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耳の不自由な女の子。その涙の理由に気付いた・・・どうしようもできない壁

ケースワーク、相談支援の現場では、自分の方が気付かされ、
学ばせていただくことがしばしば。

10代の少女と母親の相談

娘の夜遊びに困っています
と母親

娘にはある特徴「聴覚障害」があった。

理由や、先天性であったかどうか
記憶には無いが、母親が、少女に幼少期の頃から
読唇をたたき込んだ

そのおかげで、少女はほとんどの人のコミュニケーションが取れる。
本人の言葉は鈍く、障害があるとわかる話口調
だが
こちらの言葉を確実に理解できる。

母親の愛情のなせる業だ。

ところが、しばらくすると
再び夜遊び。家に寄りつかなくなった。

悩む、母親

少女とだけの時間を持ち、話を「聴く」

母親が嫌いなのか・・・違う
家が嫌いなのか・・・違う
それはそうだろ
読唇を完璧に叩き込んだ母親の努力、本人との二人三脚
本人もよく頑張った。親子で血のにじむような努力を積み上げたことが
よくわかる。

だが、どうしても・・・

少女、涙ながらに語る

家族が、テレビを見て楽しそうに笑っている

この輪に入れないことが、耐えきれないほど、寂しいのだ

1対1だと、わかる。話せる。
同時に、複数人が話をすること

どうしても・・・無理

そうか、つらいね

母親の愛では、乗り越えられない壁
というか、違い、この差

これを埋めるのも、お互いに尊敬しあう親子の絆なのか

だからと言って
この少女の、存在価値が引き下げられるわけではない

きっと母親にとっては、かけがえのない大事な娘
障害があって、家庭から少し離れてしまい、寄りつけなくなっても
きっと戻ってくる

注いだ愛情に、必ず応えてくれるはずだ

そんな親子との出会い、思い出の1ページであった。




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