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おすすめの本2『生きること学ぶこと』。

広中平祐(ひろなか へいすけ)さんという数学者がいて、フィールズ賞というこの分野ではすごい賞を受賞している。

今回紹介する広中さんの本は難しい数学の話ではなくて、考え方など読者にゆっくりと語りかけるような雰囲気で書かれている。

だから自然と内容が入ってくる。

タイトルは『生きること学ぶこと』という。

集英社の公式サイトだよ。

「嫉妬」を感じたことはあるだろうか。

その感情を感じるのは自然なことだと思うよ。

ご近所さん同士のお付き合いの中でも競争とかあるからね。

まず広中さんはライバル意識が嫉妬に変化することは良くないことだと書いていて、最後にこう断言している。

嫉妬は人間特有の感情であり、それは万人に等しく生じるのだ、と心理学者はいう。確かに学問の世界だけではなく、日常生活の中でも、私たちはともすると、羨望の念を超えて他人を嫉妬しがちである。専門家ではないから、私はこの不思議な感情について説明できないけれども、いずれにせよ、嫉妬は、ものを創造しようとする人間にはまことに好ましくない感情である、と断言しておきたいのだ。(96~97ページ)

さて、まことに好ましくないのは分かったけど人間なので嫉妬を感じてしまうかもしれない。

そういう時にどうすればいいのかについても書かれている。

では、どうするか。ここで、あきらめることが必要になってくるのである。(97ページ)

そう頑張って嫉妬の感情を消そうとかではなくて、あきらめようなのである。

この本の他の話でも広中さんはよく「あきらめる」という言葉を使っている。

今の時代って「あきらめるな」ってよく言われるけど良い意味の「あきらめる」もある。

これは人生論に近い本かもなぁ。

しかし広中さんと全く同じことをするのではなくて文章を読みながら自分自身について同時に考えることができる。

誰が読んでも「なるほどなぁ」と感じる瞬間がある本だと思う。

おすすめの1冊だよー。

では、また。

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