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変化したいと思っているときは成長していない話

佐藤伝さんの本を読みました。きっかけは大谷翔平選手が中学生に始めた「マンダラチャート」の発案者が佐藤伝さんだと知ったからです。


「ヨコ3マス、タテ3マス」で計9マス。中央になりたい目標を書く。人は空間があると埋めたくなる心理があるので、このチャートは自己実現のためにかなり強力なツールだと感じます。

ところでこの本は、伝さんの祖父・多田等観さんがチベットに留学し、ダライ・ラマ13世から教えを受けた話や、寺院で学んだ経験が紹介されています。すごいですね。今から約100年前の1913年にチベットに留学した日本人がいたとは知りませんでした。

たくさんのエピソードが紹介されていますが、すぐにメモをとった図版があります。こちらです。

なぐり書きですが、、、


「安定」と「変化」、その先の「成長」。ああ、そうか。そういうことだったのかと納得できた図でした。


自己啓発本やビジネス本では「個人起業」「地方移住」「社会人の学び直し」など、働きかたの変化を後押しするテーマがよく売れています。コロナもありましたし、なんとなく世の中が変わらなくちゃモードになっているのも感じます。

この図を見ると「変化」の対に「安定」があります。これ、あるあるじゃないでしょうか。時代の流れに合わせて変化しなくちゃ、なんかこのままじゃいけない気がする、と急き立てられるように本を買う。あるいはオンライン無料ビジネスセミナーに参加して勉強をはじめる。

一方「毎月の給料があると安心」「子どもの学校を考えたら、今から移住はムリだよね」とか、「歳だからもう遅い」といった「そのままでいいんじゃないか」と思っている自分もいます。

今までの自分はまさにこの感情の揺れそのものです。右に行ったり、左に行ったり。だから思い切った転職ができませんでした。


でもこの本にはこう書かれていました。


どちらでもいいと手放したとき成長がやってくる

『祖父・多田等観が語った チベット密教 命がホッとする生き方』
佐藤伝著 サンマーク出版


たしかに。安定と変化は正解がないし、どうなるかわかならい。でもどちらの道を選択したとしても時間は過ぎる。年をとる。もしかすると、そもそもどちらかを選ぶ必要はなく、どちらであっても、今、目の前の生活や仕事に真剣に取り組んでいれば、おのずと自分は成長していく。その結果が「変化していた」であり、あるいは「安定を選んでいた」ということなのかもしれません。

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きょう、近くの公園に行きました。


まっかなもみじが見事で、たくさんの人が写真を撮っていました。なんでだろう。他の季節は人が少ないのに。

もみじはずっとそこに根を張り、生きている。これは「安定」。でも春に芽吹き、夏と秋に葉の色が変わり、そして葉を落とす。これは「変化」。「安定」も「変化」もどちらも含んでいる。一年が経ったころには、もみじは立派に「成長」している。

身近な自然をながめると、すべてのこのサイクル通りに動いている。
ものごはとってもシンプル。そう思ったとき、心が軽くなりました。

木々は冬の寒さに耐える準備をしています。淡々と、そして力強く。

一喜一憂しない。きょう一日をていねいに、そして、たいせつに。
たぶんそれが、いちばん早い成長なのだと思うのです。


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