「熊野とは」overview①
熊野とは①~⑥で
・熊野が熊野にある理由
・熊野が聖地になった理由
を紹介しましたが、もっと短くというお話もいただいきました。
概要版をお届けします。
熊野がそこにある理由・・それは大地の営み
熊野は和歌山、奈良、三重の3県にわたる広大な面積を持つに日本最大の聖地。信仰の中心は、和歌山県にある熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、那智山青岸渡寺)です。
紀伊半島には、
・自然崇拝の聖地 「熊野」
・仏教の聖地 「高野山」
・修験道の聖地 「吉野・大峯」
・神道の聖地 「伊勢神宮」
があります。古には紀伊半島は神の領域といわれ、4つの聖地が今も存在するところは他にありません。
熊野と都、高野山、伊勢神宮を結ぶ道が「熊野古道(熊野参詣道)」(吉野・大峯へは大峯奥駈道)です。
ちなみに熊野の「熊」は、隅、端(すみっこ)・・上座・・神の座という意味といわれています。
だいたいのイメージマップは下記です。
大地の営み
今から約1400万年前とも1500万年前とも言われますが、世界最大級のカルデラ型の噴火が熊野で起こりました。(この噴火のため地球の温度が10℃以上低下し大量絶滅が起きたとのこと。)「熊野カルデラ」といいます。熊野カルデラの火山活動によって放出されたマグマに由来する岩体が聖地「熊野」を生み出します。
長い年月の浸食によりその形跡は明確ではありませんが、その後の隆起などの地殻変動による独特な景観が人々を圧倒します。
古来より日本人は岩、滝、川、巨木などを崇拝してきました。
熊野はその圧倒的な景観と自然現象に人々は畏敬を感じ「神が宿る」「神が棲まう」地として崇拝されてきたのです。
まさに熊野は自然に感謝し、愛してきた日本人の心の原点というべきところです。
詳細は↓↓↓
神として祭祀する
紀元前後になると具体的に岩、滝、川、巨木などを「神として」にお祀りをするようになります。
大斎原|熊野本宮大社
熊野本宮では、紀元前の第10代崇神天皇の時代に、熊野本宮大社旧社地の大斎原の櫟(いちい)の巨木に三体の月が降臨しました。その三体の月の真ん中が、熊野本宮大社の主祭神である家都御子大神(素戔嗚尊)であり、両側の月が熊野速玉大社、熊野那智大社の速玉大神(伊弉諾尊)、夫須美大神(伊弉冉尊)でありました。このことにより熊野本宮大社の社殿が大斎原に創建されました。(紀元前33年)
なぜ大斎原に神が降臨し、社殿ができたか?それは大斎原が、熊野川、音無川、岩田川の3つの川に囲まれているということです。水に囲まれていることは、すなわち浄化された清浄な場所。
本宮は、水、川、樹木、山が信仰の中心です。
ゴトビキ岩|熊野速玉大社
神倉神社は、ゴトビキ岩を神としてお祀りし、熊野の自然信仰の中心の一つです。そのゴトビキ岩に熊野の神々が降臨され、その後(西暦118年頃)現在の熊野速玉大社に新しい宮を造営し、新宮と号しました。新宮は、「神倉神社に対する新しい宮」ということです。
熊野速玉大社の主祭神は速玉大神(伊弉諾尊)と夫須美大神(伊弉冉尊)。速玉大神は、生命の根源である水の動き(水玉)を神格化したものであると考えられています。
2月6日の斎行される御燈祭りは、1000人を超える白装束の上がり子が松明を持って走り下る様子は勇壮な火祭りとして有名ですが、例大祭(10月15日16日)には御船祭りや御旅所神事などさまざまな古儀の儀式が斎行され、特に夕刻の御旅所神事は幻想的な空気に包まれるまさに神秘的な神事です。
熊野のお祭りは、水、川、岩、樹木、山など神々が棲まう熊野の自然が背景となるもので感動せずにはいられません。
那智の滝|熊野那智大社
那智の滝は、高さ133mで一段の滝としては日本一の高さです。今は、熊野那智大社摂社飛龍神社に大己貴神としてお祀りをされていますが、社(やしろ)はなく直接、那智の滝を拝礼しています。
元々は飛龍神社(滝前)で滝の神さまと熊野の神々がお祀りされていましたが、317年に現在の熊野那智大社に遷座しました。熊野那智大社の主祭神は、夫須美大神(伊弉冉尊)です。
火祭りで有名な那智の扇祭り(毎年7月14日斎行)は、遷座された熊野那智大社の12柱の神さまが年に1回、滝元に里帰りをして滝の神威をいただき、さらに五穀豊穣を祈り自然の恵みに感謝をするお祭りです。(神さまのリフレッシュですね笑)。
那智の滝は、神さまたちもパワーをいただく超ウルトラスーパーパワースポットなのです。那智は水、滝が信仰の中心となっている場所です。
熊野には、自然をお祀りする神社がたくさん。
熊野には岩、川、木、島などをお祀りしているところがたくさん残っています。
エネルギーが満ち溢れています。
詳細は↓↓↓
熊野には、圧倒的な自然があり、それを崇拝しお祀りをしてきたことが熊野が聖地となっていく大きな理由です。
熊野で無社殿神社を訪ねること、それは熊野の真髄を感じること!
だと思っています。
★これまでの記事は各マガジンに収納しています。
こちらもよろしくお願いします。
マガジン「熊野とは」 ↓
マガジン「coolなkumano」 ↓
マガジン「HOTなSHIRAHAMA」 ↓
■撮影許可が必要なところは許可を得て撮影しています。