何故ジャイアンツはファンベースの取り組みを始めたのか?
人気プロ野球球団の読売巨人軍(以下巨人)がファンベースの取り組みを始めています。
ファンベースとは「ファンを大切にし、ファンをベースにして中長期的に売上や価値をあげていくこと」です。
スポーツチームがファンを大切にすることは当たり前な気もしますが、何故今更ファンベースなのでしょうか?
そこにはビジネスとしての「ファンを大切にする」とは違うファンへの接し方を模索しているからです。そしてスポーツチームだけでなく、全ての企業が考えるべき観点でもあります。
今日はそんな巨人の取り組みについて投稿したいと思います。
(*参考図書 ファンベースなひとたち ファンと共に歩んだ企業10の成功ストーリー)
まずそもそもファンとは何でしょうか?
ファンとは「企業やブランド、商品が大切にしている価値を指示してくれている人」のことを指します。
チームが弱くなったり人気選手がいなくなっても応援する人達のことで、コアファンと同義でもあります。
つまりファンベースとはどんなことがあってもファンでいてくれる人たちを大切にしていきながら収益を上げていくことです。
今日本は市場が拡大しているわけでもなく、積極的な消費も見込めません。
CMなどで新規顧客を獲得しても、一時的な流行が終われば離れていきます。
そんな時代だからこそ、何があってもファンでいてくれる人たちのことを大切にし、その人たちが喜ぶ商品やサービスを提供することが長期的な収益化に繋がるのです。
特に勝敗やチーム状況など偶然性の高いスポーツチームにとって非常に重要な取り組みと言えます。
そんな中、巨人がファンベースを必要したのは、
・勝敗に関わらず支えてくれるコアファンの存在を活かしたい
・社内の事業やサービスにファンの視点を取り入れたい
という思いからでした。
まず巨人は以下の3点を取り組みました。
①ファンの調査
GIANTS ID登録者アンケート、ECサイト購入者向けアンケートなどから徹底的にファンを調査しました。
②他球団や他のエンタメの理解
地方主催試合や他球場、野球以外のエンタメを徹底的に見に行き、ファンが求めていることを理解しました。
③社内の目線合わせ
社員はファンが大事と分かっているが、自分の担当するお客さんだけを見がちだったので、社内の目線を合わせてファンにとって何が大切か考えました。
そして特に力を入れたのがファンミーティングでした。
コアファン14人を招待しドームツアーを行ったり、ファン同士で巨人の好きなところを語り合うファンミーティングを開催しました。
ファンミーティングを行うことでSNSなどではわからないファンの生の声を知ることができました。
またファンは仲間なんだという意識も芽生えたそうです。
このような取り組みをしたことで、巨人はファンが何を求めているのか、どいういうことを求めているのかを理解し、提供するサービスに活かしました。
実際ファンが大事というのは誰もが言います。
しかし本当にファンが何を求めているのか耳を傾け、求めているサービスを提供できているチームはあまり多くありません。
また短期的な収益化を目的として一時的にファンが喜ぶことを行うことはファンベースとは言えません。
ファンを多く抱える巨人ではありますが、長期的に愛される球団になる為にファンと長期的な関係性を築くべくファンベースの取り組みをしていたのでした。
そしてこれからもその取り組みは続いていくのです。
いかがでしたでしょうか。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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