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【アゼルバイジャン暮らしの日記】冬休み最終日。

2024年1月6日

休暇最終日。(なぜだか日曜から出勤の、今年のアゼルバイジャンの年末年始休暇カレンダー)。

今日のうちに済ませておきたい用事をあれこれと。夫に車を出してもらい、大きなスーパーマーケットに出かけて、重い食材をまとめ買い。朝の開店直後スーパーマーケットはとても気分がいい。空いているし、品物は補充されたばかりだし。果物と野菜をたくさん買って、牛もも肉と鶏むね肉、牛乳と豆乳、鯖の缶詰などをカートに入れた。猫の気に入りのえさもセールだったのでまとめ買い。それに洗濯洗剤だの、シャンプーだのも買う。良い牛もものかたまり肉があったので、ローストビーフにしようかな。肉はカウンターで対面販売なので、肉屋のおじさんに今日のおすすめ(新鮮なやつ)を訊ねて買う。カウンターの向こうで、骨付き肉を斧でぶつ切りにしてくれたり、ひき肉もその場で作ってくれるし、いろんな肉の料理のアドバイスなどもしてくれる(その場合には、隣のチーズ売り場のマダムが加わってくれたりも。「うちのレシピはね…」)。牛もものかたまりは1キロちょっとだった。鶏むね肉も1キロぶん頼む。不思議と、肉は男性が買いに来ることが多くて(良い肉を選べるというのは家長の誇りなのだ)、カウンターにはいつも男性が集まっている。

いつものお兄さんが車まで荷物を運んでくれた。チップを渡してあけましておめでとう、と言う。店先で花売りのチョーチャがもう水仙を売っている。

ローストビーフは和風で食べても美味しい。今日は、ぽん酢とラディッシュおろしで。山葵醤油も好き。

家に帰って、あれこれ仕込む。私の作るローストビーフは、低温調理の湯煎式なので、楽ちん。肉を仕分けると、牛すじがけっこう取れた。(作ったことはないけれど)牛すじの煮込み(土手煮?)にしようか。赤ワインでことこと煮てもいいね、近いうちにシチューも作ろう。ブロックに切り出した牛もも肉は、塩はせずに保存袋に入れて、60℃で2時間保温。室温に冷ましてから、食べる直前にフライパンで焼き目をつけて、切り分ける。ロゼ色のきれいな断面があらわれると、しめしめ、と思う。

ついでに鶏むね肉で、サラダチキンも作る。こちらは砂糖と塩とおろしにんにくをまぶして少し置いて、同じく保存袋に入れて60℃で2時間。塩味は薄めだから、よだれ鶏とか棒々鶏にも使える。しっとりしていて美味しいから、そのままサンドイッチにしてもいい。白いごはんのおかずなら、さっぱり葱とぽん酢をかけても。

私は、マルチクッカーという、電気圧力鍋にもなるしスロークッカーにもなるし、低温調理もできるし発酵にも使えるという調理器具(アメリカだとインスタントポット、という機種が有名)を使っていて、とても重宝している。温度と時間が設定できるので、低温料理も煮込みも、火加減を気にしないでほったらかしにできる。丸鶏でスープストックを作ったり、豆を煮たり、ごはんも炊けるし、今日みたいにローストビーフもできる。こういう手の込んだ家庭料理らしい煮込み料理をしていると、自分が良い主婦になったような気がする(暮しの手帖的憧れの生活)。実際は、コンロ周りも汚れないし、全部食器洗い機で洗えるので、手間がかからなくて至極楽ちん。アメリカの主婦に人気な理由がわかる。

この美しさを、心に留めておきたい。Facebookにかろうじて残っていた1枚。

料理をしながら、日記を書いたり、旅行の写真を整理したりする。2007年くらいからの写真は、だいたいクラウドにも保存していたはずなのだけれど、2015年に能登を旅した写真が抜け落ちていて寂しい。あの美しい姿を、もう一度見たかったのだ。棚田や塩田や朝市の写真を。代わりにインスタグラムで、日本の写真家の方の作品を探した。日本の景色は、日本の空気の色だ。湿度が高くて、穏やかな、緑の深い色合い。見慣れた町の色彩、屋根の瓦の色、そして電柱と電線。郷愁というよりも、改めて美しいと思った。

トビリシのクリスマスマーケット。

それから、先週のジョージア旅行の動画を整理して、インスタグラム用の短いビデオクリップを作る。最近の楽しい趣味。音楽に合わせて、映像を繋いでゆくのが楽しい、自分だけの小さな世界を創ってゆくみたいだから。年末のトビリシは、クリスマスの華やかな雰囲気に満ちていた。スーパーマーケットにはご馳走の食材が並んで、街角ではチチラキという木製のクリスマス飾りが売られ、広場にはクリスマス・マーケットが始まっていた。家族連れや若者たちがこぞって集まっていて、華やかな祝祭の気分を楽しみに私たちも毎晩出かけた。そうだ、今日はユリウス暦のクリスマス・イヴ。

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