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インタビュー:ファミリーバンド結成! 家族みんなで叶えたい夢 ~ 高橋加央里さん

9歳、7歳、5歳の3姉妹でロックバンド結成?!
音楽とサンリオが大好きな高橋加央里さんファミリー。
この春、初ライブを終え、夏から秋にかけても出演イベントが目白押しです。
「大好き」と「がんばる」でいっぱいのチャレンジについて、加央里さんにお話をうかがいました。
めざせ、ハーモニーランドのステージ!

聞き手: イノウエ エミ
(2024年7月取材)


◆歌×ダンス×楽器 3姉妹ロックバンド始動!

――バンドと聞いてびっくりしました。どんな構成ですか?

小学3年生の長女がギター、2年生の次女がドラムで、年長さんの三女がボーカルです。

――前回のインタビューではお腹の中にいた三女ちゃんもメンバーなんですね! 

はい。もう少し大きくなったら本格的にベースを始めるかも‥‥? 今は、パパがベースを弾いています。

――何がきっかけでバンドを始めたのですか?

きっかけは旦那さんの突然の発案です。
「3人でステージに立たせたい! 三姉妹で歌って踊って、しかも楽器まで弾けたらめちゃくちゃかっこいいだろう」って。
もともと家族みんな音楽が好きで、子どもたちもダンスやピアノを習って楽しんでいたので、私も即「やりたい!」と。

――即決だったんですね!

はい。それで、とりあえず、バンドの構想は夫婦の間にとどめて‥‥。

――あ、そこは慎重に。

はい(笑)。まずは楽器の体験からスタートしました。
器用でコツコツ努力するタイプの長女にはギターを。彼女は左利きなんですが、やっぱり右利き向けに作られたギターのほうが圧倒的に多いので、将来を考えて右利き用のギターでがんばっています。
次女にはドラムを。アスレチックなど高いところにもスイスイ上っていくような子で、体幹が強く持久力がある。しかも「××回叩いたら次はこうだよ」と言うと、ちゃんとカウントできるんです。

――長女ちゃんがギター、次女ちゃんがドラム。そして、三女ちゃんがボーカルですね。

はい。三女は、姉妹の中で一番声が大きい子です。私に似たのかな?おしゃべりで物怖じしないし、肝がすわっています。

――なるほど、3人の個性やタイプを考慮しながら分担していったんですね!

◆家族5人で奮闘中

大きな楽器もサマになっている三姉妹と、本屋さんでも研究に余念がないパパ

――楽器を始めて1年半。普段の練習はどのように? 

月に一度、音楽教室で教えてもらっています。とっても優しくて、親身に教えてくださる先生たちです。
それ以外は自宅で練習ですね。10分、15分でもいいから毎日続けるようにしています。

――たとえ10分でも、毎日続けるのは難しいと思いますが‥‥?

いろいろ工夫しています。パパがギターにマイメロディを描いて、「マイメロちゃんが淋しいって言ってるよ」と言ったり。好きなぬいぐるみを隣に置いて練習したりもしています。

パパが描いたマイメロちゃんの存在感!

――長女ちゃんはマイメロディが大好きなんですね。‥‥って、パパ、絵がうまいな!

パパは教えるのも上手です。子どもたちにわかりやすいように、あの手この手で教えています。
たとえばドラムの叩き方。「タカタン、タカタン、タカタンタンだよ」と言っても次女がピンときていないのを見て、「プリン、プリン、プリン」で数えることにしたり。
「プ・リ・ン・が・い・け・に・お・ち・ちゃ・っ・た」ってかけ声にしたり。

――次女ちゃんはポムポムプリンが大好きなんですね。‥‥って、パパ、おもしろいな!(笑)

毎月、パパがチョイスしてリズムパターンを打ち込んだ曲で練習しています。5月は「こいのぼり」、6月は「あめふり」、7月は「海」です。

――季節感がある! パパの打ち込み、ちょっと聴かせてもらいますね。

――え、これ、パパがアレンジしているんですか? ロックンロールな展開が熱い‥‥!(笑)

ちょっと元気が出ますよね(笑)。
音楽教室の先生たちも、毎月爆笑しながら感動してくれています(笑)。
「これ、教材になりますね」、「これに沿って教えると良いから楽です」って。

――パパのセンスがすごい!

彼は本気です(笑)。
彼も私も強制はしないし、楽しく練習するようにしているから、続いているのかもしれません。

パパのマンガ部屋が今ではバンドの練習部屋に。パパ自作のわかりやすいドラム譜があちこちに


◆表現面はママにまかせて!

元アイドルであり敏腕営業パーソンでもある加央里マネージャー💓
練習にも付き添います

――ママはどんな役割を?

私はマネージャーですね。楽器の経験が全然ないので、子どもたちの感覚はよくわかるんです。「なんかこれ、難しいよね」みたいな(笑)。

――パパが教えて、ママが寄り添って共感する。バランスが取れていますね。表現面のアドバイスは?
※加央里さんは放送部出身でアナウンス経験が豊富。しかも、大学時代にはローカルアイドルの経験も!

「ステージでは、恥ずかしくてももじもじするより堂々としたほうがかっこよく見えるよ」のようにアドバイスしたりします。
歌詞を読み解いたりもしますね。

――歌詞を読み解く?

今度演奏する「夏祭り」の歌詞を書き出して、子どもたちと一緒に考えてみたんです。
「これはどういうお話? この部分は今のことかな、昔の思い出かな?」
「だったら、どんなふうに歌ったらいいだろう?」みたいな。

――いいですね! 内容を踏まえると歌や演奏も変わる。加央里さんのキャリアが活かされていますね。

高橋家バンド、初舞台!

――4月、音楽教室の発表会で、初めてステージに立ったとのこと。

『にんげんっていいな』を演奏しました。こちらもパパのアレンジです(笑)。

――パパ、さすがです!

これまでは個人練習が中心だったので、合奏の難しさがわかりました。立った状態でギターを弾くことから始まり、それぞれの楽器を合わせて‥‥。音が大きいので小さなミスでもかなり目立つし、リズムキープも難しくて。

――ドキドキの本番、いかがでしたか?

歌も演奏も、最後までしっかりできました! 失敗してもいいと思っていたけれど、3人とも予想以上にがんばっていて、客席から見ていると思わず涙が‥‥。

――三姉妹も手ごたえがあったのでは?

自信になったみたいです。「楽しかった」と口々に言っていました!

◆夢はハーモニーランド。必ず叶えます!

――夏から秋にかけて、ステージの予定が目白押しだとか。

はい。旦那さんいわく「何事も目標があるのはいいことや。ただもくもくと練習しててもつまらんしな」「やりきった、という達成感をもてる場は大事や」と。

――ステージは誰がどうやってブッキングするんですか?

私がダメもとで出演交渉します! ドラムが持ち込めない場合は「ダンスだけやらせてください」だったり。地域の夏祭りでは、ドラムが借りられたのでダンスとバンド演奏の両方を予定しています。

――さすがマネージャー。地域の夏祭りにも出るんですね!

はい。公民館に電話してブッキングしました。
ドラムを借りられないか、公民館、小学校、とおたずねしてまわり、結果的に地域のブラスバンド部にご縁がつながって。快く貸していただけることになり、有難く思っています。

――積極的!以前のお仕事で培ってきた営業力が活かされていますね。

ダンスのほうもがんばっています。我が家の最大の目標は、ハーモニーランドでキャラクターと一緒にライブをすることなんですよ。

――え?ハーモニーランド?

大分県速見郡日出町にあるサンリオキャラクターをモチーフとしたテーマパーク。
サンリオピューロランドの姉妹施設です

サンリオが大好きな我が家にとって、ハーモニーランドは聖地です!もちろん年間パスポートももっています。だから、ライブをするなら武道館よりハーモニーランドなんです。必ず実現したい!
通っているダンス教室の先生にその夢をお話したら、「応援します!」と言ってくださって、振付と特別レッスンをしていただけることになったんです。本当に、感謝してもしきれません。

――すごい!情熱は人の心を動かしますね。

たくさんの人の協力や応援があってステージに立てるんだよ、と子どもたちにも話しています。

――そしていつかはハーモニーランドへ‥‥。

ハーモニーランドにもお電話して、担当の方に一度ご挨拶にはうかがったんですよ。

―――えええ!仕事が早い!

◆「好き」を活かした人生を

サンリオのぬいちゃんたちでいっぱいの高橋家

――裏方で支えているご自身を含め、家族でバンドをやることの良さって何でしょうか?

バンドってチームなんですよね。
私はこれまで、アナウンス、陸上、営業と個人で動くことが多かったから、チームっていいなあと実感しています。
それぞれに役割があって、誰かがちょっとつまづいても誰かがサポートできる。一人では心細くてもみんながいるからチャレンジできる。
バンドを始めてから親子のコミュニケーションも密になり、家族の絆が強まっているのを感じます。

――子どもたちには、ファミリーバンドの活動を通じてどんなことを学んでほしいですか?

前向きに行動することに意味があるよ、ということかな。
コンテストや大会でも、競い合うというより、自分たちができるようになったことを大事にしてほしいし、上手な人を見て憧れたり学んだりしてほしい。
今は親が主導していますが、いつか自分たちで夢を叶えていってほしいなと思います。

――お子さんたちは、いつかファミリーバンドとは違う夢をもつかもしれませんが。

もちろん、そのときも応援します!
自分の「好き」や「得意」で周りを元気づけたりサポートしたりして、苦手な部分は周りに補ってもらって‥‥そんなふうに生きられたらきっと楽しいし、やりがいがあるはずだから。
自分のやりたいことを見つけて、伸ばしていってほしいです。
それぞれの道に進んでも、音楽はずっと好きでいてくれたらうれしいな。家に戻ってきたときは、みんなでセッションをして楽しむような家族でいられたらと思います。

◆バラエティ豊かなお仕事の世界

非常勤講師を勤める高校で。板書もします

――今はファミリーバンドのプロジェクトにかなり注力されていますが、お仕事のほうも忙しいのでは。

もともとやっていた広告ライターのほか、今は外で3つのお仕事をしています。不動産事務、清掃、高校の講師。どのお仕事も週に1,2日ずつですね、今は子どもたちの送り迎えもありますし、バンド活動もがんばっているので‥‥。

――3つも! それぞれどんなきっかけで始まったお仕事なのか気になります。

不動産の事務は約二年になります。これまで営業の仕事が多かったので、一度は事務をしてみたい気持ちがあったんです。
営業って偉大だと思ってきましたが、事務の支えがなければできない仕事なんだと実感します。社長は私と同じ年の女性で、しかも3人の子育て中の方です。

――加央里さんと共通点が多いですね。

清掃は、コロナ禍で「運動したいな」と思ったのがひとつのきっかけです。大きなビルを行き来して階段の昇り降りもできるし、掃除をすると気持ちがすっきりしますから。

――目からウロコのような志望動機です!

高校の講師は、英語の教員免許を活かしたいな、と。ちょうど、保育園の近くの通信制高校が、登校クラスの講師を募集していたんですよ。
私の履歴書を見て「すごくバラエティに富んでいる」と評価していただき、「キャリアを活かした授業をしてほしい」という話に‥‥。

――では、英語ではなく?

今はキャリア教育の授業とコミュニケーション心理学のゼミ、2つを受け持っています。夜、書籍とにらめっこしつつプリントを作ったり、授業中、即興でグループディスカッションをしたり。めまぐるしいけれど充実してますね。

――加央里さんの授業を受けられる高校生はラッキーですね!

これまでたくさん失敗したり転んだりしながら前に進んできたので、「こんな大人もいるんだよ」と伝えられたらと思います。それと同時に、高校生の姿や意見から私も学んでいます!

◆幸せな未来予想図のために

海と温泉、そしてハーモニーランドがある別府、日出町

――最後に、将来のことについてお話聞きたいです。

子どもたちが巣立ったあとは、夫婦で別府に移住します!ハーモニーランドが庭みたいな暮らしをしたいです。

――夫婦二人になってもハーモニーランドなんですねぇ。

もちろんです! 別府には温泉もあるし、海もあるし、城島高原、水族館も‥‥本当にいいところです。子どもたちが孫を連れてきたときも、いろんなところに連れて行けますし。
旦那さんと「大分でお互いに仕事をしながら温泉に浸かってのんびり暮らしたいね」と夢を語り合っています。私の場合、子ども向けの音楽教室とか話し方教室とかかな?

――来年で結婚10年だそうですが、変わらずとても仲良しですね。

今も一途に旦那さんが好きです(笑)。彼は波乱万丈な人生を送ってきて、自分では「おれは荒んだ人間だから」なんて言ったりもするけど、根っこがとても優しい人だと思います。
それに、今日はバンドのことを中心にお話しましたが、料理はもちろん家事全般やってくれるし、子どものお友だちも一緒に遊びに連れて行ってくれるような、家族をとても大切にする人なんです。

――加央里さんに対してはどうですか?

口には出さないけど、大切に思っていてくれるのがわかります。

――きゃあ、すてきです。
もう少し近い将来はどうでしょう?5年後、10年後、加央里さんはどんなことをしているでしょうか?

どうだろう? ひとつのお仕事を長く続けるよりは、羽が生えているみたいにいろんなことをするスタイルなので‥‥(笑)。

――また新しいことをしているかもしれませんね。加央里さん、自分が好きですか?

はい、好きです。

――即答が素敵です!どんなところが?

行動的なところかな。頭の中に未来予想図があって、それを叶えるために忙しく動いているんです。もちろんスムーズにはいかないけど‥‥回り道をしても、何かを着実に積み上げていこうとする私がいる。きっとこれからもそうだと思います。

(おわり)

◆編集後記

「遊びの中に学びがあり、学びながら楽しく遊んでいる」。
高橋ファミリーのバンド活動のお話を聞いて、そんなふうに感じました。遊びとしても学びとしても、理想の形のひとつですよね。
ママ・パパが、娘さんたちの成長や変化を織り込んだうえで、今を全力で楽しんでいる様子も素敵です。
そのときどきの夢と希望に向かって着実に進む頼もしさと、「旦那さんと一緒ならどこへでも♡」というかわいらしさ。約5年ぶりのインタビューで、加央里さんのバランス感覚とギャップの魅力にさらに磨きがかかっていることを確認しました!
(イノウエ エミ)


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