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【地域で輝く学生vol.50】神戸親和大学高松ゼミ「ヴィクトリーナ姫路スポーツビジネスコンテストに2年連続参加して」

神戸親和大学教育学部スポーツ教育学科の高松祥平先生のゼミは、2022年度に引き続いて、2023年度も「ナガセナガセケムテックス株式会社presents 大学コンソーシアムひょうご神戸×ヴィクトリーナ姫路スポーツビジネスコンテスト」に参加いただきました。今回は、高松先生より、2年連続参加いただく中で、このプロジェクトに参加する学生たちの様子やその成長について感じたことをご寄稿いただきましたので、ご紹介いたします。

今年も参加を決めた理由、本企画に期待していること

 今年も去年に引き続き、3回生ゼミの活動の一環として参加させていただきました。参加を決めた理由として、プレゼンだけでなく、実際にプロスポーツの現場で学生達が考えたアイデアを実践する機会があることが挙げられます。私の講義でも学生達がプレゼンをする機会をつくっていますが、聴衆は同じ大学の学生と教員である私しかおりません。それではどうしても緊張感に欠けますし、「とりあえずプレゼンの課題が出たので、資料をつくって発表しました」という姿勢になってしまいます。他大学の学生や社会人の方々といった、同じ大学以外の人達の前でプレゼンをしたり、交流をしたりする経験は学生の成長にとって非常にいい刺激になると考えています。実際、本コンテストを経験することによって、プロスポーツチームへの就職を志す学生も出てきました。

今年度は「グッズ」に関する企画に挑戦。「ヴィクトリーナアパレル立ち上げに向けて~パーカーの販売~」について報告する高松ゼミの学生

 また、新規事業のアイデアを練って、それを実践するというプロセスはまさに「言うは易く、行うは難し」です。学生の様子を見ていて、1を2や3にするのではなく、0を1にしなければならない難しさを昨年に引き続き痛感しました。本コンテストのような緊張感や難しさを大学生の間に経験できる機会は、私が学生だった頃はほとんどありませんでしたので(実際にはあったのかもしれませんが)、学生達には積極的にコンテストに参加し、自身の成長に繋げていってもらいたいという気持ちがあります。

2023年12月24日。企画実践したヴィクトリーナ姫路ウインク体育館で。
学生たちが企画・制作したオリジナルパーカーが完売した直後に。

2年目の振り返りと学生への効果・成長を感じた点

 本コンテストは、約半年間に渡って実施されます。2年続けてゼミの教員として関わらせていただき、そこで感じたのが「ある意味、部活動のようだな」ということです。自分達でアイデアを考えてプロスポーツの現場で実践するためには、とてもじゃないですが週一回90分のゼミ活動だけではカバーしきれません。さらに、その中で誰かが(あるいは全員が)リーダーシップ・フォロワーシップを発揮しなければならないですし、メンバー間で目標を設定し事細かにコミュニケーションや合意形成を図っていかなければなりません。部活動でも全てが上手くいくことはないと思いますが、本コンテストに向けてのゼミの取り組みでも2年連続色々と問題・課題がありました。例えば、スケジュール管理、メンバー間でのタスクの割り振り、担当者との連絡・調整などです。スケジュールについては管理が甘く、当初予定していたアイデアを実現できないことがあったり、準備の全てがギリギリになっていました。また、私個人としては、お世話になる担当者との連絡・調整も非常に重要と捉えています。Z世代と言われる今の大学生の連絡手段は、LINEをはじめとしたSNSが主流です。しかし、社会に出るとそれ以前の世代と方々と連絡する機会が増えます。その際、メールや電話のビジネスマナーも必要になってくるでしょう。この辺りのことは大学においても学んでいるはずですが、ぜひとも実践を通して学んでほしい部分です。

オリジナルパーカーの販売にむけて、高松ゼミの学生たちが作成した告知
高松ゼミの学生たちが自らモデルとなってポスターを作成するなど、告知も工夫しました

 一方、学生達の行動力には目を見張るものがあります。今年は2回目ということもあり、どのグループも最終的にはしっかりと「成果」を残していました。今年最優秀賞を受賞した神戸学院大学の4回生の皆さんは、3回生時に引き続き2年連続の出場でした。もちろん取り組みの成果は素晴らしかったのですが、特に大きな成長を感じられたのが、最終プレゼンとその後の質疑応答です。審査員からの質問に対して、各メンバーが明快に回答している姿が非常に印象に残りました。大学生の皆さんは、多少企画プレゼンや準備段階に甘さがあっても、本番当日までに挽回するノリと勢いがあります。大学生だからこそ、チームのメンバーで挑んでいるからこそ、失敗を恐れずにどんどんチャレンジできるのかもしれません。そのような姿勢は、これからも大事にしてもらいたいです。

学生たちはナガセケムテックス賞を受賞しました。おめでとうございます! 
写真左は、ナガセケムテックス代表取締役社長の藤井悟氏

大学間連携で実施すること・事業を継続することの意義

 大学間連携で実施する意義を語る上で一番忘れてはならないのが、大学間を繋いでくれている関係者の皆様です。さらに言うと、本コンテストの特徴として学生の運営スタッフの存在が挙げられます。学生スタッフはまさにコンテストを「支える」人であり、会場での運営だけでなく、日常的に関係者との連絡・調整をしてくれたり、様々な企画を考案・実施してくれています。その結果、参加する学生達もスムーズにコンテストに取り組むことができているように感じます。
 今後さらに連携の効果を高めていくためには、学生達が興味関心のある課題設定ごとにエントリーし、チームを作成してもいいかもしれません。つまり、様々な大学からの参加者が各チームに割り当てられる形になります。そうすることで、他大学との交流が活性化されるため、大学間で連携し、事業を実施する意義が高まるのではないでしょうか(学生達自身がそこに意義を感じるかどうかは別問題ですが…)。

 末筆ではありますが、昨年度から本企画に参加させていただき、再度このような場で執筆する機会をいただきましたことに深く感謝申し上げます。

寄稿:神戸親和大学教育学部スポーツ教育学科 高松祥平 先生