見出し画像

デザイナーからスクラムマスターになった話

はじめに

この記事は自分がQiitaに書いた記事をコピって加筆修正したものとなります。なのでちょっと過去の話です。
転職してUXデザイナーとなった今、改めてふりかえりたくなったのと、RSGTが終わってたくさんの人とギャザリングできたので、名刺代わりの記事を置いておこうと思った次第です。長いです!
それでははじまりはじまり。

自己紹介

webデザイナーアルバイト
→フリーランスでUI/UXデザイナー二社
→正社員でUIデザイナー
→スクラムマスターに社内ジョブチェンジ
→現在は動画型マネジメントシステム屋さんのプロダクトマネジメント部にて、UXデザイナーをしています。

その前の経歴としては

学生時代にデザインを学ぶ
→新卒で某自転車屋勤務(デザイン系じゃない一般の就活で受かった会社)
→DJが楽しくなって一年で退社し、飲食のバイトをしつつ生活費を削ってDJ修行、イベントオーガナイズ、フェスづくりなどをする
→震災きっかけで「今の俺にはサバイバルスキルが足りん!」と思い立ち自給自足を目指し千葉の奥地へ移住
→お金稼げなくてなかなかきついということで東京に戻り、webの仕事をしながら相変わらずDJしたり野外フェスをしたり、出張ビリヤニ屋さんをやったり…

と、いろんな寄り道をしながら楽しく生きてきたおじさんです。
現在の趣味は料理(得意料理はマトンビリヤニ)、DJ、キャンプ、ゲーム(ロボゲー好き)、VRなどなど。

この多趣味多経験のおかげでたくさんお友達ができました!

スクラムマスターでやったこととかおこったこととか

~なんでわたしがスクラムマスターに!?~

ことの発端は2021年。会社に入って半年少し経った頃、チームの根幹メンバーが辞めることが続く時期がありました(ベンチャーあるある)。

UIデザイナーとして従事しておりました私は、日々かわる開発進行のルール、一日に何回も重なるmtg、部署間の開発内容に対する認識齟齬etc...
とにかく仕事が手戻りまくる状況に振り回され、そしてなかなか世の中に出ていかないデザインたちを見て虚無る…そんな日々でした。

少しでも状況を良くしたくて、mtgファシリ、figmaでmtgテンプレ作ったり、ワークショップなどを駆使して奮闘、しかし状況は簡単には変わりません。一年待たずに転職も考えた。

そんなある日、プロジェクトの開発をメインで仕切るエンジニアメンバー数名が抜けることに。
チームにはPM的立場の人もいないため、完全新規メンバーの体制へ変わることが決まりました。
数ヶ月の猶予があるとは言え、このままでは開発が頓挫してもおかしくない…
このままではまずい!と思った僕は、まずは部署を越えて、忙しい皆さんを集めてざっくばらんにお話をする場を設けました。

みんな同じ課題感を持っていた

メンバー同士で話をしてみると、今みたいに部署がぱっきり分かれた状態で開発を続けていくのはとても困難だと感じている。
予定したことはだいたい予定通りには行かない。
なんとかしてこの状況を変えたいが、リーダーもいないし、どうしたらいいのか誰も答えがない。
ただしみんな「もっとスムーズにやりとりをして、アイデアをどんどん実装していきたい」という思いは共通していたように思います。

旗振る人がいないならやるしかない

前述の通りで既にいろんな人を集めて相談したりと旗を降り始めちゃった自分ですが、自分はとくにチームを受け持ったり、マネジメントする立場ではありません。
過去にも会社でプロジェクトマネジメントなんてやったこともありません。
自分が前に出てくのもどうなのかなあ…と思わなかったわけではありませんでした。

ただし、もともとの開発進行に対して疲弊していた自分としては、これ以上カオスでノーコントロールな状況がやってくるかと思うと憂鬱で、
状況をどうにかしたいという気持ちは人より強かったんじゃないかと思います。
いちデザイナーの立場で、上から降ってきた要件をなんとかかんとか打ち返して、また手戻って…
というのを無限に繰り返すのはもううんざりだったわけです。

ここで寄り道の経験が活きてきた

一方、趣味の一つに「音楽イベント」がありまして。DJの分野ですね。
20名超のクルーを何年もチームとして見てきたり、0から野外フェスの企画進行をやった経験がある自分です。
なので、自己流ではあるものの、マネジメントの経験がゼロというわけではありません。

加えて、フリーでUI/UXデザイナーをしていた頃の会社では、開発をスクラムで進行していました(やっとスクラムが出てきた!)。
デザイナーは、スクラムイベントには参加しつつ、見積・計画などはやらない。その代わりPOと次に作るものを話し合い、これからのスプリントで作りたいものを開発に先行してデザインしていく流れでした。
エンジニアさんたちがやっている見積作業も、横から見ていてすごく納得感のある進行に思えました。

なので、スクラムについては完全ではないものの経験しており、
大きく予定するのではなく、小さく価値を届け続ける
その考え方は、目の前にあるチームの課題感を解決してくれそうに僕には思えたわけです。

社長に直談判!

とはいっても数十名の会社なのでそんな大それた感じではないんですが…(すぐ隣に座っているw)
「スクラム開発ってのがあって、小さなチームの、自発性を促し、期間に区切って少しずつ開発していく手法なんです。今の困難な開発、僕が前に少し経験した限り、すごく良かったんですよ。今のチームにはきっとこれがはまると思うんです…」とSCRUM BOOT CAMP一冊を片手にプレゼン。

外からPMを取るにしても、今から募集してすぐ取れる保証はない。
それであれば、この進め方を学んで実行する方が確実で速いじゃないですか!

そんなわけで社長も本を読んでくださった上で「いいんじゃないか」と決めてくださった!(プレゼンしておいてなんですが、正直、マジかよ!?と思ったのは秘密…)

かくして、デザイナーとしては何年かやりつづけているが、スクラムマスターとしてはズブの素人な私が、藁にもすがる思いで、スクラムマスターへの道を歩み始めたわけでした。

当然、一筋縄ではいかなかった

そこからの一年、詳しくはQiitaに書いてるので割愛しますが、
とにかくがむしゃらに始めてがむしゃらに進行した一年でした。
スクラム開発は、そう簡単にはいきませんでした。

でもこの時に勇気を振り絞った甲斐あって、それまで何か月も止まっていた開発も、徐々に回り始め、最終的にはメンバーからもその変化について感想をいただけました。以下はそのレポート。

Qiitaには他にも当時やったプラクティスや苦労、チーム構成などなどを書き連ねてます。

一年間頑張って、その後(現在)

最終的に、一年位のスクラムマスター期間を経て、自分は転職しました。
理由を一部書くと、

  • スクラムのプラクティスを、ビジネスサイドの部署も巻き込んで全員で続けたことで、それまで分断されていたコミュニケーションがある程度疎通できるようになった

  • 開発者やPOもプラクティスに慣れ、計画やイベントを自分たちでも進行できるようになってきた

  • 自分以外にもアジャイル経験のあるエンジニアさんが入ってきてくれた

  • お金もっと欲しかった!(重要)
    当時は会社に昇給制度がまだできてなかったんでしょうがないんですけどね。スクラムマスターは見返りを求めず日々の仕事を前進させたくて始めたけど、自分は聖人君子では無いので、いつまでもというわけにはいきませんでした。歳も歳だしさ。いろいろ考えるわけよ。
    (今は昇給制度ができたのでみんな頑張ってるはず!頑張っててくれ!願)

そうしたときに、やっぱり僕はデザイナーだし、そもそもデザイナーとして入った時からUXデザインのテクノロジーを日々学びながら実践したかったし、スクラムをやる中で「価値のあるプロダクト」についてたくさん考えたら、プロダクトマネジメントにも興味が出てきちゃった。
そして外の世界へ。。。

わかったこと…ふりかえり!

スクラムを始める前、僕にとっては目の前の開発を建設的に前へ進めることこそ目的であり、乱暴な書き方をすると、そのためならどんな方法でも良い、かつ、人を頼れない状況だから、自分でなんとかしたかった。

スクラム、アジャイルは十分な理解やチームメンバーの興味、意識が無いとやることが難しいという話を先輩からも聞きました。それでも、スクラムをやってみたいという思いは、初めてスクラムを体験した時に感じた建設的な空気、シンプルで面白いからやってみたいという興味、そしてなんとなく、一人からでも、エンジニアじゃない自分でも推進できる気がしたからでした(根拠のない自信…)。

結局スクラムマスターの看板は下ろした?けども、やる前と後ではデザイナーとしても何かが変われたように思います。

スクラムマスターの一年を経て、自分が得たものはなんだろう、とふりかえってみました。

  • スクラムの視点がデザイナー視点とも少し似てることが見えた(これは別で記事にしようそうしよう)

  • 前よりもプロダクトに対する目線が深くなった

  • プロダクトについて、いろんなアイデアが浮かぶようになった

  • スクラムをやるにあたってめっちゃ本読んだんですが、頑張れば自分こんなに勉強できるんだなって40近くで気づかせてもらえた

  • エンジニアや企画や社長が何を考えてるのか少し知れた

  • コミュニケーション大事!

  • ふりかえりは開発以外の人もみんなやった方がいい!!

  • ↑できれば短いスパンで!

  • たくさんのアジャイル先輩とお友達になれた!

などなど、挙げればキリがないくらいいろんなものを得ました。

しかし良いことばかりではないです。
強く残ってるのは、スクラムの中で、チームをうまく盛り上げていけなかったなーという思いです。

最後に「みんなでワクワクしていくために何が必要だったんだろう」を考えてみました。

チョイ話が逸れますが、
RSGT2023で「自分が好きなプロダクトは、他の誰かにも響く」というような話を、おもちゃクリエイターの高橋さんが仰っていました。
そのとき僕は「今まで、自分が作ってるものが好きだったか?」と自問自答しました。
正直なところ、そこまで好きじゃなかった。
むしろ嫌いなことさえもあった。

じゃあ、これから大好きなプロダクトを作ることができたら、どうなるのか?
自分が好きなものは、人にもワクワクしながら話せる。
そしてそういう人の様子ってなんか、魅力的に映る。

自分が大好きなプロダクトを作っていくことができたら、チームのみんなを巻き込んで盛り上げていけるんじゃなかろうか。
小田中さんの「人に話さずにいられないOKR」みたいな感じで、みんなでワクワクできるんじゃないか?

これに気付けたのは、スクラムマスターをやって知ったチームづくりの大変さ大切さ面白さ、それぞれのロールの役割と思いと苦労、スクラムのコミュニティでの学びetc…すべての経験あってのこと。スクラムやってなかったら、RSGTにも行ってないし。

デザイナーからスクラムマスターになった結果、プロダクトへのまなざしが大きく変わったと、今は思っています。

以上、自分語りがずいぶん長くなりましたが、こんなやつもいるよというお話でした。
ここまで読んでくださってありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?