物を「ほれ、身体にいいから」みたいに食べさせられる様なものとイメージしてしまう…。


とにかく「美味しくなさそう」だし「何がはいってんの?」と言う料理の数々をイメージしがちな薬膳を、いつも齧っているスイカも胡瓜もトマトも、飲んでいるコーヒーも全てひっくるめて”薬膳”なんだなと、イメージのちゃぶ台返しをされる記事です。

みこちゃんがこの陰と陽の太陰太極図を
世の中の調和と、表現したのは「上手い!」と膝を叩きました。

さらにそこから、地球の公転、自転へと広がり、春夏秋冬、朝昼夕晩へとイメージをしたイラストがとても分かりやすいです。

みこちゃんが描かれた図がこちら。

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陰陽五行の詳しい説明として「陰陽」は世の中すべての物事は陰と陽に分けられるという考え方があり、お互いは対立しながら影響し合うものとされています。「陰」は暗い、冷たい、重い、湿る、「陽」は明るい、暖かい、軽い、乾燥であると言う考えがあります。
これだけ読んでも難しいなと思いますが
イラストを見ると
朝になれば日が昇り、夜になれば沈んでいく太陽の動きがまさに陰陽を表しており、「陰」と「陽」のイメージも一目瞭然ですね。

しかも言葉だけでは、「陰」のイメージは悪く捉えがちですが、イラストから、どちらかの曲線(バランス)が偏ってしまっても身体にはよく無いんだなーと言う事が良くわかります。


朝は身体が目覚めたように
臓器も脳も「さぁ1日の始まりだ!」と言わんばかりなので、スロースタート。
昼間はアグレッシブに活動するので、ちょっとヘビーな高カロリーのもので身体を応援してあげて、また夜は身体や脳を休めるために、優しいものや、1日を通して不足したかなと言う食材を補ってあげる。 
1日の流れが春夏秋冬という季節への流れにも
通じている事を視覚的に理解する事が出来ます。

じゃぁ、その食材がどんなものなのか、いつに何を食したらよいのか、それもイラストで分かりやすく紹介されています。

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文字がつらつらと書かれているものより、イラストによって、分かりやすくしている工夫に、みこちゃん自身が「食べる」という事で苦労を経験し、それから薬膳や食に対しての想いを、多くの人に知ってもらいたいと言う強い想いと優しさを感じました。

「薬膳五行」の理論的側面と言いながらも、興味を引く記事なのはスッキリさにあります。

説明がシンプルでカラフルなイラストで分かりやすい、みこちゃんの記事に反し、
例えば、
自然界を「木、火、土、金、水」の5つの物質に分けて考える事、それに対応する、五性「寒性、涼性、平性、温性、熱性」、人体における五臓「肝、心、腎、脾、肺」、味覚の五味「酸味、苦味、鹹味、甘味、辛味」、それに付随し関係する季節などを文字だけで説明されたら
読む気が失せてしまいますし、
やっぱり薬膳は自分には遠いなとなってしまうでしょう。

薬膳への入り口を
みこちゃんのイラストによって、すっきりと広げてくれているなと思いました。

せっかくなので
少しマニアックな話をしたいのですが、
薬膳は、中医学と言われる中国で育くまれた深い知恵と歴史ある伝統医学の一つです。

人体内部では様々な要素が関連し合っており、
更に人と自然界や環境とも相互に関連し合っていると言う思想の元に、現代では予防医学にあたる「未病先防」の考え方が根幹にあります。

「未病先防」とは、未だ病気までに至らない、様々な不調や症状が見られる未病の状態を把握し、本格的な病になる前に対策をとることを言います。
現代で言われる「ホリスティック医療」の原点とも言えますね。


中医学では病気や症状に合わせて、必要なものを必要な分だけ組み合わせます。
中医学は、漢方薬・鍼灸・按摩、薬膳(養生)、気功などの部門があり広範囲に渡っていますが、病気の治療においては、扶正祛邪の治療方針が核としてあります。

「扶正祛邪(ふせいきょじゃ)」とは、不足しているものを補い、身体にとって有害なものを取り除くことを言います。

具体的に言うと、化学薬品や放射線などで攻撃したり、外科的手術で取り除く(祛邪)のではなく、もともと持っている免疫を回復させて自らの守る力(扶正)で病気を治すことです。

この優れた点は副作用がほとんどなく、病気を治療することが出来る点です。時間をかけて悪くした病気は、自分の身体を回復させていくことがとても大切な治療法と言えます。自然由来の知恵と力を以って、人を自然に癒し調和した状態に整えていく、
これらが薬膳という考えの方の中に活かされています。

イラストの真ん中のグリーン部分が、『中庸』と言われるで、心身ともにバランスが取れた状態を表しています。

「気」「血」「津液」のバランスが崩れた状態を、薬膳(たべもの)で調整し、バランスの取れた「中庸」へ体を戻します。

不調を感じたら、先ずは正しい状態へと導く食性を持つ食物でバランスを整えることが大切で、
私たちが毎日当たり前のように行っている「食」と言う行為は、健やかさや美しさを保つための基本なのです。

イラストにある食材を見ても
薬膳がら私たちの日常生活の中にあり、とても身近で心身に優しいものだと分かります。

また、食以外にも色や季節、味覚との関わり合いもよく分かるイラストです。
『陰陽」や「五行」と言う、ちょっと手にし難い事が優しく描かれてあるのです。

どうしても薬膳と言う言葉の前に、頭で考え、頭で食してしまうところですが、本質的な事は、ナチュラルに季節を肌で感じながら食する事の大切さなんだ、と言う事を再確認出来る記事でした。

よく食べ
よく寝る事。
このバランスの必要性も、もしかしたら〆の絵本でさりげなく伝えてくれているのでしょうか。
みこちゃん、それだったら、ナイスなオチです。
最後まで膝を叩きました。

薬膳への入り口の記事として読みやすさ抜群でした。
ご応募頂き、ありがとうございました😊

森羅万象の居場所を作る【Noriko】が講評しました

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