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「光る君へ」メモ第21回「旅立ち」死と生の狭間の逢瀬

ついにまひろと道長が再会。よかった‥‥ 💑
長徳の変の顛末はちょいちょいしっくりこなかったけど、このシーンにすごく満足したので多少ご都合主義っぽくてもいいです(笑)

わたくし、やっぱりまひろが好き。
道長に手紙を書いて、自分から体育館裏に(違)呼び出しちゃうんだよ。もはや昔の三郎ではない、政府の首脳なのに。
道長はもちろんやって来ます(かわいい)。多少気まずげに、硬い表情で。

「中宮様を追いつめたのはあなたですか?」
ストレートにたずねるの、いいね。

間髪入れず「そうだ」と答える道長をじっと見て、「いっときでも噂を信じた自分を恥じます」と微笑むまひろ。「あなたはそんな人じゃない。顔を見てわかりました」

これは、為時の漢詩をまひろが代筆していたことを見抜いていた道長の「おまえの字は、わかる」に呼応してるのだろうと思う。
長く離れていても、お互いの本質、芯にある美点を理解し合っているということだよね。

堰を切ったように、忸怩たる思いを吐きだす道長。
「似たようなものだ、俺の無力のせいでみんなが不幸になった、おまえとの約束も何ひとつ果たせていない、これからどこへ向かっていけばよいのかも見えない」

こういう本音の部分をさ、きっと倫子や明子には言ってないのがいいよね。まひろにしか言えないんだよね。ソウルメイトー!

「おそらく俺は、あのとき遠くの国に逃げていってもおまえを守り切れなかっただろうな」

もう、向こう見ずな夢を抱いたり、理想に燃える若者ではない。
力を尽くしたうえで挫折感に打ちのめされている大人の男の貌。
それでもまだ理想を捨てていないからこそ、己の非力が堪える男の貌だ。

「かの地であなたとともに滅びるのもよかったのやもしれませぬ」
と答えるまひろもまた、現実の苦み、人生のままならなさを知っている。

隣に並んで廃院の水辺に視線を落としていた二人。まひろが道長に向き直り、その胸にそっとすがる。迷わず抱きしめる道長ー! その表情の硬さ、うつろさが絶妙! 二人のシルエットも!

「この10年、あなたをあきらめたことを後悔しながら生きてまいりました」
「妾でもいいからあなたのそばにいたいと願っていたのに、なぜあのとき己の心に従わなかったのか、いつもいつも悔やんでいました」
自分から相手の身体に触れ、正直な気持ちをまっすぐに言うまひろ、めちゃくちゃいい。
傷つくことをおそれず、見返りを求めていない。大好き。かくありたい。

「いつの日も いつの日も そなたのことを‥‥」
つぶやくような声で、しかも最後までは言わない道長。
これがまたいい。半分本当で、半分嘘というかね。
道長のほうは、妻たちも子どもたちもいるわけだしね。

それに、歯の浮くような睦言を言ったとしても、
まひろを本当の意味で幸せにできる自分じゃないとわかってるんだよね、きっと。
だから、道長が最後まで言わないのは逆に誠実なのだ。

「今度こそ、越前の地で生まれ変わりたいと願っております」
「そうか。体をいとえよ」
まひろを抱きしめても、
いっときの激情にまかせてそれ以上のことをしたりしない道長のまっとうさが良い。柄本佑の芝居が良すぎるー!(悶)

この日、まひろに「体をいとえよ」を言うのは2度目なんだよね。
テンプレ的なあいさつではなく、本当に体を大事にしてほしいんだよね。
道長のまわりではたくさんの死(社会的な死も含む)があったし、重体のまひろを看病した記憶もあるだろうし。

そしてここで自分から道長の頬を引き寄せてくちづけるまひろ~!
最高です。
越前の地で生まれ変わろうとしている、
だから関係するんだよね。
これは「もう会えないかもしれないからお別れの記念に」とか、「あとは野となれ山となれ」みたいなやけっぱちではないのよね。

直秀の死のあと、道長と自分は別の道を行くのだと思いさだめて、初めて結ばれたときと同じ。
(比喩的な)生と死、死と生の狭間にセックスがあるということなんだよね。

はー、まひろ、好きすぎる。
くちづけの先は0.1秒くらいしか写ってなかったけど最後までいったと認定します。いってないわけない!(何を力説?w)

そしてパッと画面が変わって、大海原にこぎだす舟‥‥
‥‥じゃなくて、実際は琵琶湖だったけど(笑)。湖の向こう側の新天地へ向かうカット。生まれ変わったんだよね…

はー、良いですううう
ふたりが結ばれたのが10話で、今回が21話だから、次の逢瀬は32~3話くらいかな? もう1回は絶対あると思う!!!(何を力説?w)

---その他---

・一条天皇が「子ども、子ども」とうるさかった伊周に良い感情がないのはわかるけど、定子には「朕のことを嫌いにならないでくれ‥‥!」と懇願したり、昼間っから「会いたくなっちゃった♡」と終始ぞっこん(死語)だったのに、いきなり「中宮も同罪!」と断罪モードになったのがちょっとイマイチしっくりこない。後ろ髪をひかれてる描写はあるけどさ。

・定子、“尼削ぎ”のヘアがめちゃくちゃ似合う。表着を肩に羽織って枕草子を読む姿、ろうたけた雰囲気でめちゃくちゃ良い。

・定子があの場面で思いあまって自分で髪を削いだ話は史料に残ってますよね。確かロバート秋山の日記にもあったような。

・「思いあまって自分で髪を切る女子」って、少女マンガ的なエピソードだけど平安時代からあるのがおもしろいよね。

・それにしても、枕草子爆誕秘話に紫式部が一部噛んでるという描写は大丈夫でしょうか(笑)。ま、大胆な脚色は今に始まったことじゃないが。

・詮子と倫子の関係がよい。倫子、負けてないw

・伊周、ひとまずおつかれさまでしたー。


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