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『麒麟がくる』第21話「決戦!桶狭間」

いい最終回だった!(違)この回をもっていったん放送休止😭 桶狭間~~~よかった! 今回も信長が勝ったねw

何が良かったって、織田信長、今川義元、松平元康(のちの家康ね)という「桶狭間プレイヤー」が、三者とも戦略的に動いてることですね。

桶狭間で信長が勝つ、関ヶ原で家康が勝つ、龍馬の仲介で薩長同盟が成る、んなこたぁわかってるわけですよ。
だから「なぜ信長が勝ったのか」にフィクションならではの説得力とオリジナリティが欲しいの。
私の大河人生30年、「主人公が口角泡を(飛沫をw)飛ばして説得したから歴史が動いた」みたいな、ダメな精神論だけで勝つやつもいろいろ見てきました‥‥
 
義元は用兵に思慮があり、兵士による略奪を禁じるなどモラルも持ち、いざとなれば自ら戦う勇猛さもあり「海道一の弓取り」にふさわしい大将なんだけど、大軍になりすぎて統制がとれなかったり兵が分散したりした不意を突かれる結果に。

ああいうド派手な毛利新介に討たれる義元も初めてではないでしょうか? 
最後、義元の見開いた眼球に、飛び降りてくる新介の姿がはっきり映る演出が21世紀的。
るろうに剣心だのキングダムだの、今どきの視聴者は時代劇にもアクションを求めますからね。

30年前、白塗りの泥まみれで討たれ、新介の指をかみちぎって絶命した先代勘九郎の義元が懐かしいですね(『武田信玄』)。
 
元康。母の手紙と菊丸の熱弁であんなに盛り上げる演出しといて、それだけでは腰を上げない展開に燃えるわ!

冷静な判断で織田方を攻めるも、義元の三河守就任と、ショボい中ボスクラスに右から左へ酷使され搾取されるに至って、反旗を翻さないまでも「座り込み」に出る。不遜でよかったなあ。
母の手紙と菊丸は後押しをした形ね。
 
風間俊介、戦国武将というにはファニーフェイスなんだけど、傑物の予感を思わせる静かな迫力がすばらしい。
伊達に若いころからサイコパスの役をやってきてないねw
 
で、信長。
元康を調略するためその生母と密会し(←これは帰蝶経由の十兵衛案)、場内のスパイを欺くため「籠城」と発し、公称2万の今川軍だが5,6千は駿府に残しているはずだと読み、さらに兵を分散させるべく謀る。
そこまでやってから「人は誰もがいつか死ぬ」と覚悟を決めて、打って出る。
(死んだときのために、正室に隠し子も紹介するw)
最後には折からの大雨。運も味方につけるのだ。

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タヌキ顔なのに横顔が怜悧でびびる

それにしても、歴史的快挙の直後に発する
「褒めてくれるか?」
そして始まる例のトラウマ話
「わしは父にも母にも褒められたことがない‥‥」
 
ドン引きw
長いわ、自分語りがw

冴えわたる戦略、
唸らせる「敦盛(♪人間五十年)」、
すがすがしいほど勇壮な戦いぶりのあとにこれを見せるかとw
 
幼いころから両親に疎まれ続け、肥大した承認欲求こそが
戦国を覇していく信長の原動力であると。

そして、「何をしても褒めてくれる帰蝶」と「いの一番に駆けつけた十兵衛」が、信長の背を押す疑似的両親になるのだと。

その構図をはっきり見せたのをしおに、放送はしばらく休止となります😭
 
予告、
「本当に麒麟はくるのか?」ってテロップw
もはや作り手すら疑ってるww
 

さて、一夫一婦制が規範となっている現代において
「正室以外の女がいて子も生ませる」をどう描くか?
‥‥というのは、大河ドラマの命題のひとつ(と私が勝手に認定)。
 
ここをオミットしたり漂白したり、現代的価値観のみで描くダメ大河も含め
作品によってさまざまなカラーがある中、「麒麟」はここでも鮮やかな印象を残しました。

桶狭間の出陣直前
突然あらわれる隠し子ォォォ!!!
ここまで劇的に登場した奇妙丸(信忠)も初めてでは?ww
 
なんせ信長、こぼれんばかりの笑顔で「帰蝶は母親じゃ‥‥😊」ですからね。信長にとっては、最高の賛辞なんだろうね。

己の母でいてくれるのが一番だから、己の子の母(産みの母)になってくれなくても一向にかまわないし、母親だから、何をしても、たとえよそで子を作っても許してくれると思ってるんだろうな。
 
ひどいなー。ひどいけど、魅力的。
魅力的だけど怖い。信長。染谷将太ラブ。

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ともかく、「当時は一夫多妻が当たり前だから」だけでなく、「この信長なら、こうだろうな」と納得できる描写になってるのがすばらしい。
 
生きるか死ぬかの土壇場でいきなり隠し子を紹介された帰蝶さんの
衝撃を受け、戸惑い、怒りもし、でも「10年、おまえを頼りにしていた」「我が子を託す」は信長なりの最大の愛情表現だともわかるし、今はとにかく死なないでほしい‥‥という錯乱した表情と、それでもすぐに奇妙丸を膝に乗せちゃう愛情の器の大きさもすばらしかったですね。
  

そ・し・て
最終回(違)だというのに、何の活躍の場もない十兵衛やんw

矢も楯もたまらず一乗谷から駆け付けちゃうくらいに信長が心配で、かつてないほど取り乱した表情の帰蝶も心配で、でもついつい「そのお子は?」とあからさまに尋ねちゃう正直さも相変わらずw

「天から降ってきた預かりものじゃ」と答える帰蝶さま😭
 
かつて高視聴率を誇った『独眼竜政宗』や『武田信玄』を見てもわかるように、大河ドラマの両輪は「国盗り」と「濃厚ホームドラマ」。
「麒麟」は久しぶりにド王道を歩む大河ですね。
放送再開まで熱く待っています。6/30、収録再開予定!

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