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開店しました、そして3月振り返り

東京都武蔵野市にあるなりわい賃貸住宅hoccoにて、惣菜スタンドSoilというお惣菜のテイクアウト&立ち飲みができるお店をオープンいたしました。

3月10日にプレを、3月15日に本オープンを。

正直、バタバタし続けててそのままスタートで走り出してしまった感。

オープン前のことと、初月だった3月の振り返りをしていきます。

hoccoについてはこちらのnoteに書きました。


オープン日をなぜ3月15日にしたか

オープン日の決め方、これは完全に縁起のいい日ということで決めました。(自分の誕生日に1と5入ってて数字としての親近感があったのも大きい)

あまり縁起を気にするタイプではなかったんだけど、経営者の先輩たちを見るにそういうことを大事にされている方が多い印象を持ったので、自分も大事にしていこうかな…と。
あとは単純に縁起がいいならあやかりたい精神ですw

プレオープンどうする問題

じゃあオープン日は3/15にするとして、その前にプレやる…?と考えて。
飲食店がプレオープンをする目的って色々あるかとは思うけど、Soilの場合は
・オペレーションの練習と確認
・仕込みにかかる時間の把握
・農家さんへ野菜の買い出しに行くためにかかる時間の把握、野菜の内容の確認
・お客さんへのお披露目
・足りない部分を本オープンまでにカバーする
あたりかな?と考えました。

そして誰に向けて行うか?ということもいくつか案があり
・hoccoの住人オンリー
・知り合いオンリー
・制限かけずに誰でもウェルカム
の3パターンで、初めは知り合いオンリーにしようと考えていました。

というのも、絶対に余裕がないことは見えているし不備もあるはず…その状態を初めてお会いするお客様を接客しながら乗り越えるってハードル高いし、ぶっちゃけ初めてのお客さんに格好悪いところは見せられない、という考えからでした。
けどそれって知り合いになら醜態晒しても許されるんじゃないか、という甘えなんですよね。
あとは知り合い限定でプレオープンしているお店に対して、疎外感を感じたことがあったのを思い出して。
この立地(https://maps.app.goo.gl/Ru56tRZ5gRpNQm3Q7)(まわりが住宅街で、人と人との距離感が近い)で内輪感出してるお店、自分だったら感じ悪りぃ〜〜と思って行かないわ…と思い直して、誰でもウェルカムにすることにしました。

結果うちの店ではそうして正解だったように思います。

「プレだから盛り上げに来て!」とお願いせずとも何人かの知り合いの方が来てくれて、かつhocco住人の方々、初めてお会いする近隣住民の方々、かなりいいバランスで集まっていただけたなあと感じてます。
お客さん第一号はhoccoの住民の方。オープンになった瞬間に扉を開けてくれました。
何人もの方に「ずっとオープン待ってました!」というお声がけをいただいて、本当に励みになりました…ほんとにありがたい。

写真もお客さんが撮ってくれていました。感謝。

プレの反省点としては
・本当に時間がなさすぎて(今まで何をしてたの…?)メニューが雑い手書き、ワイン日本酒は内容の記載ができなかった
・レジ登録が間に合わず支払い方法が現金のみになってしまった
・メニュー等を記載したA看板が準備できなかった
など…完全に詰めが甘い。

なんでそんな時間がなかったのか?を考えると、メニュー内容を直前まで決め切らなかったことと、仕込みでうまく並行調理できなかったのが大きくて。
オーブンとガスコンロと低温調理機…というように異なる熱源で並行して調理することが調理をうまく時短するコツかと思うのですが、そこを組み立てる脳のキャパがなくなっててね…ちょっと無理でしたね。
恥ずかしい話なのですがプレ前日は睡眠2時間、本オープン前日は徹夜という有様でした…。

さすがに2日目以降は少しずつうまく組み立てられるようになって「寝られない!」という事態にはなっていないですが、それでもいまだに毎日オープン前はめちゃくちゃバタついてます。
というのも惣菜店はほぼ全ての商品をオープン時間に出来上がった状態で用意しておかなければならない。当たり前なのですが。
なるべく出来立てに近い方がいいと考えると、オープン時間ぴったりに全ての商品が出来上がるのが1つの理想です。
仕込みのボリュームのバランスを考えてメニュー内容を決めたり、
週2休みにして、休み(仕込み)→2日営業→休み(仕込み)→3日営業→休み(仕込み)…というサイクルにしてワンオペでの営業をなんとか回しています。

無事にグランドオープン、お客さん第一号は

3/15は(徹夜しつつも)無事に時間通りオープン。
風がめちゃくちゃ強くてあまり人が歩いていない日でした。
そんな中に来てくれたお客さん第一号は、7年前に異業種から料理人としてキャリアをスタートさせたいと考えた私を、キッチン未経験ながら社員として雇ってくれた株式会社離島キッチンの当時社長だった佐藤さん。

私は調理師専門学校を出ていないし、生え抜きで飲食業に従事していたわけではありません。コンビニと食品メーカーの2社の社員を経てから本格的に飲食業に身を投じました。

今でも面接の日のことをよく覚えてます。
神楽坂の赤城神社でお参りしてから行ったこと、面接で開口一番「今までの人生のこと話して」と言われて面くらったこと、すぐ採用の連絡が来て嬉しかったこと。

いわばこの店が出来上がる道の一番初めに扉を開いてくれた人。
かつ、この日自らオープンの手伝いを名乗り出てくれた方がいて、その方も離島キッチン時代に一緒にキッチンで働いていた人でした。

佐藤さんたちのおかげでリラックスしたオープン日
6年前、ありし日のワタクシ…

「あの時のことが全部繋がってるんだな…!」と、結構感動いたしまして。。
本当にありがたいし、不義理はできねぇなあと身を引き締める思いでした。


2回のイベントやらせていただきました

そして3月は2回イベントがあり、hoccoの事業主である小田急バスと管理会社のブリースタジオが主催で行う『おてせいなりわい市』、そして今年の2月から四谷で『シューイチバー』と銘打ち、週に1回ワインバーを行ってるますたやさんとのコラボイベント。

おてせいなりわい市は桜の名所であるこの場所の特性を活かした、いわゆる桜まつり的なマルシェで、地元の農家さんや手作り雑貨、ワークショップ、キッチンカーなど出店者さんがたくさん来ます。
hocco内での開催なのでhoccoの店舗ももちろん参加。

昨年1000人以上来場した!と聞いていたのでしっかり気合い入れました…!
特別にミニオードブルセットを作って外で販売。
あとはお酒のテイクアウトができるようにビール、ワインをガンガン発注かけて。

特別価格で提供!

ですがご存知、桜の開花が例年より遅れたこと、また曇りで気温も低めだったことから来場者数はそこまで多くはありませんでした。(昨年の半分ほどだったとか)
オードブルセットの売れ行きは8割、お酒に関しては知り合いが来て飲んでくれた分を除くと片手で数えられる程の客数…。

天候は仕方ないとして、個人の反省としてはオードブルセットの告知をもっと早くしたほうがよかったなということ。
当日にインスタで告知をしましたが、せめて写真つけて3日前には知らせていけばよかったなーと思いました。
あとはお酒が全然売れなかったのがね。ホットワインとか温かいメニューも用意すればよかったかな。
お酒飲める場所というイメージがまだないんだろうなとは空気で感じました。今まで常時お酒を提供するお店がhoccoにはなかったので。
あと周りにもお酒を飲める場所がない。
これはじわーっと知っていってもらうように日々の地道な発信が必要そう。

そしてますたやさんとのコラボイベント…!

ますたやさん、ワイン界隈で主に3000円台の美味しくてデイリーに飲めるワインってこんなものがあるよー楽しいよーと発信されている方です。
去年の秋頃?に確かnoteのおすすめでますたやさんのことを知って、文章から伝わってくるワイン愛とますたやさんご自身の人柄に惹かれまして、2月から開催されているシューイチバーへ参加してみたところからご縁が始まりました。

イベントの内容はフランスの5地域の郷土料理とその地域のワインを合わせる、カジュアルなペアリングイベント。
ますたやさんが毎週やっているシューイチバーの進化系といいますか、私が作ってお渡しした料理に合わせたワインをシューイチバーにて提供、という形でした。
私の方は自分のお店の営業があったので実際に足は運べなかったのですが、ワインのセレクトが気になるものばかりで本気でお客さんとして参加したかった…!

コック・オ・ヴァンを盛っている最中

しかし開催前日、事件が起きてしまいました…。
カヌレが、ちゃんと焼けないのです。事前の確認ではうまくいってたのに。

事前にうまくいってたカヌレ
失敗カヌレ。条件変えて3回焼いたけど解決せず。
様子がおかしい

3度焼きましたが、全てダメでした。
ギリギリまで試していて、最後に焼き上がったものが失敗だとわかった時点でますたやさんへご連絡…。

ますたやさんの優しい言葉に少しだけ心が軽くなりかけましたが、プロとしてお客さんを裏切る形になってしまったことを重く受け止めなくてはなりません。
言うまでもなく1回1回の仕事が真剣勝負で、失敗はあってはいけないこと。プロなのだから。
クオリティもさることながら、人の口に入るものを作っているのだという自覚を今一度強く持つべきだと思いました。

あとは集客という一番大変なところがほとんどますたやさん任せになってしまってたことも反省すべき点で…。
私の方では店舗でのお声がけやインスタでの告知をしていましたが、こちらから参加者を出せず、全然協力できずに不甲斐ない気持ちでいっぱいでした。
イベントやるなら自分とするメリットを感じてもらわなくちゃダメだと思うのですが、今回全然メリットを与えられなかった。

本当に、自分のダメさに嫌気がさしました…こんなことがあったので公開するのが恥ずかしくて、本当はこの振り返りnoteも書きたくなかった。
けどこんなことがもう無いように、戒めという意味で公開します。


3月の会計(公開できるところだけ)

営業日数14日(プレ含む)
原価率 37.5%

棚卸、面倒だけどしたほうがいいのかなあ、なんて思いつつ3月最終日にしてみましたが、やってよかった。
食材の棚卸は大変(かつ日持ちする食材を大量に所持してるとかはない)のでチーズ・サラミ類以外は除外したんですが、それでも「えっ、ウチの原価率、高すぎ…?」と気づきました。
原価率上げてお客様に還元しているタイプだったらよかったんだけど、どちらかというと食材の仕入れ方法に問題あるかも、と思い至ることができて。
仕入れ先の選定が安定していなかったところ、多めに仕入れて少なからず食材を無駄にしてしまっていたことがあったなと。 
4月は仕入れの仕方に気をつけます。

オープン前で色々購入しているので経費が高くなり、利益はマイナスに。まあこれは仕方ない部分も大きい。

売上は目標値は達成、理想値は未達でした。
(売上の金額は①最低ライン値、②目標値、③理想値の3パターンで年間計画を立ててます。)
でも目標値は達成したとは言っても、仕入や経費でそれ以上に使ってたら意味はないと、頭ではわかってたけど本当の意味で実感。お金の使い方にシビアにならないと。


ワンオペ営業の所感

そして思ってた3倍以上にワンオペ営業は大変ですね…!

色々とうまく組み立てないと回らない。仕込みしてたら店の掃除、セッティングはできないのよ。だから毎日毎日バタバタ。
自分で営業してみて、心からの実感をこめて世のワンオペ店店主さんたちのことを心底尊敬するようになりました。

それくらい大変ではあるけど、一方で私がずっと欲しかった「仕事が自分ごとになってる」感覚はワンオペじゃないと得られなかっただろうな、という意味で最高だとも思います。

全ての責任を自分でとることのスリリングさと楽しさの実感が、私にとってお店をやって得られたご褒美でした。

知り合いにスペースを貸してみるとか、4月のhoccoの日曜市では何作ろうかなとか、いろいろ今後もチャレンジしていこうと思います。

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