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前代未聞のハッピーエンド、幼馴染の13年間の物語。

2021/2/9 読書記録no.21「陽だまりの彼女」越谷オサム

「陽だまりの彼女」、私の大好きな作品です。
映画もとても素敵で好きなんですが、
私はどちらかというと、小説の方が好みです。

自分の頭の中で、ふわふわと想像するのが好きなんです。

最初は、これまでと一緒の恋愛小説だろう、と手に取りましたが、
読んでみると、その複雑な場面展開に夢中になりました。
「まさか、そんな…!」と最後の方は、本当に驚きましたね。

今日は、こちらの本をご紹介します!

作品について。

「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」と謳った
書店のパネルが話題を呼び、
普段は恋愛小説を読まない中年男性の目も留まるようになり売上が急上昇。2011年6月に刊行された文庫版は啓文堂書店の
「2011年 おすすめ文庫大賞」の1位に輝き、
2013年9月には累計発行部数100万部を突破した。

2013年10月12日、今作を原作とした映画が公開された。
映画公開後さらに売り上げが伸び、
10月28日付のオリコン“本”ランキング文庫部門では
週間4.6万部を売り上げ、発売から2年4か月で初首位を獲得した。

私は、表紙を見てパケ買いをすることが多いのですが、
この本の表紙には、残念ながら、あまりトキめかず。笑
でも、「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」という文字を見て、
本屋さんで、手に取りましたね。

中年男性の目にも留まったとか、やはり言葉の力ってすごい。


裏表紙のあらすじ。

幼馴染と10年ぶりに再会した僕。
かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。
でも彼女、僕には計り知れない過去を抱えているようでー。
その過去を知ったとき、
恋は前代未聞のハッピーエンドへと走り始める!
誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさも、
全てが詰まった完全無欠の恋愛小説。


印象的な言葉。

P34 彼女の虹彩が茶色味を帯びていることを、僕は今日初めて知った。
P101 名前や過去という砂は零れ落ちてしまったが、
それでも手のひらには、愛情がしっかりと残っている。
P153 受け入れがたいほどのショックに直面した人の脳が、
記憶に一種の鍵をかけてしまった状態が全生活史健忘なのではないか、
という推定はなされているようだ。
忘れてしまいたいと脳が拒絶するほどの出来事を、
無理して思い出す必要などない。
P212 安定した道を選ぶ人もいれば、
好きなことのために茨の道を選ぶやつもいる。
どっちが幸せかなんて誰にも決められることじゃないけど、
自分で選んだ道なんだから、
せめて死ぬときは「俺の人生幸せだった」と思えるようにしたい。


読み終わって。

前半は可愛らしい恋愛小説だけど、
読み進めるうちに、ミステリーのような、ファンタージのような、
そんな要素が顔を出します。

私は、甘々の恋愛小説は苦手なので、
だからこそ、
この色々な要素が含まれている、この作品が好きなのだと思います。

ハッピーエンドなのか、
バッドエンドなのか、
多分、それはいろんな意見に分かれるかな、と感じました。

でも、私は自信を持って「ハッピーエンドだった」と言える気がします。
終わり方は、珍しいです。
「あ、こうやって終わるのね」と拍子抜けしたけど、
過去も、未来も、全てを包み込んで受け入れる、
主人公がそこにいたから、私はハッピーエンドだと。

恋愛小説をあまり読まない人でも、
むしろ恋愛小説をあまり読まない人にこそ、
オススメしたい1冊ですね。

ちょっと違った、不思議な本、読んでみたいな〜、と
思い立った時に、ぜひ手に取ってみてください。


おりょう☺︎

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