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女子よ、ITZY 『WANNABE』で はちゃめちゃな自分を楽しもう

I don't wanna be somebody Just wanna be me be me
他の誰にもなりたくない、ただ私でありたい 
誰がなんと言おうと関係ない あなたが私を好きだろうが嫌いだろうが

いつの時代も若者が必要とする普遍的なメッセージだけど、「女性らしく」「母親として」「優しい娘らしく‥‥」と「〇〇しなきゃ!」であふれた日々だったり、「どうせ〇〇らしくはなれない私」とあきらめちゃってるような大人の女子にも送りたい、すこーんと爽快な曲! 

韓国のITZY(イッジ、と読む)が歌う『WANNABE』。
どんな歌手になりたいの?と聞かれた彼女たちが
"저희는 그냥 저희가 되고 싶어요" 「私たちはただ私たちになりたいです」
と答えたことからできた曲なんだって。

「ちゃんとしてようが してなかろうが ほっといて」
「自分のことは自分で決める」
「他人の話が好きね 何がそんなに楽しいの?」

誰かがセッティングしたテーブルの上に土足で乗って
お皿もご馳走も蹴り落としたり
壁の名画に向かってケーキ投げつけたり
ハイヒールを脱いで裸足でランウェイを歩いて
自撮りしたあげく寝転んだり。。。

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後半のはちゃめちゃな映像も見どころ。

すっごく気持ちよくて、しかも可愛いしかっこいい。

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でも、私知ってるの。

こういうの見ると

「自分自分って、美しくない」
「こんなにお行儀悪くなりたくない」

って眉をしかめる人が少なくないこと。
アイドルファンの男性だけじゃなく
女性もそういう気分になる人が多いこと。

だから、日本のポップシーンで
こういう曲やビデオはあんまり見ないよね。

 
私は昔から若者による「やさぐれソング」が大好き。

最近で言うと、あいみょんの『夢追いベンガル』なんだけど
これもアルバム曲でしかない。

あいみょん最大のヒットシングルは、私に言わせればお上品で毒にも薬にもならない『マリーゴールド』だもんね。あー、つまんない(好きな人、ごめんね。個人の好みです)。

不協和音を恐れない欅坂46は、ステージで倒れるほど追いつめられてしまう。
「僕は嫌だ」と叫ぶのは、自分の生身の体を賭けなきゃいけないくらい重い行為‥‥。
 
朝ドラも同じ。
ヒロインがちょっと羽目を外すだけで、「かわいげがない」「品がない、育ちが悪い」「迷惑」という女性からの感想がTwitterにあふれるの(笑)。

規範意識がめちゃくちゃ強いんだろうね。
それこそ小学校に入る前からの刷り込みなんだろうな。

そこから逸脱するとなると、コンビニでアイスケースに入った動画をアップするとか、アベノマスクをブラにした選挙ポスターとか極端に露悪的な行為になっちゃったり。

フィクションで楽しめたらいいのに。
はちゃめちゃなヒロインに感情移入することで、自分の気持ちと向き合えたらいいのにな~って思う。

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日本では、はちゃめちゃなだけじゃ、なかなかヒロインになれない。
たとえば『ドクターX』、古くは『ハケンの品格』も、主人公じの女性ははちゃめちゃだけど、その分、ずば抜けて優秀だ。

「有能でなけりゃ、社会での破天荒は許されない。特に女性は」

っていう規範意識に合わせて、そういう設定になるんだよね。

韓国は、もともと日本以上の儒教の国で
長幼の序も、ジェンダーギャップも
日本以上にすごかったはずなのに、

いつのまにか
映画も音楽も小説も
フィクションの世界での窮屈な規範はなくなっていて

若い女の子がめっちゃ激しく腰を振り
可愛く楽しく机の上のものを蹴り飛ばして
ポップチャートでめちゃくちゃ支持されて
リリース3か月で再生回数1億6千回超え。

なんでこうなったんだろうな?

ともかく、字幕をONにして、映像を見ながら楽しんでほしい曲!
ガールクラッシュな感じで始まって、その雰囲気も濃厚なんだけど、コーラス(サビ)部分でひらけて明るい'80年代ぽいメロディーになるのが、2020年ふうなんだな~。

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