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成長と、克服と、男女の感情が絡む、恋愛映画。

 2021/1/31 映画記録no.24「劇場」

売れない役者・作家と、不思議な女の子の話。

ずっと見たくて、amazonprimeでこの前見たんですが、
ラストの展開に、本当にビックリしました。
「又吉さん、すごっ…」と本当に、思いましたね。

夢を追い続ける男と、その夢を応援する女と、
他愛もない暮らしの中で、寄り添って幸せに生きていたのに、
だんだんと時が進むごとに離れていくんですよね。

久々に、こんな引き込まれた作品に出会いましたね。
原作の小説を読んで見たくなったし、
「火花」も読んでみたいとも思いました。

夢と現実のはざまでもがきながら、
かけがえのない大切な誰かを想う、
切なくも胸にせまる恋愛小説。

今日は、こちらの作品をご紹介していきます。


作品について。

『劇場』は、お笑いタレントの又吉直樹による長編小説。
『新潮』2017年4月号に掲載され、
2017年5月に新潮社より単行本が刊行された。
原稿用紙にして約300枚の長編で、又吉初の恋愛小説。
前作の『火花』と同じく表現者の若者が東京での成功を夢見ながらも
挫折していく青春小説の一面も見せる。
山﨑賢人主演で映画化され、2020年7月17日に公開された。
キャスト。
 山﨑賢人
松岡茉優
寛一郎
伊藤沙莉
上川周作
大友律
井口理 (King Gnu)
三浦誠己
浅香航大                      など。

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著名人からのコメント。

相田冬二(映画評論家)
うぬぼれや。自信満々なのは弱い自分を見せたくないから。
ほめられたくて。愛されたくて。
いちばんたいせつなことが見えなくなってしまう。
恋は盲目。表現欲はもっと盲目。
自分のなかのうぬぼれや が世界にむかって土下座したくなる。
苛烈。だけど底なしの抱擁力のある映画。
有村昆(映画コメンテーター)
観る者のハードルを軽く超えて、
誰しもが若き頃に抱く葛藤が全て込められた傑作!
自分の才能で飯を食いたい若者は必見!
演技、演出、原作どれをとっても最高だ!
伊藤歩(女優)
不器用さ、おろかさ、永田の不安定な心、
猫背、弱さや優しさがとても愛おしかった。
失うことでしか気付けない大切なもの。
静かに、時に力強く打ち寄せる永田と沙希の感情に心を揺さぶられました。
そして、ラストシーン。ぜひ劇場で観て欲しい作品です!
折田千鶴子(映画ライター)
破裂しそうなほど膨らむ自尊心を持て余しつつ、
ドン詰まる男の葛藤と焦燥。
そんな自分をまるっと受け入れる恋人に八つ当たり――。
クズ男とダメンズ女子の恋模様は、
嫌になるほどイラつくのに、妙に心が逸り、目が離せない。
そうしてラスト、不覚にも落涙! 
深く突き刺さり、清らかな気持ちにさえさせられた。

など。その他にもたくさんの著名人がコメントを残していました。
読みたい方は、1番下にURL添付しているので、ぜひ。


印象的な言葉。

永田の語りが多いのですが、
劇作家志望なので、言葉も文才があって、
深すぎる文章表現についつい語りに集中してしまう時もありましたね。

感情に従順である人間を、
僕は恐怖の対象として見ていたが、
そういう人間こそ尊いと思うようになった。
創作に向き合う時に、沙希の存在が疎ましく感じるようになった。
沙希が僕を気遣って、僕に話すのを辞めた時、
その静けさはとても大きな音として僕の神経を逆なでするようになった。
自分に与えられた権利は、自ら行動できるという一点のみだ。
いつまでも持つだろうか、次に不安が押し寄せてくるのは、いつだろうか。

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作品を見終えて。

山崎賢人という役者は、すごいと単純に思いました。
これまで「学園の王子」みたいなキラキラな人物ばかりを見ていたので、
ボサボサの髪に、無精髭を生やして、そのキャラクターが新鮮でした。

全く華やかじゃない、それが新しかった。
最初だけちょっと違和感を覚えたけど、
不思議と慣れるもので、途中から普通に見てました。笑

松岡茉優ちゃんと、山崎賢人くん。
どことなく「個性的」な2人は、空気感が見ているというか、
オーラが同じというか、そんな感じで。
2人が会話する内容とか、動きとか、仕草とか、
全てがすごく温かくて、美しくて、でも切なくて、そんな恋愛映画でした。

でも、最後は驚きましたね。

まさか、そんな…という気持ちに包まれました。
ラストにあんな引っくり返されるとは。
全く想像してなかったから、驚愕ですよね。

あの時、あの場所を歩いていなければ、
あの時、あのお店に立ち止まっていなければ、
あの時、出会っていなければ、
沙希はあんな風になることはなかったと思うし、
あの頃の幸せは、どうやったら戻ってくるのかな、とか、
そういうことばかり考えてしまって、
一つの出会いで、運命が変わるってこともあるんだなー、と感じました。

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叶わない恋だとしても、実らない愛だとしても、
それでもハッピーエンドを夢に見てて、
みんな一人一人が主役になって、舞台に立てばいい。

そんなメッセージが込められているんじゃないかな、と。

一つ一つの描写や、感情表現が丁寧で、
そして、主演の2人の演技もとても素晴らしく、満足感のある、
素敵な映画です。

幸せじゃないけど、
どこかほっこりとするような、そんな気持ちに包まれるような、
不思議と心が穏やかになる、素敵な映画です。

見たことない方は、ぜひ。


おりょう☺︎


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