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お弁当に込められた、母からのメッセージ。

2020/8/2 映画記録no.1「今日も嫌がらせ弁当」

本編あらすじ

2019年6月28日に全国公開されて、約1年後2020年7月21日地上波で
初放送されたこの映画。気になっていた映画の1つだったので、
今回放送されると知った瞬間、すぐテレビ一覧を開いて録画して、
今日の朝やっと見ることができました。

この映画は、芳根京子さん演じる反抗期真っ只中の娘、持丸双葉と、
篠原涼子さん演じるシングルマザー、持丸かおりがその反抗に対して
ユニークなお弁当”キャラ弁”で仕返しをしていく、物語です。

舞台は、東京都・八丈島。東京都と言いつつ、都心までは飛行機で約1時間、フェリーで約10時間、綺麗な海と緑溢れる自然に囲まれた島。
さらに、この物語は、なんと実話。人気ブログを小説にまとめ、
それがベストセラーになったことで注目を集めました。
映画の中でも、母が毎日の”キャラ弁”をブログに綴る様子が映っています。

反抗期の娘に対してあからさまに優しくするのではなく、
敢えて「あなたがそういう嫌な態度をとるなら、私もあなたが嫌がることをします」と強く宣言する母・かおり。
そして、「はぁ!?」と冷たくあしらう娘・双葉。
反抗期ならではのギスギスとした関係性が手に取るように伝わってきます。料理が得意な母が武器として選んだのは、”キャラ弁”、
その名も「嫌がらせ弁当」その種類の多さにも驚きました。

手先器用に、海苔を切り取り、タコさんウインナーにチーズで目を作り、次々と生み出されるのは、赤ずきんちゃんから始まり、
当時流行ったお笑い芸人や、漢字テストや謎解き、
時にはお説教メッセージが施されているものもあり、
高校3年間毎日続けられた「嫌がらせ弁当」は見ている視聴者も楽しませてくれるほど多岐に渡ります。
そんなお弁当を見て、双葉は「うっざ、うざうざ……」と苛立ち、
反抗期はさらにヒートアップ。

しかし、最後には就職するため上京する娘と、手紙を添えた手作りのお弁当をもらった母は和解。
娘が乗った東京へ向かうフェリーへ大きく手を振り、
「愛してるよ」と叫ぶシーンはとても感動的でした。


映画を見て。

私は、反抗期という反抗期はない学生生活を送ってきました。
私はいいとしても、兄や弟も笑っちゃうほど何もない。
イライラすることもあまりなかったし、キツイ言葉を吐いたことも、
ましてやドラマみたいに家の壁に穴が開く、
なんてことも一切ありませんでした。

でも、”お弁当”には私にも思い出があります。

双葉と同じように、私も高校3年間母にお弁当を作ってもらっていました。母のお弁当はとても美味しくて、食材がカラフルで、盛り付けが上手で、
お昼になって蓋を開ける瞬間がすごく大好きでした。

これはあまり言わない方がいいと思うけど、周りの友達のお弁当は、
見た感じだと冷凍食品が多くて、結構茶色のおかずが強め。
1人暮らしをするようになって冷凍食品の便利さに気づいたけど、
当時の私はほとんど冷凍食品を食べたことがなくて、
母のお弁当が絶対一番美味しい!と心の中で胸を張っていました。

双葉みたいに、クラス中の生徒が毎日お弁当を覗きに来るような話題性は
無かったけど、一緒にお昼を食べている数人の友人からは、
いつも褒められました。
母のことを思って、毎回、誇らしい気持ちになりました。

不安や孤独を感じたことはなかったけど、母が毎日作ってくれる美味しい
お弁当は、「私は、ちゃんと愛されている」と実感できるものでもありました。


映画の最後に、母に向けて双葉がお弁当を送るのですが、
そのお弁当がまた涙をそそるもので。小さなお弁当箱には、
巻き寿司が2本並んでいて、その側面にはちょっと不器用にチーズと海苔で
型どった文字が添えられているんです。

「元気、でね」と。

高校3年間、「嫌がらせ弁当」と言いつつ愛を込めたメッセージを
送り続けた母。そして娘は、過労で倒れた母を労って、
でも直接言葉にして伝えるのは少し恥ずかしくて、
そのもどかしい思いを2人の共通点であるお弁当に込めて送りました。

「お弁当」というモノを通して、ちゃんと、
お互いのメッセージが届いた瞬間には感動しました。


2人が繰り広げる母娘バトル、笑って、泣けて、
そして想いはちゃんと伝えたいと思わせてくれる心がグッと熱くなる、
そんな素敵な映画でした。


おりょう☺︎

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