幼い頃の絵のトラウマと、私がまた描き始めた理由
この日本で、絵を描く人で、トラウマが全くない人って一体どれくらい居るんだろうか。
日本は芸術に理解のない国だ、
ってよく言われるけど、まあ確かにそうだと思っていて、
最近でこそ SNS、特にインスタでお洒落絵や、イラスト漫画を投稿するのがムーブメントになり、
絵が描けるのがステイタスになりつつあると思うけど、
少なくとも私が幼い時は 絵が描けることで周りに褒められたことってほとんど無かった気がする。
ノートに絵を描いてるのもダメだし、(落書きと見なす)
周りの友達にも絵が描けるのはすごいねとか言われたことは記憶にない。
むしろ、
絵描く人=陰キャ認定ですらあった気がする...
絵を描くみなさん、そうでしたよね?
多分どこも...。
それもそうだけど、
個人的に1番トラウマなのは別件。
私は小学生の時漫画が大好きで、一時期漫画家になろうとか思ってたこともあるんだけど、
もちろん絵描くのも好きで、描く絵はみんな漫画絵だった。
あの、目が大きくて、黒目の面積の方が白目より大きいアニメみたいな絵。
ちなみにちゃおっ娘でした。
中学生まで読んでた...ちゃおDXも買ってたよ
私はたぶん、小学2年生の時、図工の絵を描く時間にそれを得意げに描いてたと思うんだけど、
担任の先生が巡回してきた時に
褒められるかなあ!と思ってたら、
先生は眉をひそめて、ものすごく険しい顔をしたのね。
それで、
「これはーーー・・・漫画絵だね」
と一言。
その瞬間、クラスの雰囲気がすごい凍りついた気がしたのよなあ。少なくとも、私はそうだった。
たった一言なんだけど、それくらい厳しいテンションで言われた。
それがすごく、大きな問題であることみたいに。
その後のことはよく覚えてないけど、たしか
絵はこうやってこうやって描くんだよ、学校ではこういう絵を描くんだよ、という感じで指導されて、少なくとも当時の私にはお説教みたいにそれが響いた。
勿論、今なら先生の言いたいことはわかるよ。
この場で求められている絵はリアル画だから、
漫画絵は今は場違いだよ、って単にそれだけなんだけど。
でもその後、周りでそれを聞いてた友達にからかわれたりもした。
あの絵、漫画なんだって〜と。
なんか、すごく、私は恥ずかしかった。
そこから学校で絵や、イラストを色んな場面で描かないといけない時は、
あくまで「学校用」の絵を描く。
自分の本気の絵は描かない、と決めてた。
目は簡単に、周りの皆みたいに描く。
学校の冬やすみのしおりの表紙の絵を頼まれた時も、ミッキーみたいな目をした人を描いた。
その方が「ウケ」がいいこと、わかっていたから。
少女漫画のキラキラの目は、絶対に誰にも見せまいと決めてた。
それは「いけないこと」で、タブーだから。
今思い出せば、その先生は学校でも有名な、少々ヒステリックな先生だったし、その言い方にも問題があったと思う。
そして幼い私はそれを真に受けた。
周りの風潮、絵を描く=イケてないこと的な雰囲気があったのもあり、中学、高校、と家で1人になった時は細々と描いてた絵も、だんだん描かなくなっていったし、
私は絵を描きます!とか言うのも嫌だった。
出来るだけ、隠していたかった。
絵じゃなくても、幼い時のそういうの、ありませんか?
「陰キャに見られるからやめよう」とか「真面目と思われるからやめよう」って、ありますよね...
子供って、恐ろしい。
海外の女優なんかが、私は絵を描くのが好きよ、とインタビューで言ってた時なんかは、
へえー!言っていいんだ!とか軽くカルチャーショックを受けたものだ。
いや、今考えたら そりゃ言っていいだろ!って感じなんですけどね...。笑 当時はね。
あとは描かなくなったのは単に、
私が絵を練習する向上心が無かったのもある(笑)
落書き的な感覚で好きに描くのが良くて、上手くなるためにあらゆる技術を練習することには、以前は全く興味がなかった。
(それもあって漫画家も目指した矢先わりとすぐ諦めました笑 漫画家は...凄いよ。
ネーム、コマ割り、ペン入れ、トーン貼り、ベタ塗り、カラー、...切りが無い。)
そんなこんなで、大学入って以降は全く描いてないし、(描いてもメモにたまに落書きくらい)
絵がわりと得意と思ってた私の画力は、中学生くらいで止まってしまっていた。
ずっと描き続けていた人はその分上手くなってるし、
なんなら自分が絵を描く人間だってことも、何年も忘れてた。
そんな私がやっと絵をまた描こうと思ったのはつい最近で、
インスタで見つけたすごく私が好きな感じの、
プロのイラストレーターさんとの出会いが大きいかもしれない。
土屋みよさん。
一応リアル画なんだけど、すごくオシャレで、
絵が上手い=イケてない、みたいな私の安直な昔のイメージを覆してきたから。
ここで言う私の『リアル画』とは、デッサンに忠実で本物に近い絵です。目とか、体つきとか。
そしてこの人の絵を見て、本当に上手くなるためには基礎的な画力が必要だなと思い、
昔は嫌ってた模写やスケッチ(見たまんま描くこと!)を最近はずっとやってる。
お友達や、芸能人の写真を見ながらそのまま描くっていう、昔の私だったら絶対にやらなかったこと。(想像で、漫画タッチの絵だけ描いてた)
今はそれが楽しくてしょうがない。
人間大人になると変わるもんだねぇ〜・・
多分、それが出来ないと説得力のある絵は描けないし、
私の画力は中学生で止まったまんまだと思ったから。
気付けば
何年も全く描いてなかった生活から、今はほとんど毎日描いてる生活。
自粛期間で自宅待機だからできるのだけど...!
ありがたや。
昔のように漫画絵ではないけど、
絵を描いてると
ああ、これが自分だ、
と長年見失ってたものを取り戻せたような気がする。
ずっと何か足りない気がしていたのは、これだったのだと。
幼い時の、絵を描き始めたら何時間でも描き続けられていた自分に 戻ったような感覚。
あんなのは、子供ならではの集中力だと思ってたのに、今もそれは同じだった。
そして絵を描く人共通だと思うけど、
自分で描いた絵が自分ですごく好き。
私は周りの反応とかかなり気になるタイプだけど、絵に関しては、反応あったら勿論嬉しいけど、今は反応が無くても落ち込みはしない。
自分で満足しているから。
だから人に評価されなくても、描き続けられる。
その絵が良いことは、自分がわかっているから。
そりゃこれが苦手だな、とか
ここが上手く描けなかったな、とかすごい沢山あるし
上のレベルを見たらマジでキリがない。
しかも絵は一目瞭然でレベルがわかってしまうから。
それでも自分の絵が好き。
芸術家はみんな、自分の作品が好きなナルシストだと思う。自分の絵に、酔いしれる。
そして毎日描いて、毎日、上手くなる。
好きなことをするって、
人間にとって本当に大切なんだなあと
実感する。
最近私が強くなった理由は、ここにあるのかもしれない。
ずっと封印してた絵を始めて、本来の自分に戻れた気がするから。
もう、怖くないのです!!!
今まで忘れていて、ごめんね。
アカウントまで作っちゃう。
あんなに怖がってたのに、自分でびっくり。
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