熊野の表情・・大地のエネルギーが満ち溢れる清浄なる聖域「大斎原」
大斎原。おおゆのはらと読みます。
大斎原は地名で熊野本宮大社の旧社地。
熊野は、滝、岩、川、樹木などを神として信仰してきた自然崇拝が起源。
その自然崇拝の地である熊野に、神々は大斎原にある櫟(イチイ)の木に三体の月となって降臨しました。
真ん中の月は熊野本宮大社の家都美御子大神(素戔嗚尊)であり、両側の月は熊野夫須美大神(伊弉冉尊)と速玉之男大神(伊弉諾尊)でありました。このことより、崇神天皇65年(紀元前33年)、今から2057年前に大斎原に熊野本宮大社の社殿が創建されました。
熊野詣は、ここを先ず目指したのです。
江戸時代までは、周囲を川で囲まれている大斎原には、橋はなく参拝者は必ず音無川で水垢離をしてからのご参拝でした。古地図は江戸時代のもので橋が架けられています。
妖幽な原生林のなかで、周囲を川に囲まれた特異な森を持つ大斎原は、まさしく神の棲まう場所であったのです。
川=水に囲まれているということは、浄化された清浄な土地を意味します。
明治22年の大洪水により社殿は流出しましたが水害を免れた上四社を現在の熊野本宮大社に遷座しました。
これは、急激に進んだ山林の伐採により山の保水力が著しく低下したものであきらかに人災といえるものです。
その証拠に大斎原に熊野本宮大社が建立された明治22年までの約1900年間は、こんなことはなかったのですから。
大斎原の表情
大斎原がみせてくれる神々しい表情をマンスリーで紹介します。
January
川に囲まれた大斎原は、晩秋から早春にかけて青天の朝霧がよく発生します。白霧から青天に変わる瞬間は幻想的で神々しい。
February
熊野は、紀伊半島南部にあるので南国ですが、山間部の本宮の冬は厳しい。
たまに、ドカッと雪が降ることもありますが、カメラを持って大はしゃぎ・・です。
March
3月の大斎原は桜が参拝客を迎えます。なかでも堤防の一本桜は、ヒロインです。
April
大斎原にある木々は新緑のシーズンを向かえます。熊野の神々が降臨した櫟(イチイ)の木は今はないですが、熊野本宮大社の始まりの時代は自然林で覆われ自然のエネルギーが充満したところだったのでしょう。もちろん今もそうですが!
May
熊野の田植えは早く、お盆前後に稲刈りをします。4月には水を張りゴールデンウィークには田植えを行います。
大斎原前の水田は、水鏡となり日本一の大鳥居のリフレクションが楽しめます。
Jun
三越峠からの大斎原。ここは大斎原がその場所にできた理由がわかるところ。最もお気に入りの場所。この日は6月らしく霧と緑の田んぼです。
July
五穀豊穣は、自然の恵みに感謝をするというそもそも全ての日本人が持っている祈り。神社のお祭りのなかでも最も重要な祭りです。
クリスマスやハロウィンなど海外の祭りが定番になることはいいと思いますが、日本には、五穀豊穣を祈り、自然の恵みに感謝をするお祭りがあることを知って、若者が率先してこのお祭りを全国で継承してほしいです。メディアのみなさんもこんな観点を持ってくれたらうれしいです。
自然の恵みに感謝をすることを忘れないようにしたいですね。
August
真夏の夜空は、大斎原の真上にいい形で天の川が現れます。
熊野本宮には、満天の星空があります。
星のささやきを聞くひとときを!
September
大斎原の河原に囲まれています。(今は一部田んぼ)
南側の河原は、すぐに行けるので今流行りのアート「ストーンバランシング」がいっぱいです。
大地のエネルギーを感じながらやってみてはいかがですか。
October
10月は大斎原の木々は、落ち着きを見せます。
苔、落葉、茸、新芽・・自然の恵み。
この木に呼ばれたような気がしてシャッターを押してました。
November
秋になると空気は澄み、青い空は限りなく青い。
さらにいろんな雲が演出をしてくれます。
この季節の大斎原はさらにスピリチャルになります。
December
大斎原は、熊野の山々のなかで四方を川(水)に囲まれた清浄な聖域。
七越峠に登れば(車で近くまで行けます)、それが一目瞭然にわかります。
熊野のことをもっと知りたいという方を案内したところがこの場所。
何人もの方がこの景色を観て涙したのもこの場所。
熊野本宮で、最高のお薦めスポットです。
熊野に行けばここに行け!!です。
簡単に紹介しましたが、大斎原は
いかなる瞬間も神々しさを見せてくれます。
一歩足を踏み入れるとそこは大地のエネルギーが満ち溢れる聖域。
大斎原で何かを感じてほしいです。
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