インタビュー: 届けたいのは "明日の元気" 「シアタイム」であなたを応援します ~ 岡﨑慶子さん
◆ しあわせの時間、シアタイム
―――SiaTime(シアタイム)という商品名、すてきですね。由来を教えてもらえますか?
「しあわせの時間を提供したい」という思いをこめました。忙しい一日を終えたみなさんに、お風呂で癒しを感じていただけたらと思います。
―――バスボムタイプとハーブタイプがあるんですね。
それぞれ4種類の香りをご用意しました。その日の気分やコンディションで「今日はどれにしようかな?」と楽しく選んでいただきたいですね。
入浴剤はやっぱり肌に優しいものがいいし、香りで癒されたい、そして良い睡眠をとりたい‥‥。私自身がいろんなニーズをもっていたので、
「そうだ、自分でこだわりの入浴剤を作っちゃおう!」
という発想に行きつきました。
―――さらっと言われましたが、今回、起業されたということですよね!
はい。ある日ふいに「やろう!」と降りてきて、一気に企画書を書き上げました。これからの人生、もっと輝きたいと思って。
―――すごい実行力!
この1~2年の世の中の変化もですし、娘が小学校に入ってひと区切りついたのもあって、少し前から自分を振り返っていたんですね。これからの時代、私にできることってなんだろう? これまでの知識や経験を活かせる何かがあるはず‥‥と。
◆ リセットするからがんばれる
―――まっすぐに目を見て、すごく優しくお話されますね。入浴剤を試す前から、すでに癒されている私がいます(笑)。
ありがとうございます(笑)。
人にはよく「明るくて前向きな女性だね」と言っていただくのですが、実は素の私は、まわりから評価していただけるほどの人間ではなく‥‥。
―――そうなんですか?
仕事に向かうときは自分を奮い立たせて「スイッチ、オン」しますが、もともとはネガティブで心配性なところもあるんです。
だから、夫に話を聞いてもらったり、お風呂にゆっくり浸かったりしてリセットするのはとても大事な時間ですね。
―――長年、企業で従業員の教育に携わってこられたそうですね。
はい。たくさんの従業員に接してきました。店舗に行くと、私が気づく前に「この間はお世話になりました」「ありがとうございました」と声をかけてもらえたり、「あのとき教えていただいたことが役に立っています」と言ってもらえる、すてきな仕事です。
人を元気にすると、自分も元気になれるんですよね。
「人を元気にする」「人に貢献する」というのが私の仕事観だと思います。
◆ 人生を変えてくれた先生との出会いと再会
―――「人を元気にしたい」「貢献したい」‥‥そういう思いをもつようになったのはいつごろからですか?
ずいぶんさかのぼりますが、中学生のころですね。
一時期、よく保健室のお世話になっていました。思春期でもあり、受験を控えていたのもあり、いろいろと悩んでナーバスになっていたんでしょうね、摂食障害に近いような状態になっていて。
そのとき、保健室の先生がすごく寄り添ってくれたんです。
「カロリーというのがあってね」
「ごはんにはこういう栄養があって、食べるとこんなふうに体の中で働くんだよ」
そんなことをいろいろ話していただいて、すごく興味を持ったのを覚えています。
―――中学生の岡﨑さんにとって、腹落ちするお話だったんですね。
はい。書店で本を探したりもして、「そういうお仕事って何かあるのかな」と考えていたとき、先生に「管理栄養士があるよ」と教えていただいて、「なりたい!」と思ったんですね。
その後、管理栄養士の資格取得を前提に進学し、国家試験に合格して、就職して‥‥とまっすぐに歩みながら、「いつか先生にお会いできたらいいな、そのときはお礼を言おう」とずっと思っていたんです。あのとき先生に寄り添っていただいたのが私の原点ですから‥‥。
そうしたら、ある日、勤めていた店舗に先生がお客様としていらっしゃって。
―――え? 偶然?
そうなんです!
―――すぐに気づいたんですか?
いえ、10年以上経っていたので確信はなかったのですが、今言わなければ絶対に後悔すると思って、「もし違っていたら申し訳ありません。〇〇中学校で保健室の先生をされていませんでしたか?」と声をかけさせていただきました。
「あのとき、お世話になった〇〇(旧姓)です。先生のおかげで管理栄養士になれました」と。
―――わー! そしたら??
最初びっくりされていましたが、「ああ! 〇〇さんね」と気づいてくださって。「ほんと~! 良かったね!」と言っていただきました。
―――鳥肌が立ちました。
直接お礼を言えて、本当にうれしかったです。あのとき先生に出会わなければ、夢や目標をもてなかったんじゃないかとさえ思っていますから。
◆ 「私も寄り添える人になる」
―――中学生でごはんを食べるのがつらいというのは、すごく大変な状況でしたね。
まだメンタルヘルスについての知識が浸透していない時代でしたし、なぜ食べられないのか、自分でもよくわかっていなかったんですね。家族も心配していたはずですが、素直になれなくて、親子の関係がスムーズにいかないこともあり‥‥。
―――思春期、反抗期ですものね。
はい。そんな時期を乗り越えられたのも先生のおかげですね。
―――家族のような近しい人ではなく、第三者の人の言葉や寄り添いで救われることってありますよね。
そうなんです。先生はそのとき、近くの中学校の校長先生になられていて。保健室の先生から校長になるのはとても稀なケースらしいんですね。
先生のチャレンジもすごいなと思うし、まわりから求められる方なんだろうなと。私だけじゃなく、たくさんの人に影響を与えてこられたんだろうなと、また胸が熱くなりました。
―――岡﨑さんにとって先生から受けた影響がどんなに大きいか、伝わってきます。
そうやって助けてもらったから、自分も人や社会に貢献できる人間になりたいと考えるようになったんだと思います。
その場で感謝されなくても、すぐに結果が出なくてもいい。
いろんなところで、誰かが誰かに寄り添ったり貢献したり、そういうことがまわりまわって、自分も助けてもらえることがある‥‥。
社会って、そうやって成り立っているんじゃないかなと思うんです。
◆ 人はそれぞれ違うから
―――長年、勤務先の従業員教育に携わってこられたとのこと。岡﨑さんにぴったりのお仕事ですね!
そうですね、実際に人に寄り添ったり後押しする経験をしてきたことは、私にとって大きな財産だと思います。
―――どんなことを心がけて指導されていましたか?
「人それぞれ違うんだ」ということでしょうか。人によって、それまでの知識や経験は違いますから、たとえば同じ研修を受けても、同じ成果が得られるわけではないんですね。
だから、それぞれの悩みに耳を傾けたり、スキルアップしたほうがいい部分を一人一人ちゃんと見てあげるように気を付けてきました。
一人一人がしっかり理解して学んでいくこと、結局それが、企業の場合であれば収益にもつながっていくんですよね。
―――教育・指導といっても、上からいくわけじゃないんですね~。
やっぱり、寄り添いと後押しですね。人をよく見て、寄り添っていくこと。
「ちょっとやってみて」「ほら、だまされたと思って」みたいな。いってみれば、おせっかいなのかもしれません(笑)。
でも、一声かけて背中を押してあげることで、「あ、私にもできた」「わかった」につながることって多いんです。
―――自分ひとりでは、なかなか踏み出すきっかけがなかったりしますもんね。
私自身、もともと心配性でネガティブな性格なので、夫に背中を押してもらうことも多いんですよ。あるとき夫が「大丈夫だよ、心配事の9割は起こらないから」と教えてくれて、すごく楽になりました。
―――心配事の9割は起こらないんだ~!
「そういう本があるんだよ」って(笑)。それからは、心配している人にも伝えています。「大丈夫、9割は起こらないらしいよ」って(笑)。
―――いいですね。ポジティブメッセージのリレーですね。
◆ 夫が影の立役者です
実は、入浴剤の良さを教えてくれたのも夫でした。
私は若いころは、どちらかというとシャワーで簡単にすませたいなと思っていたんですが、夫が入浴剤が好きで。あるとき試してみたら、すごく体が休まったのを実感しました。
―――入浴剤を好きになったのは夫さんの影響なんですね!
はい。彼がいなければ入浴剤を作ろうというアイデアも出なかったと思います。このプロジェクトも最初からすごく応援してくれて、感謝しています。
―――「シアタイム」でどんなふうに“しあわせの時間”を作ったらいいか、お風呂の入り方について、少し教えてもらえますか?
眠りにつきたい時間の1~2時間ほど前に、少しぬるめの湯船に、ゆったり浸かるといいですね。私の場合は、40度で15分くらいかな。リラックス効果で副交感神経が高まって、眠りに入りやすくなるようです。
「シアタイム」は天然素材が中心だし、厳選したオイルを使っているので体にも優しいですよ。
四種類の香りがありますから、一週間の中で「すごく疲れたなぁ」という日に癒されたり、特別な日の前の晩に使って「よし!」と自信をつけたり‥‥コンディションや気分で楽しく選んでいただきたいですね。
―――日本人は通勤時間や睡眠時間が短い人が多いそうなので、お風呂の時間は大切ですよね。
そうですよね。私も、なかなか良い睡眠がとれなくて困っている時期があったんですが、シアタイムを使うと朝まで目が覚めないんです。一晩中ぐっすり。
子育て中のお母さんお父さんはもちろん、若い人も、いろいろ悩んだり疲れたりすることがあると思いますので、シアタイムで「お風呂っていいんだな」「癒されるんだな」と気づいてもらえるとうれしいですね。
◆ お客様にお会いできる日が楽しみです
―――企画書から始まり、ついに販売ですね。ここまでやってみて、どうですか?
すごく大変!(笑)。 知らないこと、分からないことが山のようにありますね。
私は今40代後半なんですが、「この年でわからないことがまだこんなにあったんだ」という感じです。
でも、ひとつひとつ調べたり、人に聞いたりしてクリアしていくのは楽しい!
自分もまだまだ学べるんだな、新しいことができるんだなと充実感があります。
―――約半年で販売までこぎつけたのは本当にすごいことだと思います。
これでも当初よりずっと時間がかかっているんですよ~! もっと早くできると思っていました。私は、なんというか暴走型で(笑)。
―――え! 意外です。
夫にも「ちょっと落ち着いて」とよく言われます(笑)。そういう自分が好きでもあるんですが。あれもこれもやりたい、と忙しくしているのが好きなんです。
でも今回、急ぐより大事なことがあるとも学びました。ちゃんと納得して、きちんと自信をもってお客様に提供しなければ。
製造については、OEM(Original Equipment Manufacturing)先の「ぴりかのんの」小川様にお願いしました。原料にこだわりをもち、肌に優しい天然素材成分で作っていただきました。何度も試作と話し合いを重ねてすばらしい製品を作っていただき、感謝しています。
―――大事に作ってこられた「シアタイム」は、どんなふうに販売するのでしょうか?
当面、BASEなどオンラインでの販売がメインになるかと思いますが、世の中の状況なども見ながら、ぜひお客様とじかにお会いしたいと思っています。
製造元の方が出店するイベントや、あちこちで行われるマルシェのようなところに参加したり。
―――やはり、「一人一人と向き合って寄り添う」が岡﨑さんの基本姿勢ですね。
はい。私、すごく怒っていたり機嫌が悪い人にも、あとからこっそり「さっきはすごく声をかけづらかったよ。何かあった?」って話しかけるタイプで(笑)。
―――そ、それはすごい! なかなか言えないです。
声をかけてみると、意外に「あ、ごめんなさい」「実は、こういうことがあって‥‥」と話してくれたりするんですよ。
声をかけて後押しするって本当に大事。
―――入浴剤も、岡﨑さんからお客様への後押しなんですね。
はい。「お風呂で疲れをとってね」「癒されてくださいね」という思いを込めて、シアタイムをみなさんにお届けします。
―――見た目もかわいいし香りもいいし、プレゼントにもいいですよね。
はい。使ってみて「これ、いいな」と思ったものは、人におすすめしたくなりますよね。
まずはご自身で使っていただいて、それがきっかけで今度はその方が大切な人に「これ、使ってみて」「シアタイムで元気になってね」とプレゼントして‥‥
そうやって「エールの輪」が広がっていけば、本当にうれしいですね。
(おわり)
編集後記
相手を優しく受け止めるような、包み込むような聞きぶりとお話しぶり。一緒に過ごすと癒されて、元気が出てくる方でした!
忙しい時代、みんな自分のことで精いっぱいで、なかなか人のことまで気にかけてあげられませんよね。それどころか、自分をケアする余裕もないかも? そんな私たちに、岡﨑さんと「シアタイム」がそっと寄り添ってくれます。対面販売が可能になったら、ぜひ岡﨑さんをたずねてくださいね。
(イノウエ エミ)
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